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【古着】映画「ビューティフル・マインド」50年代アメリカの学生ファッションが一目で分かる(レッドクロスベスト、サマーニット、レタードカーディガン)

映画「ビューティフル・マインド」は愛する妻に支えられながら数学研究を続け、ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュの半生が描かれたストーリー。

映画の舞台は1947年のアメリカ。40年代後半から50年代前半の古着市場で人気のあるコレクターアイテムが続々と登場します。ロックの神様エルビスが流行らせたロカビリーや、学生たちから火がついたアイビールックのファッションを知る上でとても参考になります。

今から古着たちが登場するシーンとアイテムを見ていきましょう。

アトミック柄のネクタイ:50年代を代表する柄

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右の男性がしているネクタイは、50年代によくみられるアトミック柄のネクタイ。

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アトミック柄とは、多角形(三角形や四角形)や円、直線などを部品として組み合わせからできた幾何学模様。50年代ではシャツやカーテンなど色々なものにアトミック柄が使われており、代表的な柄の一つになります。

50年代のネクタイの柄は他にも、音符柄やスパイダー柄などがあります。その中でも古着好きやロカビリーの間では、スパイダー柄が人気があり、蜘蛛の巣がネクタイに総柄で入っているものは生存数が少なく貴重なアイテムになります。

私の知る限り、蜘蛛の巣がネクタイに総柄で入っているものは、ロカビリー好きのコレクーアイテムでしか見たことはありません。

ヘラクレス製のウール✖️レザー ジャケット:特徴的なデザインのジャケット

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左から二番目の男性が着ているジャケットは、ヘラクレス製のウール✖️レザー ジャケットです。

40年代から50年代では、ウール✖️レザー ジャケットは人気があったのか、ヘラクレス以外でもゴールデンフリースやデュラビルなど多数のブランドのものが存在します。みなさんがご存知のジーンズで有名なリーバイスも作っているほどのアイテム。

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そして、たくさんあるブランドの中でもヘラクレスのデザインは特徴的で、胸元のボタン留めのレザーポケットとその下にレザーのポケットが2つ。このなんとも無骨なデザインは数あるブランドの中でもヘラクレス以外は作っていません。通販ブランドで有名なシアーズの40年代後半のカタログにも、このヘラクレス製のジャケットが掲載されています。

今までに古着屋さんでも、ヘラクレスのウール✖️レザー ジャケットは4、5回のみ確認しています。このジャケットに使われているレザーはケープスキンとホースハイドが存在し、ホースハイドの方は革が厚くシワの入り方が大きく入っていて、カッコよかったのを鮮明に覚えています。

アメリカンレッドクロスのニットベスト:兵士の命を守ったベスト

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男性がコートの中に着ているのがアメリカンレッドクロス(アメリカ赤十字社)のベスト。

年代は第二次世界大戦のときに使用されていたので、40年代のものになります。映画の舞台も40年代なので、年代的にも一致しますね。

アメリカンレッドクロスのベストは、第一次世界大戦のものも存在します。比べると、第二次世界大戦のものとは、首元と肩の部分の編み方が全く異なります。

理由として、第一次大戦のときは、まだ織物の技術が発達しておらず、ニットの表と裏を縫い合わせることしかできませんでした。その仕方なく発生した継ぎ目が、今日では古着好きやファッションデザイナーに愛されるデザインに生まれ変わっています。

ピンナップガール サマーニット:アメリカ兵から不良のアイテムに

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左から二番目の男性がジャケットの中に着ているのは、ピンナップガールのサマーニット。

ピンナップガールは第二次世界大戦のとき、アメリカ兵がA-2などのフライトジャケットの背中に好んで描いたことにより流行したもの。
その流れから50年代のファッションにも反映され、サマーニットにも描かれました。

ピンナップガールは物が少ないのはもちろんのこと、当時の不良に愛されたアイテムとして、ロカビリーや50s愛好家の間でコレクトされるアイテム。状態がいいと2ケタ以上という高額な値段で取引されます。

服に水着を着た女性を描くなんて、戦後の日本人には考えるのは難しく、他の国でもこのような柄は確認できません。アメリカ独自のアイテムの一つとも言えますよね。

雪柄のジャガードセーター:50年代で愛されていた柄

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左の女性が着ているニットは、雪柄のジャガードセーター。

雪柄は50年代の服によく使われています。スウェットもその一つ。
90年代の日本で原宿の名店マービンズが、雪柄スウェットを流行らせたことで有名です。伝説のファッション雑誌Boonにもよく取り上げられていましたよね。

その当時は、黒ベースの雪柄スウェットになると10万円を軽く超える金額。雪柄のスウェットは、学生時代の私にはとても手が届かないアイテムでした。そのため、雪柄のジャガードセーターを代用品として愛用していた懐かしアイテムになります。

レタードカーディガン:アイビーに好まれたカーディガン

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一番左の男性が着ているカーディガンは、レタードカーディガン。

50年代のアメリカでは、学生達の間でアイビールックが流行しました。その中の一つのアイテムがレタードカーディガン。

レタードカーディガンの特徴は二つ。ワッペンとボディーの色。
一つ目は画像でもわずかに確認できる、フェルトで作られたワッペン。大学やクラブチームのイニシャルなどを学生達が好んで、カーディガンの胸元やポケット付近につけていました。
二つ目のボディの色は、大学やクラブチームなどのテーマカラーが基になっています。古着市場では、ワッペンでは価値の変動はありません。ボディーの色が価値を左右し、その中でも黒ベースやこの画像のようなツートンボディーのものが人気があります。

いかがだったでしょうか?

個人的にはウールものを愛する古着コレクターなので、 ビューティフル・マンドを観たとき、ウール✖️レザーのジャケットが登場した瞬間。当時のカタログ以外では、このジャケットを見るのは初めてだったので「ヘラクレスだ!」と興奮した思い出の作品です。

ビューティフル・マインドはノーベル経済学賞を受賞するまでの話ではなく、妻への愛を描いた作品です。
幻覚が見えるほどの精神病を患いながらも研究を続ける彼を、どんなことがあっても見守り続ける妻。そんな妻にたいして、そこまで頑張らなくてもいいのにと思ってしまいます。しかし最後の妻への一言は今までの苦労は伏線だったのか、と思わされるくらい感動します。

映画「ビューティフルマインド」に興味が出た方は、ぜひご覧になってください。


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