「5:5の法則」

 学生時代の恩師がかつて「5:5の法則」というものを話していた。「5:5の法則」とは、個人差はあるものの人間はおおよそ5割の人にプラスの印象を持たれ、残りの5割の人にはマイナスの印象を持たれる傾向があるというものだ。
 それを聞いた当時の私は、どうがんばっても5割の人々からはマイナスイメージを持たれるのかと正直落胆したが、今の自分を俯瞰して見てみると、恩師の語っていたことはあながち間違っていなかったと思うのである。
 これはあくまでも自分の実体験に基づいての主観であるが、人から好印象を持たれることがどれほど難しい事なのか、そして無関心あるいは悪い印象を持たれることがどれほど容易いことなのかが、ほんの数年ではあるが、社会人を経験したことで、身に染みて分かった気がする。
 しかし、好かれたいからといって相手の人に対して親身になりすぎると、相手によっては親切心に漬け込まれて、結局は良好な関係が保てないのである。相手の優しさに漬け込むだけでギブアンドテイクのギブを全くしないような人は、つまるところ何とも感じていないのである。そのような人からは、関係が泥沼化する前に少しずつ距離を置くしかない。
 このように、私は自身の経験則から「5:5の法則」を信じている。当たり前のことであるが、全員から好かれるということは有り得ない。だからこそ、親切にしてくれる人を大切にしたり、他人との距離感を上手く保つことが重要ではないかと私は思う。

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