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【2024年編】もし今年バンテリンドームにテラスがあったらHRは何本増える?~フェンス直撃を数えて検証~

「打つ方は、必ず何とかします」
希望を抱き始まった立浪政権。
村松と岡林のレギュラー定着、細川はリーグ屈指の打者に成長、福永は覚醒の兆しを見せ、打線への期待感は高まるばかり。
しかし、チーム全体のホームラン数を増やすことはできなかった。

2020年は120試合制

ドラゴンズの本拠地であるバンテリンドームは、12球団の本拠地の中で最もホームランが出にくい球場として知られています。

これまで何本ものホームランがあの高くて青い壁に当たってきたのだろう。
「バンテリンじゃなければ」と我々ファンは何度口にしてきただろう。
神宮球場が本拠地なら何人のホームランバッターが育っていただろう。

ではフェンス直撃の打球を数えて、ホームランテラスがあればどれだけホームランが増えるか検証してみようじゃないか。

そんなifの世界線を探るこのシリーズ。ありがたいことに毎回大好評をいただき、今年で3回目。

検証方法は以下の通りです。

スポナビアプリの結果欄に「フェンス直撃」「フェンスギリギリ」「フェンス激突」と記載があるもの、つまりフェンス際の打球は全てテラスがあればホームランになったと仮定してデータを取りました。
※例によって手作業のパワープレーです。
見逃し等あったらすいません。

それでは見ていきましょう。

チーム別総収支

主題である「テラスが付いていたら何本増えていたか?」という問いに対する答えは、HR増が23本、被HR増が19本の総計42本という結果になりました。
昨年に続いて中日が最もフェンスに阻まれた球団であることがわかりました。
さはさりとてヤクルトを除けばどの球団もほぼトントンと言えます。
当たり前の話かもしれませんが、テラスの有無で特定のチームが極端に得をする・損をするというような事態は基本的に起こらないと考えてよいでしょう。

同じ基準で過去3年の増数をみてみると、
2024年:42本
2023年:64本
2022年:59本

これは過去にテラスを設置した3つの事例と比較しても、このnoteの内容が間違いではないと考えられるかもしれません。

本塁打増選手ランキング

続いて個人成績に目を向けます。
細川・石川の大砲コンビがワンツーフィニッシュ。
特に石川はバンテリンドームでの打席数が細川の半分以下(石川133打席・細川281打席)であるため、テラスがあればドラゴンズの中で最も恩恵を受ける打者といえるでしょう。

他球団ではT佐藤がトップ。
もちろん石川より打席が少ないため、割合でみれば全球団の中で最も不利を被った選手です。

テラス補正後のバンテリンドーム打者成績

成績の見栄えはどう変わるでしょうか?
細川は30本到達。石川と細川はシーズンを通して出場すれば2桁本塁打は確実でしょう。

一方で負の側面にも触れてみましょう。
被本塁打はどれくらい増えるのでしょうか?

被本塁打増投手ランキング

松葉Ys松本健が1位。
松本健は1試合でこの3本を記録。

髙橋宏・小笠原・涌井といったローテクラスは2本づつ。
中継ぎ陣は大体1本づつという結果です。

松山・マルティネス・清水のAチームは0。
松山はデビュー以来被本塁打0ですが、バンテリンの恩恵がなくともこの記録を継続できているいうことになりそうです。


パークファクターを単年ではなく複数年でみるべきという話があるように、フェン直数も数年分で評価すべきかもしれません。
このフェン直カウントnoteは今年で3年目ということもあり、少しだけですがデータが積みあがっています。
次は3年間の総計を見ていきましょう。

3年間のチーム別総収支ランキング

中日は2年連続1位、3年連続プラス(つまり損している)、3年間総合1位を達成。
もうこれで「テラスをつけても被弾が増えるだけ」とは言わせません。

結果的にこの3年間でバンテリンドームを最も本拠地にすべきでない球団が中日本拠地にすべき球団が神宮をホームとするヤクルトだったというのは面白い話ですね。

3年間の本塁打増打者ランキング

3本以上のみ記載

3年間のベストオブ被害者はビシエド。
打席あたりの割合で見たら、こちらもT佐藤がぶっちぎりの1位。

このランキングを見るに、テラス設置はアベレージ・短距離型の選手が2桁乗せる効果よりも、長距離打者の本塁打ををさらに伸ばす効果が期待できそうです。

3年間の被本塁打増投手ランキング

3本以上のみ記載

投手1位はバンテリンの申し子、松葉
中日の投手は軒並み1%前後なので、大体これくらいの数字に収束するものだと考えられます。
他球団の投手は軒並み高い割合で打たれているため、上振れの可能性も考慮する必要があります。

最後に、3年間のバンテリンドーム全打席数に対する割合をみてみましょう。

大体100打席に1本、つまり1%がバンテリンドームに阻まれているという先ほどの考察は妥当だと言えるのではないでしょうか?
もちろんこの「HR増」の数字は、スポナビアプリ内で「フェンス直撃」「フェンスギリギリ」「フェンス激突(選手名)」と表示された回数を数えたにすぎません。
これらを一律に「テラスがあればホームランだ!」とするのは乱暴な主張かもしれませんが、一つの目安として、大まかな方向性は大きく的外れではないと思います。

まとめ

この3年間におよんだフェン直検証は
「バンテリンドームは約100打席に1回ホームランを阻止している」
「結果的にこの3年間では中日が最も損をしていた」
という2つの結論で締めくくりたいと思います。

フェンス直撃を数えるという直感的な数字で検証してきましたが、こんなものの有用性ははっきり言って塵以下のようなものです。
wRC+・パークファクターといった指標を用いれば球場補正を加味した打者の成績を出すことができます。
MLBでは打球の飛んだ位置のデータを解析し、他のどの球場ならスタンドに入っていたか、入っていないかを見ることができます。

データとして呼ぶには弱いかもしれない、でもエンタメとしてみるなら最良の数字。それくらいの温度感で今回の検証を楽しんでいただければと思います。

強竜打線復活へ

「打てない打てない」と言われ続け、解説者からも「中日は打線が」と評されることも少なくありません。
しかし中日のwRC+は99を記録。

もはや中日は貧打のチームではないのです。
岡林の不調、福永・石川昂の規定未達など、伸びしろを残してこの数字なのです。むしろすでに打のチームと言っていい。
「バンテリンだから」で世間からの評価がゆがむのは健全ではありません。
何よりも、最多のフェン直数を放ちながら退団していったビシエドのような例は今後見たくありません。
テラスが付けば、細川は間違いなく代表クラス、石川昂・福永もそれに近い打者になるでしょう。
「100打席に1本の被弾を投手陣に許容してもらえば、超強力打線が手に入る」と聞かれてあなたはテラス設置に賛成しますか?


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また次回のnoteでお会いしましょう。

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データ引用:スポナビ 野球速報
データ引用:データで楽しむプロ野球
データ引用:プロ野球 ヌルデータ置き場f3
データ引用:1.02 ESSENCE of BASEBALL
※無料で閲覧可能部分のみ引用しています。


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うるドラまん
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