思春期の男子は、闘いたくて仕方がない
人には理由もなく ”キレやすい時期” があります。
たとえば、子どもの反抗期。(特に男子です)
それまで優しかった息子が突然理由もなくイライラして、暴言を吐くようになって、驚かれるママも多いのではないでしょうか?
人生には二度の反抗期があるといわれています。
イヤイヤ期といわれる乳幼児。
小学生高学年から中学生までの思春期です。
思春期の反抗期は第二次反抗期ともいわれています。
男子は特に戦闘ゲームが好きで「死ね!」などと言いながら友達とチームになって闘っていると、親御さんによっては、ゲームがそうした行動を誘発しているのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし考え方次第では、ゲームで戦闘気分を発散し、現実のケンカになっていないのであれば、まだマシだと考えることもできないでしょうか。
ですが、思春期の子どもは親や教師に対し、反抗的な態度をとることが多いといえます。
要するに、思春期の特徴を知ることが反抗期を理解するうえでの、近道なのです。
体の変化と心のギャップ
思春期の子どもは、身体的に目覚ましい成長をとげます。
たとえば、あなたが筋トレを始めたとします。
すると、どんな効果が働いたのか理由こそ定かでないものの、予想以上に肉体改造が進み、あれよあれよという間に自分の体が激変していった。としたらどうでしょう?
きっと、大きな戸惑いを感じると思います。
このように思春期の男子は、自分の中に育ってる攻撃性や自立したという気持ちを、上手にコントロールできずに困っているからこそ、さらにイライラしてしまうのです。
思春期の男子が ”キレやすい” 理由
思春期でキレやすいと言われるのが、10歳から17歳頃。
これは男性ホルモンであるテストステロンが大量に分泌される時期と重なるからです。
テストステロンは睾丸で作られ、脳に向かって放出され、体や心を男性にしていきます。
失敗にもあきらめず、周囲の人に支えられ、経験値を貯め、レベルアップした勇者。なので、その力を試めしに冒険をしてこい!みたいな感じです。( ´艸`)
テストステロンは胎児のときに大量に分泌され、さらに9歳から再度、少しずつ分泌量が急に増えだし、15歳でピークを迎えると言われています。
この時期に、男子の体では、声変わりする、ひげが生えるなど、思春期の二次性徴の発現を促します。
さらにテストステロンが増えると、体だけではなく、精神的にも大きな変化が表れます。
孤独を好むようになり、親子でベタベタした人間関係をあまり好まなくなります。一人でいることのほうが、心が休まり、自分の部屋で一人の時間を過ごしたがる傾向が強くなります。
たとえば、
以前のように何でも話をしてくれなくなった。
口調が乱暴になったり、無愛想になった。
部屋に閉じこもることが多くなり、何か聞いても「ああ」とか「別に」とかめんどくさそうに答える。
やたら反抗的になって「うるせぇ!ババア」の暴言を吐くなど...
子どもは、脳内で怒りの感情を抑制するブレーキの前頭前野が、しっかり働いていないのです。
なぜなら、前頭前野が最も成熟する時期は、30代から60歳ごろまで。それまでは、なかなか怒りの衝動を抑えることが、難しい時期だからなのです。
いずれにせよ、攻撃性や支配欲が高まり、自分でも理由がよくわからないまま、攻撃衝動が出てくることがあるのです。別に攻撃しなくてもいい相手なのに、攻撃してもよい口実を見つけると、宣戦布告してしまったりすることが起こります。
男子は戦いたくて仕方がない時期!競い合う活動が必要
男子にとって、勝負に勝ち、他者から認められるということはとても大事なことです。特に小学校高学年以降は、テストステロンの分泌が始まる時期。テストステロンは、戦いや攻撃を好む男性ホルモンです。
潜在意識が覚醒し、男子特有の闘って自分の力を主張する。ドラゴンボールでいう、戦闘民族サイヤ人みたいなものです。
戦いたくてしかたがないこの時期に、戦わせてもらえないとせっかく用意された力強いエネルギーが、問題行動や、いじめなど、別の方向に向かってしまいます。
たとえば、クラス対抗で競わせ、みんなで助け合い、何かに勝つ。こうした目標が、この時期の男の子に必要不可欠です。
それでもクラス対抗ですることが難しければ、懸賞に応募したり、壁いっぱいに模造紙を貼って、チーム対抗で何かを描いたりといった目標でもよいでしょう。
でも、この思春期の時期はスカウターが備えられ、いつも分析してます。
自分の力で獲物をとりに行ったり、家族を敵から守ったりすることができる年齢です。
脳内ホルモンの影響で、自立を促せるということと、戦闘に適した脳と体になるという二つは、人の成長、とりわけ男性の成長にとっては自然なことで、とても大事なことです。
ただ、今の世の中では、多くの家庭で自分の子どもは、静かで穏やかで優しい子に育ってほしいと、理想を描く方が強いと思います。
そうした価値観が主流になってくると、男子の成長段階で必要とされている理想像がマッチしないことになり、男子にとっては息苦しい世界になってしまうかもしれません。
子どもの自立を信じ、背中で語る
「あんなにかわいかったあの子が、どうしてこんなに攻撃的になってしまったのかしら!」
「この子は罪を犯してしまうではないだろうか?」
「思春期の子どもの反抗期が。ひどい...」
「どう対応すればいいのかわからない。」
特に、ママからしたら心配で気が気でないですよね?
