バンコクなどのPM2.5濃度の高い空気を吸い続ける脳へのタメージは？
PM2.5（微小粒子状物質）は、健康に深刻な影響を与えることが知られており、脳への影響もその一つです。以下は、PM2.5による脳への主な影響とリスクについての研究結果です。
1. 脳卒中リスクの増加 長期的に高濃度のPM2.5に曝露されると、脳卒中（虚血性および出血性）のリスクが大幅に増加します。特に、PM2.5濃度が10µg/m³増加するごとに、脳卒中リスクが13％、虚血性脳卒中リスクが20％増加するというデータが報告されています。このリスクは、濃度が高まるにつれて直線的に上昇することが確認されています。
2. 脳内炎症と神経系への影響 PM2.5には多環芳香族炭化水素（PAHs）などの成分が含まれ、吸入すると脳で炎症を引き起こします。この炎症は神経細胞の損傷を促進し、脳梗塞の予後を悪化させる可能性があります。また、認知機能の低下やアルツハイマー病などの神経変性疾患との関連も示唆されています。
3. 高濃度PM2.5地域での影響 一部の研究では、PM2.5の濃度がWHO推奨値以下であっても、長期曝露により脳卒中リスクや神経機能への影響が増大することが示されています。このことから、どのような濃度でも安全とは言い難いことがわかります。
対策- PM2.5濃度の高い地域では、空気清浄機の使用や外出時のマスク着用が推奨されます。
- 室内での換気を適切に行い、外気の取り入れを制限することも効果的です。
- 公共政策として、汚染源削減や緑化の推進も重要です。
- 喫煙者がいれば禁煙をお願いする。
PM2.5の影響を最小限に抑えるためには、日常生活での注意と環境改善の両方が必要です。
観光などでバンコクに来る方はPM2.5対応のマスクを持参して外を歩く場合や狭い室内などで飲酒をする場合はマスク装着をお勧めします。
参考情報：大気汚染がアルツハイマー病などの認知症につながる可能性 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20170202-air-pollution-lead-dementia/