【PT11-5】PTフィラデルフィア+直近イベントレポート+緑単解説
お久しぶりです。JVです。
直近はPTフィラデルフィア11-5でチェインしたり、チャンピオンズカップファイナル横浜で5-5だったり、プレミアム予選4回出て権利獲得したりしていました。
今回はそれらのイベントを振り返り、最後にパイオニアで使用した【緑単】のリスト解説をしたいと思います。
チャンピオンズカップファイナル横浜
日程としては順番が前後しますが、チャンピオンズカップ横浜から振り返っていきます。
チャンピオンズカップファイナル横浜はPTの2週間後でフォーマットもスタンダード。大会のバリューが準優勝までの世界選手権狙いということで注力する気力もあまり出ず(次回チャンピオンズカップファイナルの権利が出ることは会場で知りました)、帰国した週の土日はダウンしていたこともあり、ほぼ練習ができていませんでした。
環境も良く理解していないため、コンバットだけで何とかしようと思い青白兵士のリストを拾ってきて適当に組み合わせました。
ラダー3回ほど回して《ヨーティアの前線兵》は入れない、《スレイベンの守護者、サリア》4枚とることだけは決めました。あとは脳内で【グリクシスミッド】【アトラクサ】【エスパーレジェンド】【白単】とのマッチアップでのサイド入れ替えを考慮した結果、上記の通りに。
ファイナルではアグロなんかいないでしょうと《ランタンのきらめき》は1枚も取らずにサブミットしました。(持っていなかっただけともいう)
実際のところは赤単3番手と思っていた状況と大きく異なっていました。
赤単に対しては不利だろうと思っていたので、あまりよろしくはないメタゲームです。
1日目の成績は以下の通りです。
【DAY1】4-3
R1:4Cスローグルク 2-0
R2:赤単 0-2
R3:グリクシスミッド 2-1
R4:ラクドスアトラクサ 2-1
R5:セレズニア毒性 2-0 (松浦さん)
R6:ラクドスアトラクサ 1-2
R7:セレズニア毒性 1-2 (斉藤徹さん)
ラウンド5でPTTOP8の松浦さんとのマッチアップでプレイミス。
《ふくれた汚染者》に対して《皇国の地、永岩城》を構えていた時に《殺戮の歌い手》をプレイされ、頭の中で勝手にサイズが5/5となってしまいクリーチャーでブロック後に《皇国の地、永岩城》を起動するというプレイを取りました。
《殺戮の歌い手》のアタック誘発時に《皇国の地、永岩城》を起動すれば良かったのですが、紙でのプレイであるが故に気付きませんでした。
今回のはオンラインであれば、勝手にスタックが誘発に乗って間違いなく気付くパターンです。
コロナ期間が明け、紙でのプレイが戻ってきたここ1年ですが、その時から意識的に自分の中で変化させている部分があります。
それはオンラインイベントのためにオンラインでプレイしているのか、紙でのプレイに向けてオンラインでプレイしているのかを意識して練習することです。
自分は脳のリソースは有限なため、MTGのプレイにおいて意識的に注力できる部分は限定的だと思っています。極論を言えば、上記の《殺戮の歌い手》についてオンラインでは勝手に誘発するタイミングで気付く意識レベルの割き方で問題なく、むしろそこに意識を割かずに他のプレイの精度を上げる方が最適であるとさえ言えます。
一方、紙でのプレイにおいてはシャッフルや盤面整理で脳のリソースを持っていかれますし、オンラインでの補助輪付きでプレイしている部分への意識を多く割かざるを得ません。オンラインでの練習時点で、紙でのプレイで意識を多く割く必要のある部分を見定めておき、意識配分をコントロールできるように努力しています。
例えばオンラインで「何か誘発した!」ってなっているところは全て紙だと誘発忘れになってしまうため、発生した以降は同様のことに対して意識レベルを上げるようにします。
今回のプレイミスについては、スタン練習不足と【セレズニアポイズン】が新規デッキだった側面が大きいですが、練習段階で減らせるように努力しておきたいですね。
ラウンド7でTeam UNITEの斉藤徹さんとマッチング。
