フェニックス最終戦(3/28)観戦記 (製作期間の都合上東場のみとなります)
フェニックス最終戦
雷電とのポイント差110.7ポイント差
雷電は残り試合がないので
この半荘で10満点越えオーバーの大トップを決めれば
チーム着順がアップする可能性があるが
あまりに現実的ではない。
半ば消化試合の状態。
前回出場時雷電とのボーダーを詰めれなかった分、
ファンの中にはすでに最下位を
受け入れる者もいるであろう。
その状況においてファン
そして魚谷選手が望むこととしては
チーム順位変わらずとも
トップで終わらせ、
来シーズンに希望を持たせたい…
そういったところだろうか…
”どの様な思いで試合に臨んだか?”
心境も振り返りながら
私が気になった部分を
何点かピックアップしていきたいと思う。
東一局0本場
配牌としてはまずまず。
門前で進めても手が高くなりそうにないので
発をポンして手を進めたいところ。
個人的に特徴的だと思ったのはこの場面、
3pを引いてきて,
孤立牌を処理するところで
打牌候補が2m6m,3pの3種類
3pに関しては1233pと
一盃口変化のある連続系
なので落とすことは考えずづらく、
そうなると2m6mのどちらか。
しかし魚谷選手は889sで
面子候補である9s落としを敢行。
この理由は発ポンの後2m6mのどちらか
に萬子をくっつけての好形変化や
3p周りにくっつけての発落としで
メンピン一盃口も視野に入れる
打点づくりの選択だと伺えた。
点棒のない状況なら
確かにその選択肢ならありだと思う。
しかし南家で発が手元にある以上、
発ポンの1000点が自然手順であるだろうし
今はとにかく親を引いてくることに集中し、
浮き牌の中でも、
くっつきが弱い2m切りが
いいように私は思えた。
この時の魚谷選手の心境は定かではないが
最終戦トップ取りをかなり意識したスタート
にも見える一打である。
裏目の7sを引き9pを引いたところで選択。
これはとてもバランスが取れた一打と思える。
3p周りにくっついても
愚形一盃口か役無しになりえるが
9pを残したことで
一気通貫やドラ引きにも対応でき、
2000~3900の打点が見える。
先日連盟チャンネルで
6m引きからの78pの
ターツ落としから見せた
二盃口手順でもそうだが
役作りの意識は相当高い。
最終的にこの形。
あがれはしなかったものの、
裏目引きからのリカバリーや
その後の手順は見事である。
しかしこの後、滝沢選手から立直を受け、
終局間際鳴きを入れて、
白鳥選手へ海底を送り込もうとしたが
裏目に出て一人ノーテンで流局。
序盤の選択がハマらず、
終盤の鳴きを入れるも裏目で一人ノーテン。
状態の悪さを感じざる負えないし、
魚谷選手自身も
苦しい立ち上がりだと思えただろう。
東1局1本場
一人ノーテンで迎えた次局の配牌、
評価としては50点といったところで
南や東が重なれば動ける手となり
スピード感が増していくが
魚谷選手の選択は…
ダブ東重なりの前の先処理である東切り。
と同時に9mを残すということは
平和をかなり意識した手順である。
この2局の切り出しを見て魚谷選手の
麻雀について感じたことが2つある。
①公式戦寄りかつ打点寄りの麻雀が
通常のスタイルで
最速マーメイドと称された時と比べて
面前と鳴きの比率が
面前寄りになっている可能性
(フラットな状態)
②最終戦でトップをとることに
意識が向きすぎて
前のめりになっている状態
(焦っている状態)
麻雀とはメンタルのゲームである。
同じ手牌同じ状況が起きたとしても
常時選択が同じとは限らず
対局者の心境によっては
違う牌が切られることはあり得る話である。
私は②のように思えて、
これがシーズン序盤や中盤戦、
セミファイナルへのボーダーが
残っている状態であるなら
単純な浮き牌処理で9mを選び役牌を重ねて
供託+一本場分の点数を回収に向かう方が
自然な手順に思える
しかし今回の状況は
シーズン最終戦かつ目無し状態
