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【心理系大学院を目指す私の場合⑥】私の研究テーマ

私が大学院以降研究していきたいテーマは「慢性疼痛」です。

「その痛みはどこからくるのか?」

きっかけは以下です。
・私は損害保険会社に24年弱勤務、そのうち13年間保険金支払い部門で自動車事故の査定・交渉担当に従事
・人身事故の担当時に、軽微損害の案件に日々疑問を感じる
(例)車両同士が低速で「コツン」ぐらいの軽微の接触、ミラー同士のみの接触であるが、搭乗者らが首が痛い、腰が痛いと訴えてくるケース
 
・大概、「他覚的所見がない」という受傷の診断がつく
・最後は、保険会社「ここまでしか支払いできない」⇔当事者(顧客)「もっと支払え」の交渉のせめぎあい。
・当事者は「痛いから通院する」、保険会社は「通院したいから痛がっているのか?=通院日数で最後に支払う慰謝料が欲しいのか」という見方が出てくる
・詐病や保険金請求詐欺へのモラル性の疑義も抱かざるをえない。
•よほどのケースは弁護士に委任し、法的な対応(債務不存在確定訴訟)も辞さず、保険金の支払いを否認する。

こういった事案対応を経験することで、「賠償性」「心因性」というワードを実務上で学びました。その後に心理学の学びで、特に「心因性」にたびたび遭遇するので、私には引っかかっていました。

たまたま目に留まった書籍「痛みの心理学 感情として痛みを理解する」が、さらに私の興味を後押ししてくれました。


当事者本人とっては「痛い」のは真実であります。しかし、他人からすれば、その痛みを理解することはどこまでいってもできません。

そして、私の学部の心理実習でお世話になった医療機関が、慢性疼痛、主に線維筋痛症の患者を多く受け入れているクリニックでして、さらに興味が深まりました。患者さんも、言ってしまうと、個性豊かで「こんな訴えをするんだ!」と診察の陪席をした際、内心では驚愕の連続でした。正直、詐病か?と言いたくなるようなケースや、中には福祉の恩恵に授かり続けようと、奮闘している患者さんもいました。

・慢性疼痛の悪循環モデルである「恐怖-回避モデル」、
・「破局的思考」、その測定尺度の下位要素は「反すう」「無力感」「拡大視」
・communal approach(疼痛患者は他者がいると注意、共感、社会的サポートを引きつけようとする)モデル

などなど、研究計画書の作成がきっかけで、その後もさまざまな論文や文献にあたっています。

脳のメカニズムについてもさらに学んでいく必要性を感じてます。

まずは、心理職として、慢性疼痛の緩和、軽減への支援を行いたいです。そして研究を続けていきながら、新たな痛みのモデルを作ることができないかとも考えています。

さらに究極的な目標としては、保険会社の適性査定(過剰な請求を回避)に間接的にでも貢献したいという思いがあります。