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宮脇綾子展とたいめいけんのオムハヤシ【今月見た美術展】

2025年美術展初め!
今年も、毎度お馴染みの東京ステーションギャラリーからスタートです。
(去年の美術展初めもステーションギャラリーだった↓)

いや、東京ステーションギャラリーの展示が私好みすぎるんですよね。

今回の展示は「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」
アプリケ作家、宮脇綾子さんの作品や資料、約150点で構成された展示になっています。

宮脇さんの作品は、布や紙を使って野菜や魚などの身近なモチーフを描いているのが特徴。ただ、単純にモチーフと同じ色の布を切り貼りしているだけじゃないんですよね。

上に載せた作品は、トマトの中身が目の粗い布やレースで表現されていて、その組み合わせの発想力に驚かされます。端切れやレース、糸なんかは基本の材料で、時にはコーヒーフィルター、お弁当の折、さらには柔道着までも作品に取り入れてしまう自由さ!

解説文にも度々書かれていた通り、宮脇さんの作品作りに欠かせないのは「モノを徹底的に観察する」こと。大胆にデフォルメされていても、パッと見て「これはネギ」「これはメロン」と分かるのは、宮脇さんが注意深く観察し、細かい部分の造りを把握した上で簡略化した形に落とし込んでいるからだと思います。

そしてさらに宮脇さんの作品を見ていて楽しいポイントが、布の「柄」を生かして対象のモチーフを描いているところ!
筍の皮を縞模様で表現したり、鶴と亀の絵が描かれた布で鯛の作品を作ったり。布選びにも遊び心が溢れています。

一番印象に残っているのは、《パイナップル》という作品。
パイナップルの果実の部分には個性的な「更紗」が使用されているのですが、更紗の柄がなんとも、パイナップルのあのゴツゴツとした質感を上手く表現しているんですよね。
あと、もしこの展示に足を運ぶ方がいたらぜひ見て欲しいのがパイナップルの葉の部分。
果実の部分は上に書いた通り更紗を楕円形に切って一枚ペタッと貼っているのに対し、葉の部分は緑の布を重ねることで、葉のワサワサ感が表現されています。

そしてじゃがたろ的には、ここでもう一歩作品に近づいて欲しい!
実は葉の先端部分にも何箇所か、果実に使われている更紗がほんのすこーしだけ貼られているのです!!宮脇先生のこだわり〜〜〜〜!!!!

私もかつて布と糸を使ってハンドメイド作品を作っていたことがありまして。その時に、「誰も注目してないだろうけど、ここのこのひと縫いがキモなんだよなぁ〜」というポイントがあったので、それに近いものを感じました。比べるのはおこがましいですが!

そんなわけで、展示された作品約150点をじっくり見て、「かわいい!」とときめいたり、「どこからこの発想が出てくるんだろう?」と驚いたり、大充実の時間を過ごすことができました。

今回、宮脇さんの展示に強く心惹かれたのは、おそらく、私も日常にあるものの造形に面白さや美しさを感じているからだと思います。
小学生の頃、突然親に「絵手紙を習いたい」と言い、絵手紙教室に通っていたのですが、季節のお花や果物なんかを描くのが本当に好きだったんですよね。
(絵手紙ってこういうやつです↓自分の作品は実家にあるのでお出しできず。)

大人になってからも、絵日記形式で造形が気になるものの絵をデジタルで描いたりしてました。アスパラとか、よく見ると先端に紫色が入っていてかわいい。

手仕事感のある作品が好きな方、布モノが好きな方は絶対楽しいと思うので、お近くの方、ぜひ足を運んでみてくださいませ。会期は3月16日まで!

そして、展示の感想だけで終わらないのが私の美術展レポ!ご飯を食べるまでがセットです。今回は、丸の内から日本橋までお散歩して、「たいめいけん」に行ってきました。

東京に住んで10年以上になるのに、東京の名店、老舗で行ったことがないお店がたくさんあるので、ちょっとずつ開拓していきたいというのが昨今の目標です。

たいめいけんといえばオムライス…なイメージですが、個人的にオムハヤシの方が好きなので、初回訪問のくせに生意気にオムハヤシを注文。

卵の贅沢な使い方よ!!

オムもハヤシも普段おうちではあまり作らないので、両方のいいとこ取りができて幸せでした。オム+ケチャップも美味しいけど、味に深みのあるハヤシの方が絶対に美味しいよなぁという個人の見解。
オムライスも造形として可愛いので、宮脇さんなら素敵な作品に仕上げるかもしれません。

ちなみに、日本橋の店舗は2階がより上等なレストランのようですね(今回行ったのは1階)。いつかは2階で、蟹クリームコロッケやビーフシチューを食べたいじゃがたろでした。

おしまい。

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じゃがたろ
軍資金にします!