9:08~の斉藤徹さんへのインタビューでその試合について触れられています。インタビューの中で言及されているゲームは取れましたが、マッチでは1-2で負けています。
その時の盤面は《這い回る合唱者》×2、《離反ダニ、スクレルヴ》、ダニトークン×2でこちらは《徴兵士官》、《包囲の古参兵》含む兵士が5体くらい並んでいる状況。相手には白マナ発生がダメランしかなく、ペイライフで多少ライフが削れていて、こちらは7毒まで達していました。アタックしても《這い回る合唱者》でチャンプされますが、兵士1体でアタックにも少しリスクはあるものの相手にブロック不可があるため、そのままエンドする方がリスクと感じ、ブロッカー削る目的で兵士1体だけでアタック。結果こちらの返しアタックを考慮させ《離反ダニ、スクレルヴ》の起動を縛れて、詰め切ることができました。
【セレズニアポイズン】には《聖戦士の奇襲兵》を含め多くのディッチャを取っているため、有利そうでしたがうまくプレイされてマッチは負けでした。
4勝3敗ながらもオポは高く、51位で2日目進出です。
2日目の成績は
【DAY】1-2 DROP
R8:グリクシスミッド 2-0
R9:赤単 0-2 (加茂さん)
R10:青白兵士 0-2 (AtoZさん)
とアグロ軽視を咎められて最終成績5-5でDROPでした。
今回、自分的には練習できていなく2日目行っただけでも良しといえるレベルでしたが、PT参加者でも上位入賞されている方々もおり、短い準備期間でも結果を残せるのはマジック本当に強いなと思いました。
プレミアム予選
PTでチェインし、次回PTの権利は手に入れたものの横浜でサイクル3ファイナルの権利は取れなかったため、すぐさまプレミアム予選行脚が始まります。【緑単】使用して
3/11 晴れる屋静岡店 1-2
3/12 晴れる屋名古屋店 0-2
3/18 ミント三宮店 2-3
と振るいませんが、感触が悪いわけではないので、風が吹くのを待つことにします。
3/19の晴れる屋三宮店で
R1:ロータス 2-1
R2:パルへリオン 2-1
R3:ロータス 2-0
R4:ネオフォームアトラクサ 2-1
R5:ID
R6:ID
の4-0-2でSE進出。
SE1:パルへリオン 2-1
SE2:緑単 2-1
でファイナル権利獲得。
マッチアップもあまり不利なところは踏まずに勝利。
最後の緑単ミラーは対戦相手のデッキが分かっていたのもあり、Game1とGame3で土地1マナクリ複数で土地引けばぶん回りハンドキープしました。しかし土地引けず×2だったものの両方なんとか捲り返して勝ちでした。
特にGame1は最後《収穫祭の襲撃》が連鎖するもサイドのコンボ要素減らしているリストのため、無限まで行けない盤面に。自分の残りライフ5で相手にクリーチャー展開されているため、《大いなる創造者、カーン》×2で《鎖のヴェール》・《街並みの地ならし屋》・《石の脳》(カーン指定)・《真髄の針》(ハイドラの巣指定)で《耐え抜くもの、母聖樹》以外であれば概ね耐えられる展開にしました。返しトップ《収穫祭の襲撃》で若干怪しくなりましたが連鎖せず勝ちました。
これで2022-2023シーズンのファイナル権利は全部プレミアム予選で獲得。権利獲得までに参加したプレミアム予選の回数は
サイクル1:7回
サイクル2:2回
サイクル3:4回
でした。サイクル1くらいは全力で頑張ろうと思っていましたが、PT権利を取ったことでサイクル3のバリューも上がり最後まで走ることとなりました。毎回それなりに早めに権利取れていて運が良かったと思います。
プロツアーフィラデルフィア
事前調整
チャンピオンズカップファイナル名古屋(という名の常滑)で緑単8-4の20位で繰り下がり権利を獲得したプロツアーフィラデルフィア。
有難くもチーム調整に誘っていただき、PT参加者8名+サポートの体制で臨むことに。
事前調整の内容については調整メンバーの曳山さんが記事を公開されているので、そちらを読んでみてください。
自分としては、【緑単】をいつでも使える保険として持っておき、「ファイレクシア:完全なる統一」発売以前にはサーバー内リーグを含めて【白単】【バントスピリット】【ロータスコンボ】【エニグマ】等を回して感触を確かめていました。
