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受託開発のビジネスモデルを現役社長が解説します。
こんにちは。現役で受託会社を経営している受託社長です。
受託開発のビジネスモデルは、基本的には下記の要素の組み合わせで成り立っていますので、それぞれを解説できればと思います。
※今回は、受託開発ではないSESなどの派遣型ビジネスは考慮しませんでした。
- 何を開発するか
- 準委任か請負型か
- オフショアか国内か
- フルスクラッチかパッケージかSaaSか
- どの工程を行うか
何を開発するか
何に特化して開発していくかは恐らく最も大事なファクターではないでしょうか。例えば、SaaSに特化した開発会社などがあれば依頼は舞い込みやすいでしょうし、AI・ブロックチェーンなどであれば単価の高い案件も取りやすかったりするでしょう。
技術アセットがなく、全く0からというのは難しいので、
これまでに扱ったことのあるテーマがよいかと思います。
準委任か請負型か
まずは、ソフトウェア開発業界でよく聞くキーワードである、「準委任」「請負」のご説明をいたします。
準委任契約とは?
準委任契約とは、簡単に言うと作業に対して課金がされるという契約体系です。
そのため、極論システムが完成しなくても、それまでの作業分の費用をいただくことができます。
開発会社にとっては、非常に良い条件であり、ストレスフリーで仕事に取り組むことができる一方で、営業の難易度が非常に高いというデメリットがあります。
メリット
- ストレスフリーで仕事ができる
- 途中でプロジェクトが終了してもお金をもらえる
- 毎月お金が入ってくるためキャッシュフローが安定する
デメリット
- 営業の難易度が非常に高い
- 完成義務を完全に逃れることはできず、追求されることも多い
請負契約とは
請負契約は、システムの完成に対してお金が支払われる契約です。
納品ができて初めて対価の受け取りを確定することができるため、それ以前に受け取っていたお金については全て前受金として処理されます。
メリットとしては、営業の難易度が低い(普通)であること、
デメリットとしては、システム完成ができない場合のリスクが高いことが挙げられます。
メリット
- 営業の難易度が低い(顧客の納得感がある)
デメリット
- システム完成ができない場合、支払いがされない可能性がある
- 仕様変更が発生した場合、その都度で追加見積もりである旨を伝える必要がある(ディレクターにプレッシャーがかかる)
- 納品後の支払いになるため、キャッシュフローが厳しくなる
私、受託魂の結論としては、可能であれば「準委任契約」で締結できた方が良いと考えています。
理由は当然ではありますが、我々側に有利な契約だからです。
また、準委任の場合は、エンジニア単価×○人を月額でいただくことが可能となり、大きめのサブスクリプションのようなビジネスになります。
納品後に一括支払いとなることが多い「請負型」とは対象的に、キャッシュフロー面で非常に安定しやすいのが特徴です。
そのため、PL予測を描きやすく、融資等も通りやすくなるでしょう。
しかしながら、前述の通り営業難易度は非常に高く、優秀な営業マンをアサインする必要があります。その辺りの問題を解決できる方は、ぜひトライしていただきたいです。
オフショアか国内か?
オフショア開発とは
オフショア開発とは、ベトナム・インド・ミャンマー等の新興国のエンジニアを現地採用し、システム開発を行うことを指します。
新興国は非常に人件費が安く、それなりに腕の良いエンジニアであっても10万円/月程度の給料ですので、原価を抑えられる(=粗利を出しやすい)ことが特徴です。
オフショア開発では、大抵のケースにおいて、準委任契約となっており、
1人月30万円程度でアサインされることが多いです。
メリット
- 単価が安いこと
デメリット
- 意思疎通が困難な点
- デザインの感性が異なりイメージと違う成果物が上がってきがちである点
国内開発とは
国内開発とは、私が作った言葉ですが、日本内でエンジニアを採用し開発してもらう体制のことです。
日本のエンジニアの場合は、人月60-120万円となる事が多く、当然それ以上の単価で受注をしなければ赤字となります。
メリット
- 意思疎通が容易
- デザインの感性が同じ(人によるが)
デメリット
- 単価が高い点
フルスクラッチかパッケージかSaaSか
フルスクラッチとは、0からプロダクトを開発していくことです。
パッケージは、特定のユースケースに特化したプログラムを組んでおき、その範囲内で対応することです。例えば、人材サイトを作るためのパッケージを作り、人材サイトを作りたい人に対して少しカスタマイズして提供するような形です。
SaaSは、システムをドラッグ&ドロップだけで作ることができるシステムを開発することです。初期の開発コストは非常に高くつきますが、一度開発をしてしまえば、その後は高い粗利率を維持することが可能です。
事例としては、アプリを開発するプラットフォームのYappliなどです。
https://yapp.li/
どの工程を行うか
大抵の受託開発は下記の流れで進んでいきます。
要件定義→WF作成→デザイン作成→開発(フロント、バックエンド)→インフラ構築→テスト→検収→納品完了
このうち、どの工程を行うか?についてが私が言及した内容です。
例えば、大手SIerであれば要件定義のみを行い、その他実装工程については、開発会社に外注しているケースが多いと思います。
また、逆にテストだけを実施して、大企業となったSHIFTさん, Skyさんなどの企業もあります。
自社が食い込む工程を選定する場合には、下記観点で精査が必要です。
①上流工程であるか?
②需要過多なジャンルであるか?
③工数に対する収益性が高いか?
テストは、下流工程でありますが、高い品質でソフトウェア検証をできる企業は少なく、クリティカルなバグが発生した時の訴訟リスクが非常に高いため、需要が非常に強いです。
逆に、開発工程のみですと、どの企業も一定水準で実施でき、供給過多となっているため単価感は下がりがちとなってしまいます。
自社にしかできない強みを発揮できるポイントを探すことは非常に大事です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
上記の要素を組み合わせて、自社にしかない強いビジネスを組んでいただけたら幸いです。
受託開発にお悩みの方向けに、「売上アップコンサルティング」を行っております。
お困りの方は、ぜひぜひ下記までお問い合わせください。