『おたん生日』小学生のリコ作
小学生のときに物語を書いていたノートがある。
3年生か4年生の頃の作品。ただのお誕生日の話かと思ったらラスト・・・!!
おたん生日
今日はよし子の11歳のたん生日。12月7日です。
ママはよし子のためにどんなプレゼントをくれるかな。パパはなにをくれるかな。妹のかなはなにかな?ワクワクします。
学校に行くとみんなに「おめでとう」って言われた。
ママは家でケーキをつくっているし、なんか、今日は、ウレシイナ。
今日はなんか、手があがって、勉強がおもしろい。
中休み…お友達のルルちゃんがお手紙をくれた。
そのお手紙には、「おめでとう。今日2時30分にルルの家で待ってます。」
そのとき、ウレシイって、心の中がほんわり、あたたかくなった。
ルルちゃんは、大親友だから、とてもウレシかった。
2時30分だ。よし子はルルちゃんの家にかけつけた。
パンパンパ~ン。「おめでと~う。」「おめでと~う。」
ウレシ~。こんなにいっぱいいる~。リリちゃんにララちゃんにななちゃんにさやちゃんにマ~ちゃんには~ちゃんに。
家の中は、ほんとうにあたたかくって、その日ばかりは、お話の中の主人公のような気がする。
みんなからのプレゼント。ルルちゃんはハンカチ。リリちゃんはよし子がほしかったきれいなにおいのするボールペン。ララちゃんは、いまはやりの子ども用のこうすい。なつ子ちゃんとさやちゃんは、二人でつくったクッキー。マ~ちゃんには~ちゃんは、二人でノートとケシゴムとペンを2セット。うれしいよ~。♬ハッピ~バースデ~ツ~ユ~♬みんなの声が合ってとってもきれい。
遊んだり、うたったり、と~ってもおもしろい。このまま時間がとまってほしい。
けど…。
家に帰るとママから小さなバッグの贈り物。パパはかわいいリボン。かなはお手紙をくれた。とってもうれしかった。
その3日後…。
よし子は引っこしをした。この街ははなれたくなかったのに。
でも、しょうがないよ。でも…。
「いくよ。」お母さん…。
おわり
このころの字、汚すぎてお恥かしいですが😂
弱視なので、拡大読書器という機械の中で書いていた。びっしりと。ノート一冊に沢山書いていた中の、一番最初のページ。
『おたん生日』
「ただお誕生日が楽しいねって話かなぁ。」
と何気なく読んでいたら、(たぶん小学生ぶり)
ラストがせつなかった。。
わたしは、3歳の時に引っ越しを経験しているけれど、小学生のときには経験していないので、完全な物語だ。
最初からこのオチを考えて書いていたのかなぁ、全然覚えていないけれど。
小学生の頃のわたしと大人になったわたしは、同じ人だけど、知らない子どもの書いた物語に出逢ったような不思議な気分だった。
ページをめくるごとに、長編になっていき、一つの話に十ページ以上使っていたリする。字もだんだん綺麗になっていく。
拡大読書器がなければ、弱視のわたしには、こんな風にノートに小さな文字で書くことはできなかった。(肉眼だともっと大きな字しか書けない〉
拡大読書器を使いこなせるようになるまでも、沢山の訓練をして、今よりも性能の良くない拡大読書器を使って、こんなに文字を書いていたことに驚く。今思えば、ピントが合いにくく、目が疲れやすい読書器だった。
大人になった今、パソコンを前にしてこうやって文章を綴れるのは、種類は違えど機械を使って文字を書き続けていた、小学生のわたしのおかげなのかもしれない