
【笑゛祭】代表インタビューvol.3-マサ-第2弾「最強の笑゛とは」
笑゛の代表

目指した代表像
りお:マサさんが目指されていた「代表ってこういう人間でしょ」っていう、チームとして代表はこういう位置付けだっていうのってありますか?
マサ:笑゛は歴代代表の力がすごい強かった。大澤さんは初代だから創業者でしょ?強い想いでチームを引っ張っていくから、大澤さんはカリスマ性。筆谷さんは、大澤さんと同じ時期に同じ活動をしていたから、ほぼ初代だよね。だけど、キャラもスキルも全然違う。言葉を伝えることがすごく上手なの。だから、筆谷さんは言葉。きょうちゃんは踊りが大きくて上手だった。みんなからもすごく頼られてて、指導員長だった。きょうちゃんはみんなのリーダー。
歴代それぞれに色があって、自分は一体なんだろうなぁと。俺は、いちメンバーでずっとやってきて、指導員というものも経験せぬまま代表になろうとしてる。でも、いちメンバーの期間が長かったからこそ、メンバーの気持ちを1番理解できるっていうのが自分の中の強みだった。「よし、メンバーに1番近い代表でいよう」って。だから、威張るなんてことしたくないし、なるべくみんなと同じ目線で、同じことをしようっていうのが自分の中の代表像だった。ちなみにないーぶは頭の回転が凄まじいから、頭脳だな。しんしは、優しいからなー、うん、愛だな。とか勝手にキャラ付けしたり(笑)
代表誕生の裏側

マサ:『JYO REVOLUTION(2013年度演舞)』のときに大館さんっていう当時の副代表から「代表をやってほしい」ってまずジャブ打ちがあった。俺は「えー」みたいな。で、濁してバイバイしたの。で、きょうちゃんに改めて、別日に呼ばれて。お店に行ったら当時の指導員とかスタッフが全員集まった飲み会で「えー!みんないるなんて俺聞いてない!(笑)」みたいな。で、その飲み会中にきょうちゃんに改めて話をされて、「分かりました。やります」って。そしたらそのお店でいきなり所信表明することになったんだよね(笑)。
こじ:指導員とかスタッフがいる前で、ですか?
マサ:そう。だから、俺は当時なんの役職もなかったからさ、指導員とかスタッフの子たちよりも上に立つことになる。しょうがないことだけど、お互いちょっとやりにくいよね。でも、「自分の中ではこういう笑゛を作りたくて、大賞を獲り返したいんです。だから精一杯やります」と。「俺についてこい」とは言わなくて、「自分の目標に協力してほしい」って伝えて、その翌年1年間は指導員長やらせてもらって、そのさらに翌年に正式に代表になったのよ。
こじ:周りにスタッフや役職を持っている人がいる中で、やりにくいのに、どうして引き受けたんですか?
マサ:それまでのどまつりで、大賞or準大賞だったのが、2009の年に初めて笑゛がそこに入れなかったのよ。結構その年から色んなメンバーが増えて、笑゛というチームに色んな色を持った、色んな人が集まった。踊りのレベルも様々で、個性も強い人がいっぱい集まった。それも含めて、笑゛だった。
代表の話をもらった時に、自分がこの話を断ってしまったら、それでも自分は笑゛に居たいと思うのか。居たいと思った時に、きょうちゃんとか、だてさんに「飲み行かない?」とか「どっか遊び行こー」とか、今まで通り言えるのかなって思った。断ってしまったら、今まで通りに言えないんじゃないかなって。だから、いちばん最初は、チームのために引き受けるってよりも、この関係を大切にしたいから。だから、やろうって。断る選択肢はないんだろうなって。やらない決断よりも、人との関係を大事にしたいなって。
マサから見た今の笑゛そして伝えたいこと
笑゛は唐揚げ

