【古着】映画「タイタニック」アメリカ服の歴史が学べる「ブラウンズビーチベスト、1000マイルブーツ、ショールカラーコート」
映画「タイタニック」は1912年に起きたタイタニック号の沈没事故をもとに描いた作品です。
タイタニック号と聞くと、富裕層が着ているタキシードや、ドレスをイメージしてしまいます。しかし船で働く人たちのリアルなワークスタイルが忠実に再現されており、とても参考になります。特に「ブラウンズビーチベスト」「ウルヴァリン1000マイルブーツ」「ショールカラーコート」は必見です。
今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。
スマイリーフェイスTシャツ:90年代の若者に流行った
男性が着ているTシャツは、スマイリーフェイス Tシャツ。
平和の象徴スマイリーフェイスが銃で撃たれ、血が飛び散っているパロディーもの。
90年代のアメリカではパロディーものが流行しました。
代表的なブランドは、ストリートブランドのSTUSSY(ステューシー)。ルイヴィトンや、グッチなどのロゴマークをモチーフにしたパロディーもの多数作っていました。
STUSSYのパロディーものは古着好きの間で人気があり、90年代のアイテムですが、1万円以上で取引されることが多いです。
チェック柄のウールPコート:しっかりした生地が特徴
レオナルド・ディカプリオが着てるコートは、チェック柄 のウールPコート。
このコートは今のウールコートと違い、防寒性を高めるため生地の目が細かくズッシリ重いのが特徴。タイタニックの舞台1912年ごろの代表的なPコートといえばWW1の13スター。アメリカ海軍で使用されていたものになります。特徴はボタンに13個の星のマークが入り、コートの下ポケットにフラップがつきます。
レオが来てるPコートはチェック柄。この年代によく見られた海軍のコートはネイビーの単色になります。今まで私は古着屋さんで、この年代の柄ものは見たことがありません。もし実在するのであれば大変貴重なアイテムになりますね。
ブラウンズビーチベスト:漁師からオシャレなアイテムに
レオが着てるベストは、ブラウンズビーチベスト。
このベストはフィッシャーマン(漁師)のワークアイテムとして愛用されていました。
ブラウンズビーチはベストの他にもジャケットが存在し、襟が有り、無しタイプの2つがあります。
通称ごま塩と呼ばれる黒と白がよりあわせた生地が特徴。15年くらい前は、この生地を復刻するのは難しく古着だけの特権でした。しかし日本のアパレルメーカーのフルカウントがブランズビーチの完全復刻に成功。それにより色々なアパレルメーカーからブラウンズビーチの生地を模倣したアイテムが登場しました。
模倣したものが登場すると、古着も価値が落ちることが多いですが、ブラウンズビーチは価格が高騰しました。ジャケットで古いタイプのものになると30万円以上で取引されるようになりました。今日では価格はもちろんですが、状態がいいものが減少し、絶滅服になってきています。
ウルヴァリン 1000マイルブーツ:ワークブーツなのにスタイリッシュ
この紐が解けたブーツは、ウルヴァリン 1000マイルブーツ アディソンです。
このブーツは他のワークブーツメーカーと違い、スッキリとした表情になっています。その中でもアディソンは画像でも見てわかるように、独特なウイングチップになっており、ドレッシーな格好とも相性がいいです。
1000マイルブーツの特徴といえば、その名の通り「1000マイル歩いても壊れない」。ブランドのアイテム名に耐久性をかがげるくらい丈夫なアイテムです。
このブーツを見るたび、耐久性を確かめようと外仕事で履いたとき、傷がつかないかばかり気にして仕事に集中できず、親方にメチャクチャ怒られたのを思い出します。
チンスト プルオーバー ワークシャツ:ブルーワーカーの身を守った
レオが着ているシャツは、チンスト プルオーバー ワークシャツです。
チンストは40年代以前のワークシャツについています。チンストとはシャツのトップボタン部分についてるストラップを指します。もともとは襟元に風が入らないようにするために付けられました。古いものになると先が細かったり、丸くなったりします。
スモーキングジャケット:富裕層の部屋着
椅子に掛かってるジャケットは、スモーキングジャケット。
このジャケットはタバコを吸うときにのためにデザインされたアイテムになります。用途としてはタバコの灰や、煙から大切な衣類を守るために使われていました。
スモーキングジャケットは認知度が低いため、存在を知らない古着屋さんだと安く買えるときがあります。古いアイテムが好きな方は、古着屋さんで見かけたら値段だけでも確認してみてもいいかも知れません。
ショールカラーコート:襟が面白いコート
レオが着てるコートは、ショールカラーコート。
このコートは30年代より前に見られるアイテムになります。特徴は見ての通り大きな襟。当時、プロレスラーのガウンみたいだなと思いながらも着ていると、ジロジロ見られることがありました。しかし近年のオールドスタイルが流行ってからはショールカラーをモチーフにしたコートが色々なブランドで作られてからは堂々と着用できるようになりました。
このコートの特質は生地です。
古いコートで太めのヘリンボンツイードは非常に珍しいアイテムになります。私はウールコレクターですが、ここまで太いヘリンボーンツイードは見たことがありません。
タイタニックで有名なシーン。このシーンでレオが着てるのがショールコート。
映画館でこのシーンを見たときに、コートが気になり内容が入ってこなくなったのを思い出します。
いかがだったでしょうか?
チンストのシャツや、ワークベスト、ワークパンツにサスペンダーなど当時のブルーワーカーのスタイルが忠実に再現されており、とてもカッコ良かったですよね。この映画を見るたびに、知り合いの店長さんにコスプレとバカにされますが、ワークシャツにワークパンツ、サスペンダーという組み合わせがしたくなります。
映画「タイタニック」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。
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