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【笑゛祭】代表インタビューvol.3-マサ-第1弾「最強の笑゛を目指して」

笑゛25周年記念公演企画「代表インタビュー」
3人目はマサ!
最強の笑゛を目指し、どまつり大賞、YOSAKOIソーラン大賞を成し遂げた代表に聞く、笑゛とは。
現役メンバーから、リオ、金ちゃん、こじろーるがインタビューに行きました。

代表としての軸

チーム作り

りお:まず、一番最初に、核となる部分だと思うんですけど、チームを作っていく上で1番大切にしてきた軸って?

マサ:前代表きょうちゃんから「代表をやってほしい」っていう話をされてから、どんな笑゛を作ろうかなって考えた。それで、俺は<最強の笑゛を作りたい>っていうのを1個の目標にしたのね。
でも、「最強ってなんやろうな」って思った時に、初めて笑゛を見た時の衝撃を思い出した。2004年の時のことなんだけど、当時黒い衣装ってすごい珍しかったし、外から見た感じ、「怖いな」「道、開けちゃうな」みたいな、見るからに強いんだろうなっていうのは伝わってきて、笑゛=ずっとそのイメージがあった。

2004年の笑゛

2007年に笑゛に入って、大澤さん、筆谷さん、きょうちゃんの代表時代を経て、改めて自分がどういう笑゛を作りたいかってなった時に、やっぱり自分のイメージの笑゛をもう1回作りたいって思った。<最強の笑゛を作りたい>ってシンプルだけど、自分の中のイメージを具現化したいっていうのが、1番の軸。それでいて、外から見た笑゛のイメージは<怖くて・強くて・黒くて>とか、「笑゛はこうあってくれるだろう」っていう期待に沿うことも大事だなって思っていたから、自分の中のイメージは大切にしつつ、外から見られた時にどう見られるかなっていうのは大事にしてた。

作品作り

金ちゃん:演舞としては、周りからどんな風に見られる演舞がゴールだと思って作っていましたか?

マサ:まず1つは自分の中のこだわりとして、観ていて違和感がないこと。見始めて、「おっ!」ってなって、見終わる頃には「終わっちゃった」って感じさせるような、あっという間に見終わっちゃったっていう感じの釘つけ感が、自分の中での演舞のゴールかな。観ていて「ん?」って思う違和感あるじゃん?どまつり前になると隊列のバランスとかで「もうちょっとその位置揃わんか」とか「その移動ルート、もっと綺麗に行けないかな?」って。曲の中の気になるところを整理したい気持ち。そこがうまく収まれば、自分の心が静まるんだけどっていうレベルのポイント。
結果として、お客さんがそれを見て「あーええな」って思ってくれれば、それがゴールだし、そこで「うーん」って思われても「いや、これは自分でちゃんと納得したから大丈夫です」みたいな。そう思うと、自分が納得する作品がゴールなんだろうなぁ。

最強の笑゛を作りたい。でも…

こじ:マサさんが初めて笑゛を見て「こういう笑゛がいいな」って思ったイメージを、代表になったときに目指すために、チームの中をどうしていこうっていう想いがあったんですか?

マサ:そこにいるだけで「笑゛だ…」みたいなちょっと距離置いちゃうみたいな存在を目指したかった。でも、実際やってみると、例えば、大澤さん・筆谷さん・きょうちゃんってシンボリックな人がいたから、自分たちも笑゛でいれた。いなくなってしまった時に「自分たち一応笑゛なんですけど、全然なんですよ」みたいな雰囲気になってしまった。今まで絶対的な存在がいて、ついて行けば結果があったし、自分に自信がなくてもその人たちから自信がもらえるから成り立てた。けど、いなくなっちゃった時に、「どうしよう」みたいに、急に自信がなくなっちゃった。もちろん、全員が全員そうじゃなかったけどね。
だから、この状態で最強ってどうやって作ればいいんだろうって思った時に「まずは身体作りだ!」って。とことん、自分の身体を痛めつけて、1つの自信を作ってあげようって。自分もだけど、絶対の自信はなかったから、メンタルのことはちょっと後回しにしておいて、まずはフィジカルだっていうことで、なんとか土台を上げていったって感じかな。

