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生ケンサンバをキメた(生でマツケンサンバを観たの意)のですよ。

某日、『大逆転!大江戸桜誉賑』(https://www.meijiza.co.jp/lineup/2023/03/)を鑑賞いたしました。舞台の内容は控えさせていただきますが28日までやっているとのこと、是非是非足を運ぶことをおすすめいたします。とにかく観てください。今すぐ明治座ホームページを開いて席とりくんでパパッとお申し込みください。諭吉2人が瀕死状態になるのは特に学生にとって血の涙を流すほどの出費ですが大丈夫、ここで使うが得しかないですよ。

それで、マツケンサンバなのですけれどもね。
最後に絶対に来ることはもちろん知っていました。しかしそれでも、いざ幕が上がりダンサーの両腕を高く挙げたシルエットが見えると興奮度が一気に上がり、神は本当に居たのだ的な感動がそこにはありました。
バァン!という音と共に煌びやかな舞台が露わになり、ピンクと金、水色と金という初見だとこれは正解なのかと疑う色の組み合わせの着物を着た男女の役者さんたちが舞台を左右に移動しながら踊り始めました。そして曲が始まってから1分7秒あたりのところで舞台が更に豪華絢爛(金)に。
想像の50倍くらいは輝いておられました。
まずお着物がね、きんきらきん…というよりかは「発光している」と表す方が近いかしら。テレビやYouTubeの所謂「液晶越し」で見るのと現実で見るのとであまりにも違っていて、実体験の有り難さを改めて実感いたしました。あまりの眩しさに老若男女問わず会場中の誰も彼もがうかれ騒ぐなか、続いて登場する檀れいさん、久本雅美さん、コロッケさん。お着物が金色で無いだけにかなり目立ち、この時点でなんとさっきまでうるさいくらい輝いていた金色が背景色と化しつつあるという恐ろしい事態が発生しました。1秒毎に舞台上の煌びやかさの基準は秒刻みで上がっていき、最後はオレ!!!!!の声と共に飛び出す金テープで会場の熱狂と煌びやかさを最高潮にした状態で終了。私はというと、いつのまにか手と手を合わせ涙を流していました。花粉じゃないです。感動の涙です。マルコポーロよ、これがジパングだ。金色って素晴らしい。

『大逆転!大江戸桜誉賑』、とにかく楽しいひとときでした。実は観てからずいぶん経つのですが未だに毎日夢に出てきています。私はこのような演劇を気軽に観るために日本に生まれてきたのかもしれない。ちなみに私は丹波貞仁さんの役が1番好きです。繰り返しますがまだ座席余裕ありそうでしたら明治座へ行ってください。頭を空にして観れますので春特有花粉の辛さや別れの悲しさもどこかへ吹っ飛びますよ。

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さてさて、今回はですね鎌倉に行った話でもしようかなと。
鎌倉文学館主催の文学散歩に参加しまして、ざっくりルートをいうと妙法寺→由井若宮→実相寺→光明寺。いわゆる材木座あたりですね。文学者ゆかりの地を文章と共に巡る、中々勉強になる文学散歩でした。そしてそのツアー自体は正午ぐらいに終わった為これを逆走。なんで行った道を戻るかって?あるじゃないですか、ツアー中にあれもっと見たい、ってやつ見つけるの。

光明寺は令和の大修理とかで、しかも行った日は門も清掃中でしたので少し残念。アカデミアの跡も程々に見て、九品寺の方向へ出ます。材木座の土手というところからは国道134と海が望めます。この国道でドライブはいいですよ、免許持ってないけど。秋谷~長者ヶ崎、あとは田越川越えてからがいいですね、夏は見るに苦しい混みようなところがありますが。
海をバックに由井若宮や芥川龍之介の旧家跡、辻薬師を経由しながら北へ北へと向かえば、やがて大町四ツ角という交差点に差し掛かります。ここには大くにという和菓子屋がありまして、ここの豆大福は甘くて安くて可愛くてとてもおすすめです。他も美味しい。この交差点を右に曲がって、「八雲神社→」とある看板のところで入り、八雲神社、ぼたもち寺の前を通ってしばらくすると幼稚園児の可愛い声が聞こえてきます。妙法寺の比企谷幼稚園です。
そうそう、妙法寺!私ここに行きたくて文学散歩申し込んだようなもので…。鎌倉、狭くも多いのでついつい行きたい場所を忘れて帰ってしまうことがあって、妙法寺はその中でも代表的な1つでした。今回半強制的に行くことで場所を認知しようと。
なぜそんなにも行きたかったのかと言いますと、妙法寺の海棠、といえば日本文学科、特に近代文学専攻の方は「あ〜」と声を上げるのではないでしょうか。小林秀雄が中原中也と一緒に眺め、川端康成が書いてるアレですアレ。文学散歩でも取り上げられていました。
最近やけに暖かいし少し咲いているかなと思っていましたが流石に多くは蕾でしたね。ですがやっぱり1部咲いているのを見つけたので皆様に春のお裾分け。

