【古着】映画「理由なき反抗」ジェームズ・ディーンの演技を支えた50年代の古着たち(ネップジャケット、ポリスマンジャケット、アンチフリーズ)
映画「理由なき反抗」は1955年公開のアメリカで製作された青春映画。若者たちの行き場のない怒りを描いた作品です。名優ジェームズ・ディーンが主演を務めています。
この映画ではジェームズ・ディーンが着てる赤のジャケットが有名です。他にも50年代らしいネップジャケットやジーンズブランドを代表するLee 101Zなどが見られるので楽しめると思います。
今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。
ポリスマンジャケット:警官の命を守った極圧な革
男性が着てるジャケットは、ポリスマンジャケットです。
当時のポリスマンジャケットは一着ずつオーダーメイドで作られていました。古着屋さんで似たようなデザインでも、全くサイズが違うのはそのためです。
ポリスマンジャケットの特徴は2つ。ブタ鼻と革の厚さです。
1つ目のブタ鼻。革のジャケットにバッジをつけるために通称「ブタ鼻」と呼ばれる二つの穴が空いています。
2つ目は革の厚さ。ポリスマンジャケットを知らない方でも触って分かるくらい、他のジャケットに比べて厚くなっています。当時は化学繊維があまり使われていない時代。その時代に身を守るのに選ばれたのが分厚い革だったのでしょうないでしょうか。
50年代 ネップジャケット:生地に糸で模様をつけた
ジェームズ・ディーンが着てるジャケットは、ネップジャケットです。
生地をよく見るとツブツブの白色がついてるのが確認できますよね。
毛玉のように見える白色のツブツブを「ネップ」と呼びます。
1950年代のアメリカの服にもよく用いられキャスケットやスラックスなどにも使われていました。
ネップは白だけではなく、赤や黄色などの派手な色もあります。当時のロカビリースタイルを好む不良たちは派手なネップが入ったフォラオコートを好んで着ていました。
50年代 エンジニアブーツ:技術者のアイテムから若者ファッションへ
ストラップがついた黒いブーツは、エンジニアブーツになります。
エンジニアブーツはもともとは工場で働く技術者(エンジニア)が靴紐が機械に絡まないように、ベルトで調整できるようにしたのが始まりです。
1950年代になると映画「乱暴者」に出てくるバイカーたちや、不良たちのファッションアイテムとして使われるようになりました。
当時のものは今のものとは少しデザインが異なります。
異なる部分は2つ。つま先の高さとベルトの位置です。
1つ目はつま先の高さ。今のものとは違い、コッペパンを潰したようなつま先に見えますよね。当時のものはつま先を守る鉄やプラスチックが入っていないため、低い作りになっています。
1つ目はつま先の高さ。今のものとは違い、コッペパンを潰したようなつま先に見えますよね。当時のものはつま先を守る鉄やプラスチックが入っていないため、低い作りになっています。
2つ目はベルトの位置。ロールアップしてやっと見えるくらいの高い位置に、調整するベルトがついています。今のものとは違い、ファッションとしてベルトがついているのではなく、作業中に靴が脱げないように、足首でしっかり止める役目を果たしていたので、足首に近い高い位置にベルトがつけられていました。
リーバイス501XXを履くとき、古いエンジニアブーツを合わせたくなります。私は以前に古いエンジニアブーツを購入し、たっぷりオイルを染み込ませ履いた瞬間に「パキッ」と革が割れたしまった苦い経験があります。それ以来、レッドウィングを履いていましたが、やはり雰囲気の違いに悶々としていた私の前に登場したのはWESCO(ウエスコ)の「100周年記念 エンジニアブーツ」。忠実に再現されており、この映画に出てくるブーツに似ているので驚愕すると思いますよ。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
マクレガー アンチフリーズ :ジェームズ・ディーンの代名詞
ジェームズ・ディーンが着てるジャケットは、マクレガー アンチフリーズです。
見た目がカッコいいのはもちろんのこと、機能的にも優れていました。
ジャケットの内側に当時には珍しいフリース素材が使われていました。そのため、防寒着としてダウンジャケットが主流だった時代に、ジャケットの内側にフリースを使いスッキリとしたデザインを可能にしたのもマクレガー アンチフリーズが人気が出た理由一つだと私は思います。
Lee ライダース101Z:ジェームズ・ディーンが流行らせたジーンズ
ジェームズ・ディーンが履いてるジーンズは、Lee ライダース101Zです。
Lee社はもともと食料メーカーとして誕生しました。それからワークブランドに転向し、衣料品は生地が収縮するので難しいと言われていたジッパーの使用をサンフォライズ(収縮防止加工)により世界で初めて可能にしました。
世界初の技術を用いてジーンズ業界に参入。カウボーイのために、Lee カウボーイを開発します。
1950年代ごろから若者の間でジーンズが流行。カウボーイから若者へ対象を変えるべく、Lee カウボーイからLee ライダースへとブランドネームを変更します。
ブランドネームを変更するもなかなか若者の間で知名度が上がらないLee社は若者に人気があった名優ジェームズ・ディーンに履いてもらうことに。
そしてリーバイスの赤タブに対抗してポケット上部にピスネームと呼ばれる黒の社名が入った布を貼り付けたのです。
その作戦が大ヒット。後世に語り継がれるジーンズまでに成長しました。
いかがだったでしょうか?
令和になってもジェームズ・ディーンが着る赤のジャケットにジーンズのスタイルはカッコいいですよね。10代のころジーンズショップ「アメリカ屋」で貰ったジェームズ・ディーンのポスターを部屋の一番目立つところに貼っていたのを思い出しました。
映画「理由なき反抗」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。