心配になるあまり、その原因を自分の育児方法や家庭環境が悪かったのではと、自分を責めてしまう人もいるのではないでしょうか。そんなママやパパは、「家族のせいである」と思わないで下さい。
この時期は男の子なら誰でもイライラしやすい時期で、孤独を好むようになるのが当たり前なのです。
いずれ落ち着いてくる時期がやってきます。今は、そっとしておきましょう。
とはいうものの、そっとなんて、できないですよね?
なぜなら、少なくとも「自立したい」と思っている時期でありながら、経済的に完全に自立できるわけでもなく、生活力の面でも、まだまだ力不足だからです。
気持ちと現実のギャップが、適合できない不安定な時期でもあるのです。
こうした男子に対して、叱ったり、説教したりするのは逆効果です。
なぜなら、言葉で伝えようとしても、その言葉を受け入れることを、よしとしない気持ちが、もう芽生えているからです。
なので、あれこれ手を貸そうとしたり、細かいことに口を出したりしないで、男の子の攻撃したい気持ちが間違った方向にいかないよう、目は離さず、しっかり見守ることが重要です。
「子育て四訓」
1.乳児はしっかり、肌を離すな!
2.幼児は肌を離せ、手を離すな!
3.少年は、手を離せ、目を離すな!
4.青年は、目を離せ、心を離すな!
そんな心配なママたちへ。大人に気付いてほしい子どもたちからのSOSと対応策
大人なんて信用できない
子どもは、不安な気持ちやモヤモヤした思いを、なかなか言葉にできません。言葉に出来ないものをどうやって話せばいいのでしょう? 思春期は微妙な時期です。大人から自立したいと思う一方で、寂しい、分かって欲しいという気持ちも抱えています。そのため、上から目線で声をかけたところで、うまくいかないのがオチでしょう。子どもは大人を良く見ています。一度「ダメ」だと思うと、そこから挽回することは難しいのです。
子どもと関わる上での前提
思春期の子どもは、大人にも友達にも相談しません。しんどい悩みならなおさらです。話して欲しいと思うのであれば、普段からの関係性づくりが必須です。「なにか言ってよ」と言われても、話すわけがないのです。
つい大人の立場にいると、「どうして相談してこないんだ?」とか「悩みがあるなら誰かに話せばいいのに」と思うでしょう。しかし、「悩みが話せない子が悪い」ではなく、「悩みを話したいと子どもが思えない」のが問題だと思っています。「話して来いよ」という上から目線ではなく、「どうすれば、この子は私に悩みを話してくれるのだろう?」「どうすれば、相談してくれる関係性を作れるだろう?」と考えてください。
子どものSOSを見逃さないために、出来ること
子どものSOSを見逃さないためには、常日頃から、子どもを見ている必要があります。そのため、意識して子をみて、関係性をつくっていくことで、問題の種を見つけ、早いうちに対処をしましょう。
では、具体的になにができるのでしょうか?
それは、意味もなく子どもがイライラしてそうなときは、こっちからは話しかけない。甘えてくるときは甘えさせる。
「ダメよ~ダメダメ」くらいの軽いノリで流してやるくらいがいい。放っておきすぎてもダメだし、向き合いすぎてもダメ。手は離しても心は離すなってことです。
まとめ
思春期の男の子の「うるせい!」は「ねえ、ママ」と一緒。
女性を意識しはじめる。
怒りは不安の裏返し。
質問攻めは、思考停止になる。
パパは勝ち負け、威厳にこだわらない。
干渉しすぎないよう、注意は一回だけと決める。
男はやっぱり、戦闘に勝って自分を主張したいもの。スーパーサイヤ人になれると、カッコイイ男子になれると思い、信じましょう!
それでは、また。