産学官民から地域防災力の向上と防災DXを考える(@ぼうさいこくたい2023)
はじめに
JX通信社は「ぼうさいこくたい2023」において、セッション「地域防災力を向上させるために必要な取組みを産学官民の視点で考える 〜デジタルファースト宣言を行った静岡県浜松市で考える〜」を主催しました!
90名を超える皆様にご聴講いただき、誠にありがとうございました。このnoteでは、本セッションの様子を一部ご紹介できればと思います!
セッション概要
登壇者
株式会社JX通信社 公共戦略部 広兼 達也
株式会社フジヤマ 本社営業部担当部長 兼 DX推進室長 山浦 篤
常葉大学 教授 木村佐枝子
常葉大学4年 今田 悠月
浜松市 危機管理監危機管理課事業推進グループ 泉澤 佑佳
浜松の企業が手をつなぐ災害支援ネットワーク はままつnanet 事務局長 鈴木まり子
(敬称略・順不同)
セッション詳細
本セッションは、
1.それぞれの組織での地域防災力向上に係る取組事例の紹介
2.DXを活かした地域防災力向上に関するパネルディスカッション
の二部構成で実施されました!
後半のパネルディスカッションについては後日、ぼうさいこくたいの公式サイトにて動画も公開される予定なので、本noteでは割愛いたします。
1.それぞれの組織での取組事例の紹介
テーマ)地域防災力を向上させるために必要と考える視点と取組事例
まず、各登壇者より地域防災力を向上させるために必要と考える視点とそれぞれの取組事例について紹介をしていただきました。
【JX通信社:広兼】
「想定外」と言われる災害が増えてきており、想定外の影響が大きいと「復旧(元の生活に戻る)」が遅れます。
JX通信社としては「災害時における公助の強化」「災害時における自助・共助の強化」という視点で、自社サービスを提供し組み合わせながら地域防災力の向上に取り組んでいます。
【株式会社フジヤマ:山浦様】
フジヤマとしてもJX通信社の提供するFASTALERTを通してSNSの情報をすぐに確認することで今はどこに調査に行くべきかがわかり、これまでよりもかなり迅速に調査ができています。
また、SNSの情報に実際の被害現場の調査状況を併せて「PLATEAU」に重ねることで例えば「どの地域がどの程度浸水しているか」をモデリングして立体的に見ることができるようにもなっています。
【浜松市危機管理課:泉澤様】
浜松市は市の面積が高山市についで全国2位と広く、平成17年の合併もあり、80万人の人口規模があります。自然に恵まれている一方で、多くの河川が流れていることや、一般的な人口減少や高齢化も進んでいることから、公助としての発信は限界があり、自助・共助の意識を高めていくことが必要だと感じています。
令和4年台風15号の際には規定に沿って発令をしたが、近年例を見ないほど切迫した状況が長く続いていました。河川水位やキキクルなどと併せて、災害対応にかかる判断材料としてJX通信社のFASTALERTを導入しており、知りたい情報を能動的に取りに行き先手を打つ災害対応の情報としても使えるようになってきています。
【常葉大学:木村先生】
大学としては、地域貢献センターとして浜松市や社会福祉協議会などと協力して訓練を実施しています。また、地域防災力を向上させ災害時に組織的に活動するためには、平常時に、既存組織を活用したネットワークを構築する必要があると感じています。
実際に、既存の組織である学生団体を中心に、いわき市の農家さん支援プロジェクトなどに取り組んでいます。この取り組みでは、災害支援をして終わりではなく、その先の支援として、農家さんの商品を学生が仕入れて販売するといった活動をしています。
【はままつnanet:鈴木様】
実際の支援の中で、被害状況の調査として浜松市社協・災害ボランティアと連携して1件1件チャイムを鳴らしてローラー訪問することがあったのですが、もう少し効率的に被害状況がわかるといいなと思っています。
本来行政がやることでも、手が回っていないところをボランティア団体が行うケースもあります。ボランティアの支援活動にムラやムダが生じないように、自治体や自治会が・町内会の皆様が、”支援を受ける受援力”をつけることも、地域防災力の課題かなと感じています。
このあと、常葉大学四年生の今田さんを加え、地域防災力の向上についてのパネルディスカッションが行われました。
2.パネルディスカッション
テーマ)DXを活かして地域防災力を向上させるためにそれぞれの立場からどんなアクションができるか?
はままつnanetの鈴木様のファシリテートのもと、常葉大学四年生の今田さんを加え、産学官民の各者の立場にて「DXを活かした地域防災力の向上」に関するパネルディスカッションを実施しました。
聴講者の皆様からご質問もいただき、盛り上がったディスカッションとなりました。こちらの様子はぼうさいこくたい公式サイトにて後日、動画が公開されますのでお楽しみに!
セッションを見て(筆者感想)
今回のセッションを聞いて、いろいろな方々が自分自身の役割を持って災害に立ち向かっていることを筆者自身も強く実感しました!
前半の取組事例の部分では、災害時の切迫した状況で産学官民が急に連携をするというのは非常に難しく、やはり「平時からどういう連携を行うか」、「どういう関係性を作っておくか」ということが重要だなと感じました。
また、パネルディスカッションの中では、防災DXのテーマで「市として必要な情報、民間企業が必要な情報、ボランティア団体が必要な情報、市民に必要な情報」がそれぞれ異なっているという話題がありました。産学官民それぞれに必要な情報の内容や粒度、スピードが異なるので、それらをいかに迅速かつ正確に、必要な人に必要な情報を確実に届けるかを整理して適切なスキームを作ることが重要だと思います。
災害時に必要な人に必要な情報が迅速かつ適切に伝わっていくことが、自治体による公助を軽減し、住民自身の自助・共助の力を高めることにも繋がります。そしてそれは、適切な避難行動といった判断へと繋がっていきます。
JX通信社では、自社のサービスであるFASTALERTやNewsDigestを活用しながら、自治体の皆様や市民の皆様に災害情報を迅速かつ正確に提供しております。これからも、必要な人に向けて必要な情報をより迅速かつ正確に配信し続けるとともに、JX通信社の持っているビッグデータを様々な方に連携・提供することも引き続き推進していきたいと思います!
最後に
JX通信社は引き続き、”いつか必ず起こる災害”と向き合い、リスク情報の提供を通じて、自治体の皆様の地域防災力の向上、企業の皆様の事業継続やリスク対策などに貢献してまいります。
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