という自身の役割が
見えづらい状況での出場である。
各選手のボーダーの邪魔にならぬよう
黒子に徹するというのなら
最初からトップは狙わず
常時配牌オリになるだろう。
しかし今回はあがりに行っている。
あがりに行っているが
あがりやすさと打点のバランスが
不安定な選択が見て取れる。
この東切りは打点意識が
前面に出ている一打であると思え、
この局以降の展開もスピード負けして
受けに回される展開が続いてしまった。
しかし
トッププロと感じられる場面も多々あった。
白鳥選手から立直が入り、
滝沢選手が役牌ポンを入れて
立直一発目に無筋で1sを切り飛ばす
魚谷選手の立直一発目。
立直の現物は2pと3sであるが
滝沢選手の1s押しははっきり見えている。
3sは滝沢選手の立直一発目に切った
1s周りの可能性もある為、
ドラ周りでの放銃を回避して
2pから切ったのは丁寧な選択である。
その後滝沢選手のツモ切りが続き、
7mツモ手出し1s切り
魚谷選手5sツモ。
ここで小考が入る。
滝沢選手の立直一発目の1s手出しによって
周辺牌である2s3sは
ロン牌としては有力候補である。
では2枚目の1sは何だ??
12sから4sを引いての嵌3s変化もあるが、
スライド牌である4sは既に場に3枚枯れ。
ということは
自力で4sを引いてきた可能性は低い。
何か切れぬ牌を引いて降りた可能性もあるが
ほぼノータイムで1sを選んだ。
最も有力なのは12sXXの辺3s聴牌から
ドラを引いての22sXXのシャボ待ち変化。
ドラが自分の目から
1枚しか見えてないことから
ドラをツモった可能性が最も高く、
今であれば
白鳥選手の現物3sが通せる可能性が大きい。
先ほどまで滝沢選手の当たり牌である
3sをリリース。
この選択は魚谷選手が
トッププロとして活躍し続ける所以でもあり、
安定して結果を出し続けることが
出来る強みであると私は思えた。
この局は白鳥選手が
ツモあがりして2100点の支払いであったが
手順を間違えれば
滝沢選手に3900は4200の
打ち込みもありえた。
見事な放銃回避である。
東3局1本場
結論から言うとこの次局優プロの、
6000オールから連荘が始まり
南場は局消化してしまったの
で実質この局が全体の流れを作る
勝負どころの一局だったように思える。
魚谷プロも状態の悪さはあったものの
その後の選択によって
リカバリーできていたので
まだ巻き返しは効く場面ではある。
ドラが自風ということもあり
自力で重ねたい場面
辺3s払いで1sから2sは
タンヤオのアタマになるかもしれないから
いったん確保。
よく安全牌候補として
2sを先切りするプレイヤーもいるが
5ブロック候補がないときは
手広く残した方がいいことが多く、
立直を受けても意外と何とかなる。
この辺りは攻めの残しだが
とても良い手組みだと感じた。
辺3sを払い索子の6-9sで
一盃口含みのメンツが出来、
形が整ってくる。
1pを引き、不要牌ではあるものの
北がすでに3枚枯れでありターツが
まだ不足しているため1pを残して北切り。
他家の速度感は不明だが
自分の手が整っていない以上は
積極的に残せる牌は残した方が後々、
得となることが多い。
このゲームの勝負所と思われた選択。
1pを残したおかげで縦受けに対応でき、
面子手を目指すのであれば
5pを切りたいところ。
しかしここで魚谷選手が
白鳥選手の河を見て小考が入る。
白鳥選手の捨て牌を見ると
萬子のバラ切りのあとに白切り。
索子の手出し9sのあとツモ切りを挟んで
ドラを手出し。
その後筒子を2枚手出し。
まるでホンイツのような捨て牌であり
見えてない風牌は南のみで
7p1pの手出しが入っている以上、
ホンイツを張っていてもおかしくはない。
魚谷選手の選択は4m切り。
白鳥選手の捨て牌をケアした一打
で受けのチートイの選択である。
確かにダマテンを考慮すべき場面ではあるが
ホンイツにする場合少しおかしなことがある。
まず3巡目の白切り
