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雨女、じゃなくて小雨女。

自己紹介でこれを言わなかったらそろそろ罪になりそうです。

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まいです、ごきげんよう❀

今回は家族旅行のお話をしたいと思います。

冒頭の通り、私はどうやら小雨を振らせる力を宿しており(友人らからは「空の神様を怒らせる何かを捨てたのでは」と言われている)、この夏もやはり私が楽しみにしている用事は小雨が降っております。

前回のブログで軽くお話しした大学の友人たちとのお泊り会でもちらほらと雨粒が顔にあたり、傘をさすかささないか何とも言えない天気を招いてしまいました。

そして先日の家族旅行先、那須でも。

しかし今回は小雨ではなく雷雨だったので……私は関係なかった、としてよろしいですかね。二日間とも昼頃大雨が降り外に出られないほどでしたが、幸いどちらも昼食時だったので助かりました。

山の中の雷ってそれ自体がこだましているようで、平野で聞くのとはまったく違う音がします。響くような広がるような鈍く重たい音色が木々に吸収されながら、耳もとに届いてきます。



家族で行くのは7年ぶりとなる栃木県那須旅行。自然が多くてとても好きなのですが、土地柄、車なしではまわることが難しいためこれまで自主的に行くことはありませんでした。お盆前で道が空いていることもあり埼玉の自宅から二時間弱でついてしまいました。気になる方も多いと思うので聞かれる前にお答えしますが、車で観たのは「インサイドヘッド1」です。

今回の旅の大きな目的は、藤城清治美術館とモンキーワールドパークに行くことでした。順に紹介するので那須旅行に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

藤城清治美術館。これはその名の通り藤城清治さんが得意とする多くの影絵が展示されている常設の美術館です。子ども心や想像力を育みながら、100歳になってもなお愛と平和への祈りを込め作品を手掛けている方です。影絵の作品が光を放つボードにくっついた状態で展示されており、どれも輝きを放つ生きた作品として眼に焼き付いていきました。どれだけ近づいても切り貼りした紙の集まりとは到底思えない繊細さと色合いに、一枚一枚、息を呑むほどの感動を覚えました。

大きな作品は奥行きのある鏡で四方を囲まれ、下には水を張った状態で展示されています。鏡や水に作品が映り込み、平面では表せない円環的な世界観に浸ることが出来ました。

藤城清治さんの代表的なモチーフである「小人」と「ネコ」。あらゆる作品で時に大胆に時にひそやかに現れ、いたずらな笑みをうかべて愉快に踊っています。笑い声や鼻歌が聴こえてきそうな躍動感。これもやはり作品を写真で見るのでは伝わらない「光」の効果だと思います。

興味深かったのは、各作品についている解説です。一般的な美術館では解説者により客観的な情報や鑑賞がかかれていますが、この美術館はほとんどが藤城清治さん本人によるものでした。そして、「この作品は僕のお気に入り」「一番好き」「好きな作品なのでもう一度作り直した」といったコメントが沢山あるんです。「一番」という言葉をを何度見たかしらんと思いました。

自分の作品を本当にこよなく愛し、家族のように愛のある眼差しで見つめることができる。本当に素敵だと思いました。生みの親である自分がまず誰よりもこの作品を大切に想い、それを惜し気なく出すことが出来る。創造するうえで何よりも大切で、そしてそう容易ではないことだと思います。

藤城清治美術館。森に囲まれた、憩いの場です。

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続いてモンキーワールドパーク……那須と言ったらサファリパークじゃないの?と思われるかもしれませんが私が好きなのはもっぱらこちらです。

なんてったってリスザルやワオキツネザル、エリマキキツネザルなどと触れ合うことができるんです。

リスザルがたくさんいる部屋に入ると、たちまち肩や頭に飛び乗られ、思わずしゃがんだ膝の上でおなかを見せてころころ転がられたりします。みんな小さくて目が大きくてまさにベビーシェマ、という感じですがその中でも親指をしゃぶっている本当のベイビーもいたりして……猫カフェとかで癒される方は好きだと思います。おさるさんは遊んでもらえるのが嬉しそうなので愛くるしくてなかなか離れられません。

7年前に行ったときの写真の私は、手が最大限に伸びきっていてどうやら怯えていたようですが、今年の写真は眉がハの字になってはいるもののかなりおさるさんと触れ合えていました。大満足です。

モンキーパークではおさるさんのほかに象に会うこともできます。というか乗ることができるんです。

今回の旅では最後にサービスとして象使いさんが象を傍に連れてきてくれ、まさにtrunk、長い鼻を触ることができました。うるんだ優しい瞳と大きくぶ厚い皮膚に触れると、私の知らないいつかの大自然、皮膚のしわに刻まれた歴史が脳内に飛び込んでくる心地がしました。

何事も、観るのも良いけれど、やはり可能であれば触れることがとても大切ですね。

それまで完全に外界であったものが自分の感覚の内に染み込むことで、どこか他人事ではない気になります。まったく異なることを知りながら、遠いどこかで我々は繋がっている、という気さえしてくるのです。生きているものの体温がなにかを喚起させるのかもしれません。

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小雨女の那須旅行。

雨が降っても緑が美しいのが自然の良いところです。

この夏、どこかお出かけを考えている方はぜひ訪れてみてくださいな。

それでは。