山のおまつりへ~まずは山を体感する~
こんばんは、アリス食堂です。
さて、前回のいきなりのテーマにのって、
山のおまつりへの道となる一つ一つをここに書き留めたい
最後までお読みいただけますでしょうか。
まずは、何より山を知りたい、体感したいと私は山に入ることにしました
今の私に一番近しい山に入る、それには目的がほしいと、その山にある秘湯を目指すことにしました。
「登って30分くらいで着くよ」
山の持ち主の方に了承をもらったものの、ふんわりとした案内。
これも試されていると納得し、ありがたくお受けする事にしました
実はこれまで3回ほど一人で山に入ったことがある
今思えばどうかしていたと思うけれど、その時は何かに誘われるように私の体が行くしかない、行かなきゃならない、いや行きたいと夢中で山を登っていた
ある場所では下山していると後ろから何かがついてきてしまった事がある
何度か振り向いて確認した(よくそんな事できたものだけど)
目には見えない、でも確実に何かがいる
私の体はその目には見えないものによりゾワゾワした体感をずっと感じていた
下山の仕切りあたりで遠くから鐘の音がした
(入山するときも同じ鐘の音がした)
それにより私の体はゾワゾワから開放された
今回の山入りに姉を誘ったのだけど断られた
理由は山を甘くみるな、こわい との返事
山の怖さは体感済みだ。
その日は朝から曇り空で今にも雨が降ってきそうな雰囲気
布団の中でごろごろしていた
だけど、日にちを思い出し飛び起きた
その日は月の初め、1日だった
行ってもいいと言われている、背中を押されていると思った。
天候は心配だった
霧が深いかも、雨がひどかったら止めようかな
だけど、着いたら霧もなく雨も降っていなかった
リュックにコンビニで買ったおにぎりとお菓子を入れ、ペットボトルに水を2本準備し、運動靴に軽装
30分登って見つからなければ下山する、長居はしないという約束を心で決めた
入山する前に手を合わせる
「入らせていただきます、嫌なら分かりやすいように教えて下さい」
私はこれまで山に入る際は必ずこの言葉を言う
お山との約束ごとだ
昨日この山に人が入ったのは知っていた
小太りのオジサン、あの人が登ったのだから私も登れる(失礼)
そういう安心感もあった
入って思ったこと。
山が荒れていると思った
大きい木が根っこごと倒れている
大きな機械が通ったあとが違和感のある道となり山を横切っている
大雨の際にできたのであろう大きな傷のような水の流れたあとは痛々しくも感じた。
小高い山に登り、上から秘湯へのヒントをもらうことにした
急な斜面、木を支えに登っていく
何かが登った形跡がある
小さくて細い足跡
何かの生き物の足跡
私はその生き物と同じ道をたどり登っていく
同じ山の仲間になった気分だった
頂上にたどり着き、上から下を眺めた
秘湯を匂わせる場所は見当たらなかった
だけど、水脈と思われる場所を見つけた
屁っ放り腰で傾斜を下る
既に運動靴は泥だらけだ
近づくと水の音が聞こえる
周辺には青い小さな花が咲いていた
この山に入って初めての花
水量は十分でないらしかった
水脈と思われる場所まで水が流れていなかった
季節のせいなのか、水の状態が変わってしまったのか
約束の30分が迫ってきつつあった
良い場所を見つけた
この場所で最後に休憩して下山しようと思った
その場所は周りの山から一望できる
ちょっとしたスタジアムのような空間だった
ドスンと座り、リュックに入れたおにぎりかお菓子を頬張ろうか、
少し頭によぎったもののやめておいた
そんな事より音楽を楽しみたいと思ったからだ
私は去年、舞をするというご縁をもらい
舞うという事が好きになった
踊るという事に抵抗がない、いや踊るって最高だ。
音楽をかけ一人舞をした
想像してみてほしい
山に入り、一人踊っている姿を
もちろん、引く人もいるだろう
大抵の人はそうかもしれない
一昔前の私もそうだった。
山で踊ってみての感想、それは最高だ
何が最高なのか、
山と一体になれたという感覚
山の持つ波はとても高く気持ちいい
お気に入りの音楽をかけ心地よくある時、
体がなんだかリズムをとっいてる、あの感じと同じなのだと思う。
私が舞っている間中、山から一定の音を感じた
山も私と踊っていると感じた
気分良くなった私は山に言ってしまった
「秘湯に私を連れて行ってくれませんかぁー」
そんな事言ってもならぬものはならぬのだ、あきらめよう
うしろ髪ひかれつつ下山へ向かった
すると、さっきの水脈とは違う場所から水が流れているのが見えた
近づいて触ってみると少しあたたかい
マジっすか!!
水の流れに食いついていく
慌てている私は何度か石に足元をとられる
距離が縮まるほどに水は暖かくなり、確信度が増す
ワクワクがとまらない
嬉しくてたまらない
そして、私はたどりついた
チョロチョロ優しく湧く秘湯に
現実は、想像していたよりも違った
入れたものではない
(はい、はっきり言って)
温度もめちゃくちゃ熱い
でも自然そのままのお湯を目の前に、そしてたどり着けたことに浸っていた
しばらくここに居たいとさえも思った
すると、後ろからドスンと音が聞こえた
太めな枝がゴロゴロと落ちてきたのだ
分かりやすい、非常に分かりやすいです
私は一礼をし、そそくさと下山へと向かった
下山は登ってきた道とは違うルートになった
突如、平地の場所が現れた
アスファルトの道もある
ここには会社が管理している場所があり、大きなトラックが行き来している
アスファルトには緑青色のロクショクグサレキンのついた木の破片が転がっていた
この山のモノを持ち出された時に転げ落ちたのだろう
私はそのこたちを拾い、山へと返した
アスファルトの道から再び山の道へと戻る
下山している私の心はとても幸せだった
楽しかった、嬉しかった。
山が私と遊んでくれた、この日のことを私はずっと忘れない。
アリス食堂店主、山のまつりへ
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