【古着】映画「アメリカン・グラフィティ」50〜60年代アメリカ学生のファッションが分かる作品(レタードカーディガン、ポリスマンシャツ、ファラオコート)
映画「アメリカン・グラフィティ」は1973年にアメリカで製作された青春映画です。1962年カリフォルニアの田舎町を舞台に、4人の若者たちが過ごす一夜を描いた作品。
この映画は70年代に製作された映画ですが、60年代アメリカ学生のファッションを忠実に再現。その中でも3人組の不良が着てるカーコートは「ファラオコート」のきっかけになった一着なので、それだけを見ても古着好きには価値がある作品です。
今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。
レタードカーディガン:学生たちの定番アイテム
左の女性が着ているカーディガンは、レタードカーディガンです。
カーディガンの胸や脇のポケット、袖にフェルトで大学の頭文字を入れたり、記念日の数字を入れたりしていました。
右袖にもラグビーボールのワッペンがついてます。
右の男性が着てるカーディガンには、「H」のワッペンがついています。大学の頭文字でしょうか? それともクラブチーム?
レタードカーディガンはアイビースタイルの教本「TAKE IVY (Amazon)」にも登場するほどアメリカ学生に人気があったアイテムです。
ポリスマンシャツ:バッジをつけていた穴が特徴
右の男性が着てるシャツは、ポリスマンシャツです。
肩にエポレットがつき、左胸のバッジをつけるところに2箇所穴が開いている(通称〜豚鼻)のが特徴。
古いものは生地はコットンサテンになり、光沢があります。新しいポリエステル製のものとは見た目がまったくことなります。
ディーティールはシャツの前身頃と後身頃をつなぎ合わせる裾の部分に、マチと呼ぼれる三角の布がつきます。30〜60年代のシャツにみられたマチは、当時の縫製技術では補えない裾部分の補強の役目をはたしていました。
サーフTシャツ:サーファーが愛用したTシャツ
女性が着てるTシャツは、サーフTシャツになります。
サーフ Tシャツと言えば、OPやライトニングボルトを思い出す人も多いはず。しかし安くてカッコいいものを探したいなら、女性が着てるようなサーフボードブランドものがオススメ。
古着屋さんで見つけると2,000円〜3,000円くらいで購入できます。サーフブランドはどんなものがあるの? と気になる方は、アメリカ古着の写真集を出している田中凛太郎の本「My Freedamn!(Amazon) 」に掲載されています。
ガゼットスウェット:スポーツからオシャレ着へ
奥の男性が着てるスウェットは、ガゼットスウェットになります。
がゼットとは画像に見られる三角の部分です。首元の汗を止める役目を果たしていました。
20〜60年代までのスウェットに見られるデザインで、大きく分けると両Vと前Vの2種類があります。
1つ目は両Vです。ガゼットがスウェットの前身頃と後身頃につきます。20年代ごろのウール素材のスウェットにも使われていました。
2つ目は前Vです。両V 後のデザインになります。前Vはガゼットスウェットの最終形で縫製技術の進化と共に見られなくなりました。
近年見られているガゼットスウェットは、機能性というよりはデザイン性を意識したものになります。
ファラオコート:不良が愛したコート
手前の3人の男性が着てるコートは、ファラオコートです。
古着好きの間では、映画「アメリカングラフィティ」=「ファラオコート」と言っても間違いではないくらいのコートになります。
理由は3人の不良たちが着ているカーコートの背面に書かれているチーム名「PHARAOHS(ファラオーズ)」からファラオコートと呼ばれるようになりました。
今では考えられないくらい当時の映画は凄い影響力ですよね。
ホワイトバックスシューズ:ロカビリーの足元を彩ったシューズ
男性が履いてるシューズは、ホワイトバックスシューズになります。
50〜60年代のアメリカ学生たちに人気がありました。その中でもエルビスを代表するロカビリースタイルの人たちがギャバジャンやスラックスに合わせて履いていました。
ホワイトバックスシューズは数多くのブランドが作っていましたが、レンガ色の特徴あるソールは 革靴ブランド「WALK OVER」によって作らたものになります。そのため、古いホワイトバックスシューズは「WALK OVER」になると、高値で取引されています。
いかがだったでしょうか?
60年代初頭が舞台だけに、50年代に流行したロカビリーと、60年代に流行したアイビースタイルの両方を楽しめたのではないでしょうか。
特に私たち古着好きが愛するシーン「PHARAOHS(ファラオーズ)」が登場するシーンでは、チェックのボタンダウンシャツを着たアイビースタイルの学生がいることで、ロカビリースタイルの不良たちが着るファラオコートを引き立てていましたよね。
映画「アメリカン・グラフィティ」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。
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