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自分自身をゆるす
人は生まれつき、「人から尊敬されたい」「スゴイと言われたい」という気持ちが存在します。
それを「承認欲求」といいます。
承認欲求とは、とくに自分のごく身近にいる人たちに対して強くなります。
面識がなく、初めてあった人に「自分スゴイっす!」「なので尊敬して下さい!」なんていう人は、めったにいませんよね。
ある程度、相手のことを知り、自分のことも知ってもらった人に、尊敬されたい、認めてもらいたいという、強い気持ちを抱くのです。
たとえば、両親から厳しく育てられた人は、「承認欲求」が満たされないまま大人になってしまい、心に大きなマイナスのエネルギーを抱いている場合があります。
「あなたはダメな子ね!」
「どうしてこんなこともできないの!」
というような言葉は、大人にとって何気なく発した言葉であっても、子どもの心には大きな、傷を残すのです。中には、そんな親を恨む人もいます。
しかし、両親は、「甘やかして、ダメな子になってしまわないように」と考えていたのかもしれません。
確実に言えるのは、相手を恨んでも、自分が幸せになることは、ないということです。
もし、自分を認めてくれない身近な人を恨みたくなったら、その代わりに自分の心が求めている「承認」を、自分自身で自分にしてあげればいい。
そして、そんな自分を責めずに、自分自身をゆるして、
「あなたはよく頑張っている」と自分をほめてあげましょう!
また、自分から、身近な人を「承認」するのもおすすめです。
なぜなら、自分が相手を「承認」することで、相手も自分を「承認」してくれる、ということはよくあるからです。
人間とは感情の動物
感情にはいろいろ種類があり、相手に伝えたほうがいい感情と、そうしないほうがいい感情の両方があります。
具体的には「喜怒哀楽」でいう「喜」と「楽」の気持ちは、表に出すと周りの人にも明るいプラスパワーが伝染するので、伝えていい感情です。
反対に、気をつけたほうがいいのが「怒」の感情です。
「怒り」の気持ちを表に出すと、周りの人にマイナスパワーが伝染するので、いいことはありません。
しかも、怒りはすべての感情の中でも大きなパワーを持っている。
つまり、怒っている人の近くにいると、周りのプラスパワーの感情をも、一瞬にして吸い込んでしまうからです。(ブラックホール的な存在)
そして、「怒り」の感情を長い間、心にとどめておくと、いずれさらに大きなマイナスのエネルギーを持つ「ゆるせない」という感情に変換します。
とはいえ、今すぐ「怒らない自分」になるのは簡単ではありません。
まず、やるべきことは腹が立ったとき、それを口に出せないことを、心がけるということです。
「怒りに対する最上の答えは、沈黙」というドイツのことわざもあるのです。
怒りの感情が強いときは、言葉を出さず、まずは深呼吸をして、落ち着くのを待ったほうがいい。
怒らない人間はいなし、怒るべき状況のときは怒ってもいいのです。
だって、人間なんだもの!
しかし、単に感情のままにわめき散らして、周囲を困らせるのは、あまりにも幼稚な行動ということです。
まずは、怒りの感情を言葉に出すのをガマンして、自分なりに気持ちを紛らわすことから、はじめましょう。
幸せになれない人の心理
あなたの周りに、
「あの人いいなあ。あの人の周りでは、ラッキーなことばかり続いている」
と周囲からうらやましがられている人はいませんか?
このような人は、プラスのエネルギーの源、感謝の気持ちや、人のことを決して、けなさないというプラスのサイクルに、うまく乗っているのです。
では反対に、幸せになれない人の心理は、どうなっているのでしょう?
幸せになれない人は、マイナスのエネルギーでいっぱいなのです。
常に自分を否定したり、他のせいにしたりしているので、望まない出来事ばっかりを自分で引き寄せているのです。
そして、幸せになれない人のマイナスエネルギーの源が「怒り」や「憎しみ」「恨み」など、他人を「ゆるさない」と思う気持ちなのです。
自分の気持ちを客観的に表現してみる
あなたは、気持ちの切り替えが苦手だと思っていませんか?
たとえば、ものすごく辛いときに、「悲しくなんかない」「辛くなんかない」と自分に言い聞かせて、辛い気持ちを封印してしまい、あとになってストレスが爆発した。
ムカッとしたときも、「もう大丈夫」「私の中では解決した」と思い込もうとしても、少し気が抜くと、すぐにそのことを考えていたり、夢に出てきてしまったりするようなら、気持ちの切り替えができていないのです。
自分の心に、ネガティブな感情がわきあがってきたら、その気持ちを客観的にみてみるということです。
たとえば、誰かに嫉妬したときは、「あの人ズルい!」と言うのではなく、「私は今、あの人のことをズルいと思っている。あの人に嫉妬しているんだ」と言ってみます。
誰かをバカにしたくなったときには、「あの人、バカだよね」と言うのではなく、「私は今、あの人のことをバカみたいと思いたがっている」と言ってみます。
そんな単純なことで、と思うかもしれませんが、これだけで自分の気持ちが飲み込まれることなく、冷静な気持ちを取り戻せるようになるでしょう。
ポイントがどんな感情でも「私は」と、主語をつけて言葉にすることです。
思わず自分の感情に飲み込まれそうになったときには、一歩引いて自分の状態を客観的に表現することにより、冷静さを取り戻せます。
自分が幸せになることを、ゆるす
「自分がこんなに苦しい人生を送るのは、あの人のせいだ。ゆるせない」
こんな思いを、長く抱いていたりしませんか?
本当に苦しい、辛い日々だと思います。
けど、もう十分に苦しんだのですから、もうこれからは、自分が幸せになることをゆるしてあげても、いいのではないでしょうか?
苦しんでいる人は、その苦しみを、他人のせいや、環境のせいにしがちです。
しかし、本当は、「私は幸せになる価値のない人間だ」という思い込みが心の奥に隠れているのでは。
ですから、誰かを恨みたくなったときや、将来への不安が頭をよぎったら、
「私は幸せになっていい存在なんだ。わざわざ苦しくなることを考えることはない」と自分に言ってあげて下さい。
そして、自分が幸せになることを、ゆるす一歩として何かひとつでもいいので、「本当に自分がやりたいこと」を始めてみるということです。
「でも、自分が好きなことをしたって1円にもならないから無駄」という人がいますが、好きなことをして自分の心を喜ばせることは、お金を得ることよりも重要なことです。
自分の好きなことをして、自分自身で、自分の心を喜ばせる体験を繰り返すと、次第に「自分らしさ」というものが芽生え、他人の評価がさほど気にならなくなります。
そして、自分をハッピーにすることをゆるせば、自分自身のことも好きになります。
それでは、また。