これは手出しであるが
ほかのオタ風もあるのに
役牌白を切ったという点。
次に4巡目の9s手出し。
確かに先に字牌を処理した後、
ホンイツ色の牌が伸びて
後から別色の牌を落として
ホンイツに行く場面はあるが
そうだとしたら9sのあとに8sや7sなど
白よりも取っておきたかった理由となる
”ターツや対子落とし”
が入らないと白より後に切った
9sの理由がつかず
ホンイツをしている可能性が考えずらい。
まれに鈴木たろうプロや石橋プロのように
ホンイツターツが余っている状態であえて
その色から切る戦略もあるため
一概にすべてがそうだとは言えない。
しかしその場合だと鳴き前提になるので
役牌のポンがどこかしらで入った後、
ホンイツ色ではない数牌を手出しして
成立する手組である。
今回のような仕掛けが入っておらず
ホンイツにしては切り順に
違和感がある場合は、
様子見として5pを捨て、
鳴きなどが入って初めてケアをする
選択でもよかったと思われる。
この一打が響いてのちに
優プロから立直が入り受けに
回ってしまうのだが
これは魚谷プロの捨て牌読みや
手牌読みの長所が裏目に出てしまった
非常に惜しい場面であった。
インタビューを見終えて
いままでが観戦記でロジカルな内容だったので
この箇所だけは
少し感情的に表現したいと思います。
実をいうと僕は時間の都合上
Мリーグを普段見ることが出来ず、
通してみたのは今回が初めてでした。
もっというと
以前はプロ対局に興味がなく
天鳳プレイヤーの牌譜や検討会に参加するなど特定の範囲で麻雀をするだけでよく
自身が強くなることしか
興味がありませんでした。
なぜ今回、魚谷選手の観戦記の
お仕事をしたいと思ったのか?
その理由は自分自身が将来、
文章を作る仕事に従事したいという
目的もありますがもう一つあります。
それは永世六段さんのnoteを読んで
本当に応援したい麻雀プロは存在する
ということを知ったことです。
僕はnote作りを始めるうえで永世六段さんのnoteはかなり参考にしました。
同時にものを書く仕事をするなら、
感情を込めた記事を作れるようになりたいと
思いました。
そしてこの時、魚谷プロの事を再認知し
『この人は常に全力でファンをやチームメイトを大事にする方』
という認知になりました。
正直今回のお仕事をするうえで
誰が最もふさわしいか考えたとき
実力や文章力の高さを考えても
永世六段さんが妥当だと思ってました。
このtweetを見て胸をお借りする気持ちで
今回のお仕事にご応募させていただきました。
作る以上は全力を尽くすつもりですし
今回の観戦記は今自分が出来る
最高のものにしたつもりです。
フェニックスは最終戦3位で終わり
今シーズンを終えました。
初めてМリーグもとい、
魚谷選手の麻雀を最後まで見て伝わったのは
『苦しそう』でした。
ここまでの出来事を重く受け止め
試合に臨んだと思われますし
随所で苦しい心境での選択に迫られた
と思います。
結果的にラスを回避できた
云々は結果でありますが
オーラスで2件立直を受けて
オリに回されたとき、
僕は苦虫を嚙み潰したような気持ちで
見ました。
ほんとは勝負してせめて
2着フィニッシュを決めたいが
甘んじるしかない。
Мリーグでの試合はこの1試合だけですが
今までもこういった甘んじる選択を
せざるおえなかった場面も
決して少なくないと予想します。
今週とある方のnoteで
フェニックスに苦言を綴った
真剣なサポーターもいるように
”やっぱり勝ってほしい”ということが
フェニックスファンの思いなんだと思います。
プロでもない一素人が生意気な観戦記や
感想を述べたことを
謹んでお詫び申し上げます。
魚谷選手をはじめフェニックスの方々、
来シーズン勝ち上がれるよう応援してます。
ここまでご覧くださり
ありがとうございました。
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