モデルテスト(サンプル)
財務モデルのテストの一例を紹介。
以下は投資検討を行うことを想定したモデルを作成するテストで、大昔にとあるファームで出されたかもしれないものを参考にしています。(ちなみに実際の問題文は全部英語表記...)
制限時間は課題①、②を合わせて1.5時間です。
課題①
以下の前提に基づいて財務三表を作成してください。
以下に記載のない項目については自身で自由に前提を考えて作成して下さい。
(ファイル内において、行や列の追加は自由です。)
背景
A社はX社の株式30%の取得を検討しており、あなたに投資検討用のモデル作成を依頼してきました。
2021年12月31日にX社は5,000百万円の工場(耐用年数30年)を完成させ、翌2022年1月1日から操業を開始し、2051年12月31日までの稼働を予定しています。2021年12月31日時点におけるX社の貸借対照表には固定資産5,000百万円、借入3,500百万円、資本金1,500百万円が計上されています。(現預金はなし)
前提
売上:
X社の工場では製品Xを製造しており、最大製造能力は年間100万個です。X社は製品Xの供給に関して、2022年1月1日から20年間の長期固定契約を締結しており、単価2,000円で70万個を供給・販売します。X社は残りの製品を市場価格で販売する予定であり、市場価格は2022年時点で1,500円、その後毎年2%ずつ値上がりする想定とします。契約期間満了後は残りの10年間において市場価格にて販売することを想定しています。
費用:
2021年末時点の商品Aの製造コスト(変動費)は1個当たり600円です。将来的にインフレ率1.5%で毎年コストが増加することが見込まれています。変動費の他に固定費として工場の保守と運転に人件費を含めて年間500百万円かかる予定(インフレ無し)です。
税金:
法人税は30%とし、毎期年末に確定させ、支払うこととします。
運転資本:
売掛金の回収サイトは長期固定契約分は60日、市場販売分は30日です。在庫は変動費30日分とし、固定費の支払いタームは30日毎とします。2051年12月31日時点の運転資本は0とします。
固定資産:
工場の耐用年数は30年で、定額法により減価償却します。
借入金:
借入金は2022年12月31日を初回とし、20年間の元本均等返済です。金利は固定金利2.0%で元利払いは毎年年末に発生します。
配当金:
配当は毎期末に確定・支払いが行われ、利益剰余金と分配可能現預金の範囲内で最大限行うものとします。
現預金:
X社は借入金を完済するまで最低現預金として200百万円の現預金を毎期末に維持する必要があり、借入金完済後は50百万円の現預金を維持する予定です。2051年12月31日には残余現預金の全てを株主に分配し、当該時点の現預金残高は0とする予定です。
課題②
課題①で作成したモデルに基づき、A社がX社の株式30%を750百万円で取得する場合の以下の各リターンを計算しなさい。
1. Project IRR (Free Cash Flow to Firm (FCFF) により計算)
2. Equity IRR (Free Cash Flow to Equity (FCFE) により計算)
3. Dividend IRR (配当及び最終期の処分を含む現金分配により計算)
如何でしょうか?
上記のテストをクリアできると、LBOモデルやプロファイモデルも問題なくできるようになると思います。
解答例はまた後日ご紹介したいと思います。
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