マサ=筋トレ?本当の意味

マサ:筋肉がどうのこうのとか、筋肉が大好き〜とかじゃなくて、例えば、練習の外で、自分たちがやってこないといけない筋トレのメニューを改めて作って、「10回で済んでたところを今回は30回にしましょう」ってなったら、絶対しんどい。回数も筋トレも嫌だけど、「やらなきゃ」っていう状況の中でやり続けると、段々それが生活の一部になっていくわけさ。そうして段々、夏ごろになるとやらないと落ち着かないみたいな(笑)。それだけしんどいことをちゃんとやったから、踊りも大きくなってきたし、自信がなかったメンバーにも1個の自信が生まれた。別に、俺が筋肉マニアなわけではなくて、たまたま手をつけやすかったのがそれなだけ。
シンボルになる歴代の代表がいなくなって、みんなが「誰についていけばいいの?」っていう自信がない中で「いや、自分たちが自信持って踊れるように」っていうアイテムとして筋トレを活用したの。

メンバーへの働きかけ

金ちゃん:夏まで行っちゃうと、筋トレを経て自信はつくと思うんですけど、でも、やり始める時って、メンバーの働きかけって難しいんじゃないかなって思うんですけど、どうやって気持ちとかを作っていたんですか?

マサ:年末の総会でテーマ発表をするときに、今年の衣装は男は法被です。女は着物です。テーマはこれで、自分の代表のテーマはこれでっていうワードを出すんだけど、たくさんワードを伝えるから、その時は「へーそうなんだ、頑張ろう」くらいの感じで終わっちゃう。だから、練習が始まった時に、練習中とか、練習前の話でも、結構何回も何回も同じワードを言う。「今年の目標は、絶対に奪還したい」で「<最強の笑゛>を作りたい」だから、「こういうことをする」って結構ことあるごとにワードを出して、「で、それをするために、このメニューが必要なんだわ」って。目標だけポンって伝えると「もう無理!」ってなるから。「大賞を絶対に獲るためにはこの身体は絶対に必要だし、この身体を作るためには絶対このメニューが必要だし、だから、全員がやらないと絶対に踊れない。絶対怪我する」って言ったら「怪我するのか。じゃあやらないと」って。ポンって伝えるんじゃなくて、逆算しながら伝えてきたと思う。女子の筋トレは、西川流家元の西川千雅先生に着物を着た状態で動くための筋肉作りを教えてもらって、それをメニューにしたから納得感あるよね。メンバーとしては「このメニューをこなせば、間違いない」みたいな。そういう付加価値じゃないけど、「よしゃ!やってみよう」のきっかけになることってとても大切。

筋トレ小話

りお:1番最初にマサさんとお会いする前にOBからドラゴンボールのブロリーみたいな人がいてさ、肩の筋肉がつきすぎて、腕がすぐ上がらない人が代表にいたんだけどって言われて、「人間ってそんな風になるんだ」って思って。

マサ:あの頃は、何しても筋肉がついた身体のピークだったんだよ、きっとね。でも、ついた結果筋肉のせいで肩が剥離骨折するっていう。筋肉で引っ張られすぎちゃって。

こじ・金ちゃん:えーーー

マサ:2016のソーラン明けに、そのまま『力の限り(2016年度演舞)』の練習が始まって、その時に肩が腫れちゃって。見るからにパンパン。ちょうどパレード練で、「たくちゃん(当時振り班長)ごめん、肩痛てぇわ」って言ったら「いや、だけど、マサが踊る姿見て、みんな頑張ってる。マサが踊らんで誰が踊るんや」って。「そうかー、そうやなー、それなら頑張るわ」みたいに返して、痛ぇ痛ぇ言いながらやっててさ。でもどうにも痛いから、病院に行ってMRI撮ったら剥がれてて、病院の先生に「何したの?」って言われて、「激しく回したら腫れました」って返したら「肩の剥離骨折はあんまりないんだけどね?腕吊るのやっとく?」って言われて、「いや、ウィルキンソンで」って。
ペットボトル脇に挟むと、腕がいい感じに固定されて痛みが和らいだのよ。ウィルキンソンのペットボトルが硬めでいいんだよね。しみちゃん(現旗士)にはずっといじられるけど。

どまつり大賞奪還に向けて

「望む大賞はこれじゃない」

こじ:マサさんの時のすごい結果っていうのは、「勝ちたい」っていうこだわりがあったんですか?それとも、「最強の笑゛を作る」っていう軸をひたすらやってきたから、ついてきた結果だったんですか?

