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関西人はツッコミでいつも忙しい

「それってツッコミ待ちですか?」ということがよく起きる。そんな時、関西人の性で思わずつっこんでしまう。

僕の住んでいたそばの駅に「センター北」という駅があった。

「センター北て、センターなのか北なのかどっちやねん。センターよりの北か?それとも北よりのセンターか?え?」

とまぁ簡単に言うとこんな感じである。ヘンテコな駅名を見付けたらつっこまないといけないから、電車の中では忙(せわ)しい。


レストランへ行くと、もっと忙しくなる。

まずメニューだ。

メニューに「子羊の軽い煮込み」とかいうものがあれば、

「軽いって何?」
「しっかり煮込んでな。じっくりコトコト煮込んでや。手抜かんといて~」


〇漁師風オムライス 980円


「漁師風ってなんやねん。シーフードとか魚介ならわかるけど、漁師風ってなんやねん。漁師さんはオムライス作らへんからな!」

容赦ない。そろそろ一緒にいる男友達が呆れている。


メニューを見ていたらずっとつっこんでいそうなので、店員さんを呼ぶ。そこでオススメを聞くとまた問題が起きる。

「そうですね。特にこちらの梅水晶(サメの軟骨と梅肉を和えた珍味)が、〝女性〟に人気です!」

男性や。男性二人で来てんねん。女に見えたか?男性に人気なの教えんかい。


これは完全に店員さんのツッコミ待ち。関西人への当て付け。陰謀だ。いざ尋常に受けて立とう。


やっとこさチーズインハンバーグを頼んだら、店員さんが「〝ハンバーグインチーズ〟お待たせしました」と言って出してきたことがあった。

「逆!逆!それやとチーズの中にハンバーグ入ってもうてる!」

戦慄した。もうつっこまざるを得ない。

半分に切ったら、とろーっと流れ出るチーズ……ではなく、ハンバーグがどんっと出てくることになる。
 

「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へしばかりに、おばあさんはレストランへ行きました。

おばあさんはメニューを選んでいるとチーズが運ばれてきました。

「おや、これは立派なチーズなこと」

おじいさんに半分持って帰ってあげようとチーズを切ると、なんと中からとても元気で芳ばしいハンバーグが出てきました。

ハンバーグは大きな声で〝ジュージュー〟と産声をあげていましたとさ。」


桃太郎もびっくりだ。確実に鬼とシェアしたくなる。後世代々語り継がれることになるであろう。世代交代が甚だしい。

もはや桃太郎ではなくハンバーグ太郎だ。

いや、ハンバーグは洋風なので、〝ハンバーグマン〟か。

「日本昔話 ハンバーグマン」

日本昔話の歴史が塗り替えられた瞬間だ。

もしくは
「日本昔話 ハンバーグ イン チーズ」

もちろんこの場合の〝イン〟はミドルネームやけどな。


あぁ、ツッコミで忙しい。関西人の性を恨む。


関西人は日本昔話の歴史を塗り替え、そして神様にも容赦なくつっこむ。

最後にその話をさせてほしい。


そのためにはまず、愛すべき親友・かずやの話をしなければならない。

かずやは男3兄弟の次男。地元では「油断したらかずや君ちみたいになるよ~」と言われる。

というのも、かずや家の長男は一度受験に失敗し一浪している。

次男のかずやは、一浪した長男を見て育ったからだろうか。ちょっとくらいは大丈夫だろうという油断からか、二浪してしまった。

「背中を見せる」とはよく言ったもので、そんな二浪したかずやを見て大きくなった三男は、やはり気を抜いてしまったのだろう。まさかの三浪してしまったのである。

男三兄弟で足して六浪。かずや家は足して六浪。大事なことなのでもう一度言う。足して六浪なのである。


足して六浪の時点でちょっと面白いのだが、2浪した末、センター試験の国語が200点満点中ちょうど100点だったという奇跡的な読解力を持つ愛すべき親友・かずやが、受験前に初詣で引いたおみくじはこちらだ。

 


「国語の実力が足りぬ」



神様、ようわかっとるやん。




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女風のお兄さん|性のメンタリスト
もう少しお仕事をがんばりたい日はチロルチョコを買います。精一杯やりきった日はご褒美にHäagen-Dazsを買います。ここまでお読みいただきありがとうございます。貴方様に支えられて文章を紡ぐことができました。