金ちゃん:代表の時は外からみた笑゛を考えていたと思うんですけど、今の笑゛ってどう見えています?
マサ:層がすごく若くなったのもあるんだけど、汗臭さが減ったなって思う。かっこよく踊るんだけど、笑゛ってまだもうちょっといけるのよ。男は、フレッシュなんだけど、身体細いなとか。
金ちゃん:後ろ姿とか、立ってる姿とかですか?
マサ:そうそう。オフの時。演舞以外の時とかも、トボトボ歩いてる感じがあるじゃない。「もうちょっと胸張って歩いて!」とか思うことが結構あって。女の子は、『湧き起こす川祭(2022年度演舞)』も『車山場にかける(2023年度演舞)』もだけど、髪型とメイクがすごく統一されて、顔立ちがみんな同じに見える。それはいいことなんだけど、笑゛は踊りのチームだから、踊りにもっと貪欲な姿を見せてほしいな。だから、「まだ、出来るだろう」っていうのはあるかな。1番頑張ってるやつに合わせる、の姿勢ね。
教え方とか、練習の仕方をリセットしたわけではないんだろうけど、よく言ってたんよ。「OB・OGの声は、無視しろ。今の笑゛が笑゛だ。」って。だから、「昔はこうだったから」とか。そういうことを言いたいわけではないんだけど、外から見た今の笑゛はすごく喉越しが爽やかになったなとは思う。
こじ:喉越しが爽やか
金ちゃん:すごい、表現が、、
マサ:誰が言い出したのか、「笑゛は唐揚げだ」って言われてて。「料理のコースのもう一発目から、ドガっと唐揚げ出てきたら、その後おしゃれな前菜とか出てきても、もうええわ…ってなるだろ」って。だから、ソーラン行く時も、「どしょっぱつから、脂っこいの出して、お客さんも審査員も、もうお腹いっぱいにしてやろうぜ」っていう話をしてた。だから、踊り1つでも、今も言ってるだろうけど「8のは」じゃなくて、「は」を分解して「HaのHだ」って言って、「Hで手を上げろ」って言ってたりとか。「『よいさー』する時は、5トンの車山があって、そもそも5トンの車山っていうのは梃子衆がそれぞれに40人くらいおって、やっと動く重さだ」「その車山を、その程度の力で動くと思ったら、絶対に違うだろ。重たい車山を動かしたいなら、これくらいの力を入れないとダメだ」っていうところまで言えば分かるじゃない。見る側としてはもっと、もっとほしい。暑苦しいのが。
女の子は、当時の指導員に言われたんだけど、「着物を着てることをもっと考えてほしい。そんな足を広げる振りを踊ったら、着物が開いちゃうし、腕をこう伸ばすと引っ張られて着物で動きにくいから、ちょっと無理」みたいな話を、振り落としの時に言われて、「でも着物先行で振りを作ってたら、その大きさにしか収まらないじゃん。なんか違わない?振り先行で、着物を合わせてくれ」って。「動きにくいんだったら、動きやすいように調整してくれればいいし、着物の可動範囲だけで振りを作っちゃったら、それは小さいよ」って結構無理なこと言った。動きにくい着物で大きく踊るためには、股関節を大きく伸ばさなあかんでしょ。じゃあ、筋トレだね」みたいな話があったり。
人間の中で1番強い感情は怒り

マサ:自分がチームに対して、1番言ってきた言葉で「人間の中で1番強い感情を持てるのは『怒り』だ」って。だから、「去年準大賞。大賞チームがあのステージで踊ってる姿を見て、むちゃくちゃ悔しかったよな」っていう話をして、「あんだけ練習して、遊ぶ時間もなくて、ご飯も全然好きなもの食べれなくて、たくさんの時間を費やしてきたのに、それでも獲れなくて。むちゃくちゃ悔しいよな。いいかみんな、もっと心に、怒りを持て」って。それが揺るがぬエネルギーだから。今、チームの中で獲ったことのないメンバーが多いんだったら、もっと笑゛っていうチームが笑゛であるべきところをもっと話していかないとね。自分たちが1番なんだっていう。自分たち以外が大賞の舞台に立つことが嫌だ!ってプライドってことをもっともっとみんなが思えるといいよね。
今の笑゛メンに伝えたいこと