マサ:どまつり大賞はやっぱり獲りたくて、2012年に大賞を獲ってから、2013.14と獲れてなかったから、「大賞を獲り返したい」っていう想いがあった。だから、総会の時のテーマとしても「どまつり大賞奪還」っていうのはあったし、それだけは絶対に獲るっていうのが1つの目標だった。大賞を獲るためには、自分が1番納得する形で出す作品が1番かっこいいって思ってたから、男は法被、女は着物、列も揃える、フリも揃える、入りハケも揃える、違和感をなくしていく。自分が1番納得する形で獲れたらそれが1番いいよなって思ってた。結果、大賞を獲れたけど、やっぱり何回も何回も練習中に「目標は大賞だ」って何回も言ってきて、時には強く「こんなんじゃ大賞は獲れない」「望む大賞はこれじゃない」って伝えて。やっとメンバーも「獲りたい」って思ってくれたから、段々とチーム全体が「獲りたい」って気持ちになって、そうしてやっと大賞を獲れたんじゃないかなと思う。

こじ:マサさんが言い続けてやっと「大賞獲りたい」って形になっていったんですか?

マサ:代が変わって、キリよく抜けていったメンバーもいるし、居続けてくれるメンバーもいた。居続けてくれたメンバーは、俺が伝えたことに言葉を乗せて伝播してくれた。ちょうど15周年記念公演の年で、アンコールで新曲(粋)の冒頭1分間だけ披露するぞっていう時に、緞帳が上がるタイミングでたくちゃんが「代表1年目のマサの門出を全員でいいものにしよう」って盛り上げてくれたり、俺が言葉足らずで「なんで出来ないんだ」って言ったとすると、他のメンバーが付け加えで「先週の練習では、こういう風に言われて、こうしようねって言われたけど、それが出来てなかったから、さっきもマサが怒ったんだぞ」ってみんながチームのためにフォローしてくれて、いい塩梅でまとめてくれた。結構部活みたいな感じだった。先輩が、後輩に対して、モチベーションを上げさせてみんなで進んでいく感じだったかな。

焼きそば食べながら見られるチームでいいんだろうか

りお:今のメンバーだともう大賞を経験したメンバーが居なくて、なんならよさこいをやったことのないメンバーが結構増えてきた状態で何回も「大賞を獲りたい」っていうワードを出してもピンと来ないメンバーがいて、大賞がどんなものかも分からないし、大賞を獲ろうとして頑張ったけど、獲れませんでしたっていう経験をしていないのでいまいち乗れてこないっていうのがあって悩んでます。

マサ:お客さんが、笑゛っていうチームに対して期待しているものは何?って考えた時に、焼きそば食いながら見られるようなチームでいいんだろうか?笑゛のブランド力として「大賞を獲り続けたい」「獲るためのチームだ」ってことは強く押していかないとね。それだけ強い想い込めて取り組んでる。休日とか、遊ぶ予定とか、すごいみんな笑゛に費やしてるし、仕事中もずっと笑゛のこと考えてるでしょ?だから、ちゃんと笑゛っていうチームに入った以上すごい練習があって、大賞を獲るためにそれがあって、大賞を獲ることだけが原動力なんだくらいのことを体現していかないともったいないよね。

笑゛あるある

りお:仕事中に印刷してる時に「腰から出したらこうなるな」ってやってました。周りから見たら「何やっとるんや」みたいな

マサ:やばいな。俺も現場仕事中に中野屋さんから電話がきて、「法被のデザイン、犬山祭の車山が通ったあとの轍みたいなイメージって言われたけど、ちょっと分からなくて。イメージがあるんだったらちょっと描いてくれない?」って。だから、「あ、わかりました。いつまでがいいですか?」って言ったら「実は今日中がよくて」って。「今日ですか?」って時計を見たら14時くらいで、「夕方くらいまでに描き上げればいいですか?」って伝えて、もう仕事中だったけどさ、江南の平和堂のフードコートで紙広げて、バーって描いて、そのまま中野屋さんまで行って、「これです」って出したら「これはもうイメージが強すぎてこっちでは変換できないから、もうこのままでいこうか」って言われて「はい、お願いします」って。仕事中だろうがなんだろうが、いつでも笑゛のこと考えてたよ。

第2弾は、マサが思う「笑゛の代表」・今の笑゛に伝えたいこと。
キーワードは唐揚げ。

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