「ファイレクシア:完全なる統一」発売直後はチームでリアルドラフトをするということで、チーム内で唯一関東圏でない自分は岐阜から関東まで参加しに行きました。8ドラはなかなかできる機会がなく、大変有難かったです。ドラフトについては、チームメンバーであるテルテルさんがたいむましんさんで記事を書いているので、そちらもどうぞ。
ドラフト会が終わった時点で出発まで1週間ちょっと。パイオニア調整とドラフトを詰めようとなるのですが、正直あまり時間が取れず…。パイオニアに新セットがそこまで影響を与えておらず、新デッキも出てきていないため、持ち駒の【緑単】をサブミット。リストについては後述します。
DAY1 ドラフトラウンド
卓の座り位置は高橋さんの上家。1パック目は赤中心に取りたいと思いつつ、パック内の強い各色のカードをピック。6か7手目あたりで《ギタクシア派の猛禽》が流れてきており、青いカードを意識することに。
2パック目は高橋さんの記事でも触れられている通り、流れてきた2-3《謎のゴライアス、オヴィカ》、《血清核のキマイラ》×3をすべてキャッチしていました。
R1はHareruyaProsのMarcio Carvalhoさんの赤白装備。プロツアー初戦ということもあり終始フワフワしていて、相手の回りも良くなさそうでしたが敗北を喫します。
R2は3色のあまりまとまりのなさそうなデッキで何とか勝利。
R3は緑白毒性でGame1は先手2Tに《スクレルヴの巣》を置かれ負け。Game2は2Tにカウンターを構えているふりで2T目に《スクレルヴの巣》を置かせないことに成功し、3T以降はテンポよく展開することで、《スクレルヴの巣》をあまり機能させずに勝利。
Game3は《スクレルヴの巣》を置かれなかったもののクリーチャーにジャイグロを打たれているだけで青赤では受けきれず、負け。
1-2となりました。
青赤は弱いアーキと理解していましたが、あれだけカードが流れてくる位置で他に行ける気もせず…難しいところです。
DAY1 構築ラウンド
R4:緑単 1-2
R5:グルール機体 2-1
R6:青白コン 2-0
R7:エニグマ 2-1
R8:グルール機体 2-0
構築初戦を落とし、1-3でかなりまずいところまで来ましたが、残り4-0で終え、5-3として初日突破!
DAY2 ドラフトラウンド
初手《呪い金の斬撃》からスタートしていたところ、1-3で《大変成家、アンクタス》が、1-4で《純潔の監視者、マルカトール》と《頭足類の歩哨》両方残ったパックが流れてきました。
レアからいくと青白ファクトへいきたいところですが、1-5や6で《頭足類の歩哨》が流れてきたらどう考えても青白ファクトをやっていないシグナルと受け取られてしまいます。青白被りは避けたかったので、2マナのアーティファクトクリーチャーから《大変成家、アンクタス》の動きをイメージした青赤路線に。どうやら下家あたりで青白ファクトをやっていそうで返しはアーキのカードはほとんど流れてこない状態。
3-1で《尋問のドミヌス、テクータル》が出る僥倖で何とかなりそうな感じ。
R9は負け。R10は勝ちで迎えたR11。赤緑との対決で1本づつ取り合ったGame3。最初は押し込まれライフ残り数点になるも相手はフラッド気味、こちらはスクライとルーティングで何とかカードをかき集め持ち直します。最後は延長4T目、ライブラリー残り1枚まで引き込んで《尋問のドミヌス、テクータル》と《かき鳴らし鳥》でライフを落とし、スクライで見えていた《電位の負荷》×2を本体に撃ち込んで勝利。ほぼ常に《竜翼の滑空者》を引かれていたら負けでしたが、最後まで見えず。2-1でドラフトラウンドを終えます。
DAY2 構築ラウンド
R12:青白コン 2-1
R13:独創力コンボ 2-1
R14:青白スピリット 0-2
R15:白日オムナス 2-0
R16:青白コン 2-0 (高橋さん)
青白スピリットというどうしようもないマッチでTOP8の芽はなくなるも他のマッチは勝利。
最後は高橋さんの青白コンがマリガンしているところ、こちらは回って勝利。構築8-2を達成し、全体11-5でプロツアーチェインしました!!
