口を閉じる。
この言葉は、この気持ちは、鋭い刃になりかねない、と思い、
自分の口を閉ざして、
刃は内側の肉に刺さり、
誰かを貫かずにすむ。
だが自分自身が貫かれる。
どんどん刃があなたを貫き、
気づけば、あなたの皮膚をたくさんの刃が内から貫いている。
まるで、あなたが、あなたそのものが、
あなたが危険だと言って他人に決して向けなかった、
刃のよう。
刃が心の中でつくられそうになったら、
どうにかして、
布で包まなければ。
可能ならば、熱で溶かして、別のものを作ろう。
他人を貫くことに、
自分を貫くことに、
無抵抗でいてはいけない。
#コラム
#エッセイ