こじ:今のメンバーに伝えたいことについてお聞きしてもいいですか?
マサ:伝えたいこと、いっぱいあるんだよな。新しい子に対して言うなら「笑゛に入ったからかっこいいわけではない」。その意味は、自分が踊る姿、歩く姿も含めて、笑゛っていうイメージを作ってるのは1人1人だから、自分に自信を持つことを1つでもしなさいっていうのは伝えたい。
あ、そう分かった!あのね、緊張感。緊張感を与えてくれる関係を作りなさい。練習を組む人がいるんだったら、その練習を「そのスケジュールでいいの?」って言ってくれる人を置いてほしいし、衣装を作る子がいたら「そのデザインでかっこいいの?」って言ってくれる人がいてもいいし、振りもそうだし、祭り中の休憩の仕方もそうだし。誰かが、誰かに「こう言われるかもしれん」「こう見られとるかもしれん」っていうことをみんながそう思えると、チームって言うものが、カチッとするのかなって。それぞれが、仲良しこよしじゃなくて、「ちょっと待てよ。これ大丈夫か?」ってまず自分を律することが出来ること。もっともっとメンバーの中で、いい緊張感を作ってほしい。それがなんか、ひいては踊りにも繋がるから。キツく言うなら「踊りを楽しみたいなら、笑゛じゃないぞ」って言う話。いい曲で、いい音で、いい衣装で、いい構成で、1番かっこよく踊りたい。
こじ:新しく入ってきたメンバーに対して、いわゆる緊張感を与える人が「これ言ったら老害かな」「これ言って辞めたら」って思ってしまうのではって思ってしまうんですよね。
マサ:そうだよね。気遣っちゃうよね。言うべきことを言わずに続けてもらうのか、言わなあかんことは言う。それで辞めてしまうなら辞めてもらう。それはしょうがない。でも、それでも続けてくれるなら、そこから信頼が生まれる。なんか、その気にしぃなところは俺、川祭ですごく感じたのよ。その頃はコロナで、いろいろな制限がかかる中で、それでもチームにいてくれる人がいて。その中で続けてきてくれたメンバーを大事にしたいっていう気持ちはすごくわかったんだけど、もうそろそろ、強くいるべきなんじゃないかなって。笑゛に所属している以上、みんなが大賞を目指すべきで、その練習を組むべきで、言うべきことは言うべきで、それでも続けるから、チームが強くて。離れそうなメンバーを引き止めて、優しい言葉をかけてってやってると、やっぱりそこまでしか行けないんじゃないかな。難しいけど、時代もあるからね。でも、時代は時代だけど、笑゛にも合わしてくれって思う。
笑゛の代表に必要なこと
マサ:例えば、しんしが総会でテーマを出したときに「来年は全員で楽しく笑顔で」って言うとその通りになっちゃう。そうじゃなくてしんしが「どうしても大賞獲りたい」って強いことを言ってくれると「じゃあ、どうしても大賞獲るためにはキツく言わないといけない」って。強い目標は、しんしから改めて言ってもらえると、その言葉に乗ってみんなも強くいれるよね。1個強いワードを出してくれって。そしたら、メンバーがみんなその言葉を思って、全部の行動に繋げられるから。
こじ:強い言葉とか、カリスマ性とか、引っ張っていく何かが笑゛の代表には求められるんですか?
マサ:人柄っていうよりかは、ちゃんと目標があって、笑゛っていうチームのことをちゃんと思っていて、周りにはちゃんと代表を支える人がいて、だけど、ちゃんと緊張感を与えてくれる人がいて。何事もなくみんなで笑い合ってっていうのは本当に難しいから、「結果笑えればいいや」くらいな感じでいないと。やっぱり難しいですよー。
こじ:最後に笑えればいいですよね
マサ:だから、すっごく真剣にやってポカしたら、それは笑える。中途半端にやってポカしたら、「なにしてんだよ」ってなる。だから、俺はいまだに法被を落としたことをネタにされるし。「大賞演舞で法被落としましたよね?」みたいな。っていう話もやっぱり真剣にやってたから、今となっては、笑い話になったんだけどね。
「こんなスタッフがいてくれたら」「こんなメンバーがいてくれたら」
りお:僕メン募班長なんですけど、スタッフってどうあるべきですか?
マサ:スタッフはすっごく難しいけど、①代表が言ってることに対して、釘を刺す。②メンバーからの苦情を受け止めて、まずそこで意なす。その上で、代表に釘を刺す。③絶対に代表の味方でいること。
どんだけ無茶を言われても受け止めて、スタッフで話し合って、で、ちゃんとした形を作るかな。スタッフ陣は、壁であり槍でありみたいな。しんしという人間が好きだから、スタッフを引き受けてるっていう認識。しんしじゃなくても別にっていう話だったら、無理してやらなくていいよと思うよ。
金ちゃん:今の話で、大道具班なんですけど、班員みたいな。平だから、こうある平がいてくれるといいなーとかありますか?
マサ:そうだなー。心配性な子。心配性な子が1人いてくれると、俺よりもやばそうな奴おるなとか。緊張してはぁはぁしてる時に隣見たらなんか、大丈夫か?みたいな奴がいるとか(笑)。心配性な子ほど、やっぱりこう、地道な努力してくれるから、そういう子はやっぱいてくれると良い成長をしてくれるんじゃないかなっていう期待も込めて。何が得意かっていうのが、必要じゃない。それは慣れればいいことだし。だから、うん。あとは、ちゃんと間違えに気づける子かな。「ゴミ落ちてますよ」とか「スリッパちゃんとやってください」みたいな。
25周年に向けて

こじ:マサさん25周年の実行委員にも入っていただいていて。これから、1年弱くらい、25周年として、いろいろ動いていくと思うんですが、どんな25周年していきたいですか?
マサ:そうだな。25周年って考えるとすごい歴史だけど、やっぱ過去曲をやる上で、その時の指導員とか代表が、まぁ嫌な言葉だけど「昔はこうだった」って多分言うのよ。多分。だけど、そうだったからその曲が踊れていて、それが積み重なられてきたから、今があるって言うのは事実。だから、当時のやり方を感じながら、ちゃんとその曲を仕上げる。で、プログラム曲の数だけ、それぞれのやり方があって、記念公演が終わった後には、そのやり方を笑゛に持って帰って、その次の年以降にすごく良いものに繋がっていくといいなって。だから、俺は25周年記念公演の成功、そして笑゛の成功に繋がっていくことを、とっても期待しています。
次は現MCないーぶ!
お楽しみに!!!