山道にて、
昨日の鹿児島の最高気温34.4
何度も行き来している山道で
ランニングシャツに作業用ズボン
麦わら帽子に素足に
サンダル姿の80歳くらいのおじいさんが
自転車を押して急な坂道を昇っていた
その姿は汗をびっしょりとかき
素肌にくっ付いているランニングシャツ
直角に腰を曲げ、肘を真っ直ぐ伸ばし
自転車のハンドルを握り締め
ゆっくり自転車を押し坂を昇っていた
その坂道で自転車を漕いでいる人や押している人を
目にしたことが無かったので無性に気になった
自分の後続に大型トラックがいたので
少しだけ車のスピードを落として自転車を押す姿に
目を配った
自転車のカゴに飲み物らしき物は見当たらなかった
バックミラー越しにもその姿を目で追った
少し項垂れて脚が止まっていた
おじいさんの行く道2キロぐらい先に
唯一の自販機はある
たとえおじさんが引き返しても
2キロ以上自販機は無い
バックミラー越しのその姿を目で追った
急いで自販機でスポーツドリンクを買い
Uターンしておじいさんの元に向かった
山道の脇にでも近所に家があって
おじいさんがいないことを願った
おじいさんは道脇のブロックに腰掛けていた
スポーツドリンクを手渡すと
3分の1くらいを一気に飲み干し
” ありがとうね!助かった。“と言ってくれた。
夏場に災害を体験した時
自販機も使えず、コンビニもスーパーも車も使えず
それでも見知らぬ人同士でも水道を分け合い
たとえ冷たくなくても無償提供の飲み物が
被災した店先などに置いてあるのを幾度も目にした。
困った時はおたがいさま
困っているひとがいれば身知らぬ人でも
手を差し伸べる
それが当たり前の状況だった、あの時は。
忘れなきゃならない事、忘れてはいけない事がある
あのおじいさんが倒れてなくてよかった。
※画像は災害翌日に
自分の車に常時用意していたもの。