【古着】映画「タクシードライバー」ロバートデニーロの演技を支えた軍物たち(タンカースジャケット、M-65フィールドジャケット、USマリンコープTシャツ)
映画「タクシードライバー」はベトナム戦争の帰還後に、現代都市での孤独を描いた作品です。
この映画では70年代を代表するヒッピーファッションや、ロバート・デ・ニーロ演じる主人公の軍物ファッションがとても参考になります。
今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。
タンカースジャケット:軍服から若者のファッションへ
ロバート・デ・ニーロが着てるジャケットは、タンカースジャケット。
古着好きの間では、タンカースジャケットと呼ばれていますが、正式名称はウインターコンバットジャケットになります。タンカースジャケットと呼ばれるようになったのは、第二次世界大戦でアメリカの戦車部隊(タンカー)が着用していたからと言われています。
このジャケットには、前期と後期の2種類が存在します。見分け方としては、ポケットがパチポケのタイプが前期、画像のスラッシュポケットのタイプが後期になります。
映画「タクシードライバー」で着用していたのは後期型。後期のタンカースジャケットを映画で使った理由として、前期に比べ身幅が狭く着用したときに、身体にフィットしてカッコいいからだと思います。戦車の中で動きやすくするために身幅を補足するなどの改良をしたことが、後に古着好きや映画好きに愛されるジャケットになるなんて面白いですよね。
アメリカ軍ダッフルバック:兵士の荷物を守った頑丈な生地
壁に掛かっているバックは、アメリカ軍が使用していたダッフルバック。
画像からしてダッフルバックの生地がナイロンではなく、コットンキャンバスに見えるのでベトナム戦争で使われていたものになります。
ダッフルバックは映画「ランボー」にも登場します。ベトナム帰りの主人公を演じる筋肉ムキムキのスタローンがダッフルバックを担いでいるのが印象的ですよね。
私がアメリカに買い付けに行ったとき、スリフトでダッフルバックを入手し、服をギュウギュウに詰めたダッフルバックをスターローンの真似をして担いていたら、空港で変な目で見られた思い出のバックです。
デニムのアーミーハット:兵士からヒッピーのアイテムへ
男性が被ってるハットは、デニムのアーミーハット。
アーミーハットは第一次大戦から第二次大戦まで製造されていました。デニム以外にもコットンや、ブラウンデニムなどが存在します。
アーミーハットは70年代の古着好きの間で人気があります。その理由として、70年代に流行ったっチューリップハットの代わりとして、ファッションに取り入れることの多いからです。
今から10年くらい前は、アーミーハットは高くても8千円くらいで購入できる手頃のアイテムでした。しかし古着好きの間で人気があった伝説の雑誌「フリーアンドイージー」に取り上げられ、人気に火がつきハットの状態がいいと5万円以上するアイテムになっています。
USアーミーOG107:ジョンレノンが愛用した軍物
男性が着ているシャツは、USアーミーOG107。
軍物のシャツとしてエポレットや、変わった形のポケットが付くわけではなく、特徴的なデザインはありません。しかしUSアーミーOG107はジョンレノンが愛用し、コンサートでも着用していた歴史的アイテムです。
ジョンレノンが着ていたから値段が高そうなイメージはありますが、古着市場では価値はついておらず、5千円くらいで購入できるアイテムになります。デザインはあまり優秀とは言えませんが、服で歴史を感じるには最高なアイテムではないでしょうか。
USマリンコープのTシャツ:裏返しでもカッコいいTシャツ
デニーロが着ているTシャツは、USマリンコープのTシャツになります。
USマリンコープのTシャツといえば、黄色ボディーと、赤のプリントが特徴的です。このTシャツが有名になったのはこの画像。最初に見たとき、違和感を感じると思います。それもそのはず、裏返しにTシャツを着ているんです。そのためプリントが逆になっており、服の縫い目が見えているのです。
T シャツを裏返しに着たことにより、ロバートデニーロの狂気の演技をさらに演出してますよね。
M-65フィールドジャケット:今も愛され続けるデザイン
デニーロが着てるジャケットは、M-65フィールドジャケット。
M-65フィールドジャケットは大きく分けると4タイプあります。このジャケットはエポレットが付いており、メインのジッパーがアルミなので2ndタイプになります。
この映画の主人公はベトナム戦争帰りの元海兵隊。そのためベトナム戦争の時代に合う2ndタイプのフィールドジャケットが使用したと思われます。
M-65フィールドジャケットの1stタイプは、1年しか製造されていません。そのため1stタイプの方が古着的な価値がつきそうですが、古着好きの間ではデニーロの影響が大きく、日本だけではなくアメリカでも2ndタイプの方が人気があります。
デザインとしても優秀で多くのブランドが、M-65フィールドジャケットを基に服を作っています。
キューバシャツ:正装着からストリートアイテムへ
右側の男性が着てるシャツは、キューバシャツ。
キューバシャツは70年代ごろのアメリカで流行しました。元々はキューバの正装着として使われていました。その服がメキシコに渡り、農家の作業着として愛され、独特な刺繍がカッコいいとアメリカの若者の間で着られるようになりました。
最近ではセレブから流行したストリートブランド「Supreme」もキューバシャツのデザインを参考に服を作っています。
いかがだったでしょうか?
ロバートデニーロが演じる主人公に魅了され、1stタイプではなく、2ndタイプのタンカースと、M-65フィールドジャケットが欲しくなったのではないでしょうか。私もその一人です。
映画「タクシードライバー」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。