「百億の昼と千億の夜」そのしじまにこそ。
人生観のコア、といっても大げさだと思わない。数年に一度は読み返し、再発見をしながら、ますますその思いは強くなる一方だ。
百億の昼と千億の夜著者: 光瀬 龍出版社:早川書房
発行年:1973
「百億の昼と千億の夜」―このタイトルをつぶやくだけで、ぼくは自分の根底を再確認する。
初めて読んだ中学生の自分が、どれだけこの小説を理解できていたか、まったく自信はない。
しかし、読みふけっている最中ぼくのなかには、それまで味わったことのない浮遊感が膨らみ続け、ページをめく