『コロナ闘病記①』
2022年2月28日のことだった。私は気分転換でよく訪れる隣町の自然公園を歩いていた。その公園では珍しい野鳥が観察出来るのだが、そこはあまりにも無名なのか、来客はときどきいる程度だ。私個人としては野鳥が好きなのと、そもそも人がいないからそこではコロナのリスクは無いに等しいため、毎週のように通っていた。
そんなルーティン化した散歩だが、この日だけは足取りが重かった。普段は2㎞~3㎞近く歩けるのに、500mくらいしかないクヌギ並木を歩いただけで、ものすごく疲れてしまった。おまけに喉も痛かったのだが、単なる風邪に違いないと、そのときは楽観的に考えていた。
ところが、その日の夜になって全くといっていいほど眠れなかった。喉の痛みだけでなく、咳き込んだり頭痛が襲ってきたのである。今まで他人事の様にしか感じていなかったが、その時になって「自分はコロナかもしれない」と思うようになった。
翌日、体温計で熱を測ったところ、37.7度もあったため、同じく咳をしていた家族と共に、発熱外来に行くことにした。初めて行った発熱外来でまず驚いたのは、患者の人数である。私たちは病院が始まる前に行ったにも関わらず、20人くらいは待っているように感じた。住んでいるところが田舎だから大丈夫だろうという見通しが甘かった。この日は30秒くらいで終わる検査であったが、結果待ちや会計なども含めて3時間くらい車の中で待った。恐らく、人手不足で事務的作業が忙しいのであろう。(続く)