“色は桜より濃く桃より薄くて” 咲き立てだからか薄い紫はさして感じませんでしたが、確かに “日の光の加減でほのかな濃淡” があります、可愛い〜〜。古い樹皮なのでしょうか、雪が降り積もったかのようになっていてこれまた綺麗。満開になったらさぞ美しいのでしょうね。

妙法寺を出ると真っ赤な椿がところどころに落ちて彩られた道が右目の視界に入ってきました。椿に誘われるようにその先にあった階段を登ると、小さな御堂と観音様、池、祠、そして井戸がありました。あの井戸はなんだと思いつつ、これも何かの縁かとお参りさせていただきました。…後々調べてみると鎌倉時代をろくに勉強しなかったツケがここで回ってきていたことがよくわかりました。知識ってこういうところでこそ持っているか否かで楽しみようが変わるというか、何事もしっかり学んで覚えておくのに損はないですね。

鎌倉駅に戻り、小町通りの混みようにうげーと声を漏らし、通り手前のレストランで軽く腹ごしらえした後、再び歩いて向かうは鎌倉文学館。ご存じの方も多いとは思いますが、ここ今月27日で休館するんですよ、4年間。私が坪内逍遥を始め多くの作家を知ったのはここの展示でしたので社会人になるまで行けないのは正直悲しい…。
文学館では今、『鎌倉文学年表 古典編』という収蔵品展をやっておりまして、今なら万葉集から近世、常設展のものを合わせて現代までの、「文学上の鎌倉」を学べます。これも26日までなので是非。
また、バレンタインホワイトデー企画として毎年お馴染み「文豪の愛の言葉おみくじ」(〜3/14)が入り口入ってすぐのショップ内にございまして、私も引きました。無料ですし。
黒いボタンを押すと中に入っている12面サイコロが回る仕組みの箱(?)があって、出た目の番号をショップ店員さんに見せると、その番号がついたおみくじを貰えます。
店員さんに気合いを入れて押しましょう!!と言われ、見守られながら出た目は3。肝心の内容はというと……

恋愛は一度で懲りたら駄目です  久米正雄

そ、そうなのか〜〜
まだまだ恋愛とは程遠い身ですが、いずれこの言葉を思い出すようなことがある…の…かも……

文学館のお庭は薔薇を中心に有名で、以前薔薇のシーズンに行った時にはカメラのカシャカシャ音が多く聞こえましたが、今の時期は椿とスノーフレーク、クリスマスローズが木陰でひっそりといるだけで、時間帯もあったのかもしれませんが映えだのなんだのとは程遠くまだ冬の気配残る静かな場所となっておりました。
行ったことある方はお分かりかと存じますが、もちろんここからも海が見えるのですよ。
相模湾については都会から多くの人が来て渋滞するわハワイの海とかと比べると汚ねえなと思ってしまうわトンビは食べ物を奪うわ最近では海と南国風の木が映えるとかで道の真ん中で撮影を始める輩がいるわ文句がついつい出てしまうことも多いのですが不思議ですよね、幼いころ慣れ親しんだ海ほど見てホッとするものはありません。とは言え海は好きじゃないので海に入ろうとは思いません、こうして少し遠くから見るに限りますが…
4年後にまたこの場所で穏やかな海が見れますように。

また今回も長くなってしまいました。あれもこれもそれもどれも話したくて仕方なく、これでもかなり削った方だったり。ちょっとした旅の思い出っていいですよね、いくらでも話せる。これから先、私のブログはこういった記録が多くなるかもしれません。知識は浅いし文章力はないからその土地の魅力を全て伝えきるような文章は書けませんが、しばらく思い出話にお付き合いいただければ嬉しいです。