
屋台で熱々のおでんを食べながら聴きたい曲【SideB】
FMラジオ局 J-WAVEによる大学生・専門学生コミュニティ「WACODES」。
WACODESメンバーがシチュエーションに合わせて選曲し、プレイリストを作るこの企画。音楽やカルチャーが好きなWACODESの選んだ音楽が、日常の名もなき瞬間を彩ります。
今回のシチュエーションは
「 屋台で熱々のおでんを食べながら聴きたい曲」
シチュエーションに合わせたエッセイとWACODESによる選曲理由を合わせてご紹介します。
〈年明け〉
年が明けて、いろいろなことが起こりすぎた1ヶ月。
元日の夜、関東に住んでいる身で言えた話でないのは分かっているけれど、やはり地震のニュースを見続けるのは気が滅入ってしまった。
ひっきりなしに入ってくる緊急地震速報、日本地図が嫌な色に縁取られる津波警報、燃え続ける街の映像。このまま見続けたら心がどうかしてしまう。
「初詣に行ってくる」と理由をつけて、たまらず散歩に出かけた。
外は思ったほど寒くはなかった。
10分くらい歩いて、地元で一番大きな神社に向かう。
元日の昼間なら並ばないとお参りできないところも、夜になると人はまばらで、閉店後の屋台や弱火で焚かれるお札を横目に、あっという間に本殿に着いてしまった。
いつからか、神社でお参りするときに願い事を考えなくなった。
年始の時だけ都合よく現れて、翌日には忘れるような願い事を唱える自分を客観視したときに、あまりにも不誠実だと感じてしまったのだ。
だから最近は具体的な願い事は決めず、儀礼的に手を合わせた後は「お疲れ様です、よろしくっす」というようなことだけ神様に伝えている。
イメージは緩めの運動部の先輩に対する挨拶。
「鳥居をくぐるときは一礼しなければいけない」みたいなマナーをネットで見た気もするけど、ネットからのソースしか知らないので、これもとりあえず不採用。
不敬かもしれないが、これくらいが私にとってはちょうどいい。
存外早く参拝が済んでしまったので、行きとは違う道で帰る。
この辺の道には詳しくないけど、なんとなくの方向に。
狭い歩道を進みながら、去年の暮れに知ったアルバムを流す。
イントロが流れる。声が聞こえ、音が重なる。
冷えて澄んだ空気が頬に当たり、白い息が見える。
いつもより、歌詞がくっきりと聞き取れる。
これはきっとノイズキャンセリングだけじゃない。
作り手の、祈りにも似た切実さが迫ってくる。
あまり知らない道のうえで、ふと人間の力を超えたものを想像する。
こんな時に神聖さを感じてしまう自分が可笑しい。
でも、それも案外悪くない気がした。
心に溜まった重しを外していくように、深く息を吸って、吐く。
冷たい空気で鼻の中が少し痛いけど、さっきよりも気分がいい。
暫く進むと、夜道の右側に煌々と光るコンビニが見えてきた。
家に帰る前に、何か温かいものを買ってもいいかもしれない。
書いた人:けい(8期)
ひとこと:「冬のお腹の中にいる日々が続いております。お元気でしょうか。」という吉澤嘉代子さんの時候の挨拶が大好きです。
みなさん、お元気でしょうか。私は元気です。
〈選曲理由〉
・POKKA POKKA/Fishmans
あったまりましょう
by ゆうしょう
・おでん/U-zhaan,環ROY,鎮座DOPENESS
昔から好きな曲です!これしかないっしょと思い選曲しました🍢ちくわぶ食べたくなりました🍢
by Chisato
小さい頃にあの容器の中で具材たちはどんな関係性なんだろうとか考えていたことが共感できるから。
by かっか
安直だから皆んなとかぶるかなと思ったけど、これしか思い浮かばない!MVも好きです
by チャッカ
・いい湯だな(ビバノン・ロック)/ザ・ドリフターズ
おでんの後は温泉で決まりです。
by にゃんこ
・RONDO/KID FRESINO
おでん食べながらこの曲はカッコ良すぎる。食べてるものと、聞いてるもののギャップにやられて無双しよう🔥🔥
by しゃー
・都会/大貫妙子
屋台といえば仕事帰りのサラリーマン、サラリーマンといえば都会の喧騒溢れるあの感じ。その中でもなんだか「自分」を感じさせてくれる曲です。
by まりーん
・Happiness/AI
昔聴いていた邦楽を聴きながらおでんを食べるのがすごくいいなと思い、私の中で少し懐かしい曲と言ったらこの曲だったのでHappiness を選曲しました。
by りん
・白い冬/ふきのとう
おでん=渋いフォークソングなイメージがある
by 4210
・おまえも/安部勇磨
ゆるゆると、ほくほくと。
by けい