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【キャリア研究】メーカーと採用事情

みなさんこんにちは。じゅそうけんです。
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今回の記事では、メガバンク編、コンサル編に続き、近年就活市場でやや翳りが見られるメーカーの採用動向について語っていきたいと思う。

メガバンクと学歴→

コンサルと学歴→

それではやっていこう。

メーカーといえば薄給で不人気、これが昨今の就活事情の常識になりつつある。1990年代に就職したアラフィフ世代のおじさんには信じられないだろうが、メーカーの花形時代は終焉を迎えつつあるのが現実だ。

一方で、雇用という観点ではまだまだ存在感は大きく、昨今の人手不足の流れの中で、「最後の救い」の様相も見せている。そこで本記事では、製造業と学歴の関連について、データをもとにお話ししていきたい。


■データで見る東大生の主なメーカー就職者数の変化(2014年卒→2023年卒)

日立製作所;52人(1位)→21人(7位)
トヨタ自動車:30人(2位)→8人*(圏外)
三菱重工業:24人(3位)→9人*(圏外)
ソニー:23人(4位)位→23人(5位)
東芝:23人(4位)→9人*(圏外)
三菱電機:21人(6位)→17人*(圏外)
キヤノン:18人(7位)→3人*(圏外)
富士通:18人(7位)→20人*(圏外)
*印は学部卒+院卒、無印は院卒のみ

■メーカー人気凋落の背景

2014年卒では、大学院卒就職ランキングTop10のうち8社を占めていたが、2023年卒ではたった2社となっている。また就職先上位でも大きく人数を減らしていて、メーカーの不人気化がデータからも読み取れる結果である。

2014年卒の就職先Top10のうち、6社を占めているのは総合電機であり、これらの企業でモノづくり分野における凋落や事業切り売りを進めた影響が大きい。
会社こそ残っているものの、従来貢献度の高かったモノづくり系事業は、製造現場を軽視する経営陣に切り捨てられてきた。
このような背景に加え、東芝は粉飾決算で優秀層からは見向きもされなくなり、三菱電機はパワハラ問題で敬遠されやすい環境になっている。さらにキヤノンの主力事業である印刷機器関連事業も、ペーパーレス志向の強まりにより衰退の一途をたどっている。

一方で、就職者数の変化だけで見れば、ソニー、富士通は横ばいかやや増加傾向である。この2社は利益率の低いモノづくりから脱却した影響が大きいと予想される。
ソニーは金融・エンタメなど多岐にわたり、モノづくりとしては十分なマージンを確保しやすい半導体向け製品が大半を占める状況となっている。
富士通も電気機器を中心としたハードウェアからITサービスへ転換し、AIやクラウドを強化しつつ、国家プロジェクトである「富岳」にも深く関与している。

また、ハードウェア事業を中心とした事業構造から、ITソリューションやAI分野に舵を切っているのは日立製作所も同様である。企業価値は上昇傾向であるが、モノづくりのウェイトが小さくなった結果、活躍できる分野・人材が少なくなってしまったという見方もできそうだ。

しかし、東大生からの不人気は総合電機各社のみにとどまらない。モノづくり企業として文句なしで国内トップといえるトヨタ自動車でも同様の傾向であり、メーカーの不人気傾向は根深いと思われる。得られる情報の多いトヨタ自動車で、東大以外の高学歴層の動向を確認したい。

■データで見るトヨタ新卒採用における東大・京大占有率の変化

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