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NASM OPT™モデルを活用した減量法



リック・リチェイ, MS
 NASM-CPT, CES, PES, MMACS, NASMマスターインストラクター

 減量を望むクライアントには、NASM OPT™(Optimum Performance Training)モデルを効果的に活用することができます。

 ジョーダンというクライアントがいるとしましょう。彼女は50代後半で、あらゆる種類のダイエットや様々なワークアウトを試みてきましたが、減量に成功してもリバウンドしてしまいます。あなたはNASM OPT™モデルが効果的だと感じていますが、最初のセッションで提案しても、ジョーダンは満足しないのではないかと感じています。

 残念ながら、多くの減量中のクライアント(そして彼らを指導するフィットネス専門家)は、「なぜアセスメント、自己筋膜リリース、柔軟性トレーニング、コレクティブ・エクササイズなどに時間を割かなければならないのか?」と疑問に思っています。これらは、脂肪やエネルギーを大量に燃焼させるものではないため、減量が目的の場合、その価値はすぐには分かりません。

 しかし、優れたトレーナーやオンラインの減量を専門とするコーチとは、クライアントに大量のカロリーを燃焼させる指導者ではなく、クライアントがより安全に、効果的に、そして効率的に目標を達成できるようにサポートするスキルを持つ指導者だと定義できるでしょう。



 NASM OPT™モデルは、まさにそのために設計されています。つまり、1つの目的と結果に過度に集中しているクライアントであっても、モデルの進行とガイドラインのすべてに従うことが望ましい、ということです。

■クリエイティブなプログラミングで脂肪を最大限に減らす

 トレーニングセッションでより多くのカロリーを消費するための最も簡単な方法は、クライアント自身が筋膜リリース、ストレッチ、筋肉の活性化を行えるように指導することです。そうすれば、トレーナーとクライアントがジムで一緒に行うセッション60分間の全てをエクササイズに当てることができます。

 しかし、身体的な制限や時間的な制約、あるいはクライアントが約束を守らない、などの理由により、すべてのクライアントにとってこれが可能とは限りません。このような場合には、セッション中の代謝を高めるために重要な "プラスアルファ "の時間を十分に確保できる簡単な方法があります。

 ウォームアップ10分、ワークアウト40分、クールダウン10分で構成された60分間のフェーズ1 スタビライズ・エンデュランス・トレーニングで、脂肪の減少を最大化するためにはどのような方法があるかを見てみましょう。

① サーキットの1秒を大切に

 各セットの後に休息を設けることは一般的な方法ですが、この方法は限られた時間内ではトレーニングや代謝要求の総量が制限されてしまいます。サーキットトレーニングでは、あらかじめ設定した一連のエクササイズが終了するまで休息時間を制限することで、セッション全体の休息時間を短縮することができます。

 サーキットトレーニングは、比較的短い時間で行うことができ、なおかつ優れた効果を得ることができます。ある研究者は、わずか11分で代謝効果とエネルギー消費量を増加させるレジスタンストレーニングプログラムを考案しました。

 この短い時間(11分!)でも、エネルギー消費量の増加は体組成に良い影響を与えます。レジスタンストレーニングを11分に制限することを勧めたいわけではありませんが、例えば時間を3倍、4倍にしても、アセスメント、フォームローラー、ストレッチ、コア、バランスなど、エクササイズプログラムの他の要素のための時間を作ることができます。

② サーキットはカロリー消費量が多い

 ここで計算してみましょう。フェーズ1のスタビライゼーション・エンデュランス・トレーニングでは、ゆっくりとしたテンポ(4/2/1)で行われるため、1レップは7秒くらいです。レップ数は12~20回なので、1セットの合計時間は84~140秒となります。換算すると 20レップのエクササイズを1回行うと、約2.5分の連続レジスタンストレーニングに相当します。

 一般的なバーティカル・ロード・サーキットでは、休息の前に、全身、胸、背中、肩、脚といった種類のエクササイズを行います。これら5つのエクササイズを4/2/1のテンポで20レップスずつ行うと、合計700秒(11分40秒)のエクササイズになります。

 このシリーズを3回行うと、35分になります。それにエクササイズを切り替える際の数秒間の「トランジッション」と呼ばれる休息を含めても、25分近くを他の活動に充てることができます。

③ 短時間のカーディオ・バーストで燃焼を促進

 代謝をさらに高めたい場合は、筋力トレーニングの各セットの最後に60秒の有酸素運動を行うとよいでしょう。60秒のカーディオを加えることで、代謝消費量が増え、運動強度が高まり、ワークアウト中の心拍数の上昇が期待できます。しかも、サーキット全体の時間はわずか5分しか増えません。

 このカーディオを追加したサーキットを3セット行う40分間のトレーニングは、すべてのクライアントにとって非常にチャレンジングな内容ですが、前後に10分間のウォーミングアップとクールダウンの時間も確保できます。

 また、NASM OPTモデルで必要とされるレジスタンスのテンポもそのまま維持できます。以下のワークアウトのサンプルで、実際にどのような効果が得られるかを確認できます。

■クライアントの安全を考慮しながら減量プログラムを指導する

 NASM OPTモデルは、体の一部分だけでなく、体全体を細かく調整できるように設計されたスマートなシステムなので、クライアントは安全に減量しながらカロリー消費以上の効果を得ることができます。

(例)フェーズ1:スタビライゼーション・エンデュランス・サーキットと短いカーディオ・バースト

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 このサーキットでは、スタビライゼーション、エンデュランス、メタボリックのすべての面で成果を上げることができます。クライアントには各セットでは疲労を感じるまで行ってもらうことを忘れないでください。

 この疲労感はクライアントが判断する(クライアント自身が「ここで止めよう」と判断する)こともできますし、指導者が客観的に判断する(クライアントが代償動作なしでこれ以上エクササイズを続けることができないと判断する)こともできます。

 このプログラムでは、60分のセッションのうち20分をウォーミングアップとクールダウンに分けて行うことができることを覚えておきましょう。

■迷信を覆す:脂肪燃焼と運動強度

 減量中のクライアントは、どのような方法が効果的か(あるいは効果的でないか)について、先入観をもちあるいは誤解していることがよくあります。NASMでは、数々の迷信とそれに対する科学的根拠についての洞察を行っています。

 一例として"低強度で運動しないと、脂肪が燃焼しない" というものがあります。これは真実が歪められています。低強度の運動では、燃料源としての脂肪の割合が高くなります。しかし、これはそもそも高強度の運動はエネルギー消費量が多く、同じ時間のトレーニングではトータルの脂肪消費量は上回ります。次の表は、これらの関係をわかりやすく示しています。

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 ある研究では、8人の肥満の男性が30分の高強度のサーキットトレーニングを週3回、4週間行いました(運動時間の合計は6時間)。HICTの前後のデータ分析によると、調査期間中に脂肪組織の割合が3.6%減少したほか、安静時心拍数、収縮期血圧、コレステロール、インスリンなどの指標も減少したことが明らかになりました。

 このワークアウトとNASM OPT™モデルのフェーズ1のワークアウトとの大きな違いは、被験者の運動のテンポが可能な限り速かったことです。これを考慮すると、スローテンポのレジスタンストレーニングを続けながら、強度などを変化させるなどプログラミングを工夫することで、代謝要求を高めることができます。

NASMブログ記事より
https://blog.nasm.org/using-the-nasm-opt-model-for-weight-loss

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