良かった点・課題
自分は他カードゲームから競技MTGに参入し、かなり早い段階でプロツアー継続出場(に値する実力をつけること)を目標にプレイしてきました。その頃のプロツアーは今回復活したプロツアーと同様ドラフト+構築であり、そのためにオンライン上ではありますがリミテッドも積極的にプレイしてきました。しかしドラフトは3-3と課題も見える結果となりました。それも含めて目標に向けた課題と良かった点挙げていきたいと思います。
良かった点
・自分の立ち位置を測りにいけたこと
目標を達成するためには自分がどのくらいのレベルにあるのか、足りていない部分はどこかを正確に把握し改善していく必要があります。
今回、プロツアー前にパイオニア禁止改定がなく【緑単】を持ち込むことができました。自分がやりこんでスペシャリストといえるレベルのデッキがあれば、今回のようにプロツアーでも通用するということが分かったのは大きな収穫でした。
反面、やはりドラフトについては意識して取り組んできてはいたものの不足する部分があることは否めなかったです。
課題
・ドラフトの練度
ピック、コンバットに関してはまだましかなと思うもののリミテでの細かいプレイが下手だという点は思い知らされました。特に今回のリミテの場合、《ギタクシア派の猛禽》をどこまで起動するか、《タミヨウの固定器》の使いどころ等が上手くなかったと感じました。チームメンバーのテルテルさんとは練習で対戦する機会が多くありましたが、リミテでのプレイも上手かったです。構築のプレイが上手いのは知っていましたが、単にマジックのプレイが上手いと改めて分かりました。
・短期間での構築戦
今回、直前にあまりマジックにコミットできなくとも長期間練習してきたパイオニア【緑単】というデッキがあったことはかなり上振れた事象でした。次回プロツアーでは構築はスタンダード。新セット発売から3週間ほどのタイミングです。今回新カードをほとんど試せていなかったですが、スタンでは新カードが間違いなく環境に影響を与えます。もちろんできる限り取り組むつもりですが、どう取り組むかを考え、スタンで自分はプロツアーで通用するのかを測りにいくことになると思います。
・体調管理
不慣れな海外の中、今回は体調を崩してしまいました。DAY2は何とか耐えていましたが、チェインしなかったときのPTQにはおそらく出られていません。少なくとも次回は海外でプロツアーに出ることになるので、体調管理ができるように色々準備したいと思います。
今回調整を一緒に行ってくれたメンバーには感謝です。プロツアーに挑戦するにあたって複数人で調整できるかは雲泥の差です。本当にありがとうございました。
緑単リスト解説
おまけのような感じにはなりますが、プロツアー・プレミアム予選で使用した緑単について解説します。
大まかな点については少し前の環境ですが、前回の記事をみていただければと思います。(https://note.com/jv_7777/n/n5b1daacc97b0)
前提として以前の記事の段階よりも、【ラクドスミッド】は《苦難の影》《絶滅の契機》、【青白コン】は《魂の仕切り》《軍備放棄》でより【緑単】に強く出れる構成になっています。この2つは環境に占めるシェアも高いことから【緑単】としてもフリースロットは両方に強いカードにしたいという思いがあります。サイドがウィッシュで埋まることからGame2以降から入れ替えもほとんどできないという点も拍車をかけます。
メイン:フリースロット
《龍神、ニコル・ボーラス》
《苦難の影》に触ることができ、《絶滅の契機》《告別》に巻き込まれず、継続的なアドバンテージをもたらします。
【緑単】に対し、《真髄の針》で《大いなる創造者、カーン》を止めるという対策が一般的となった今ウィッシュを持ってくる役割も大きくなり、フリースロットとはいえ、60枚から外すことはないだろうと思える枠です。
また、【緑単】ミラーの公開性の場合、互いに入っているかどうかで《大いなる創造者、カーン》から《真髄の針》でカーン指定をするかどうかに大きな影響を与えます。
《領事の旗艦、スカイソブリン》
《苦難の影》を除去できる可能性が高く、《絶滅の契機》に巻き込まれません。ラクドスミッド】にすこぶる強いカードです。【青白コン】にもPWにダメージを飛ばせるため、インパクトがあります。
《世界を揺るがす者、ニッサ》
5マナ過多から一旦抜けかけたものの結局戻ってきたカード。【青白コン】に非常に強く、偶数クリーチャーを並べるため《絶滅の契機》にもやや耐性があります。
《耐え抜くもの、母聖樹》
以前は1枚採用でしたが、2枚に増量されました。理由としては【エニグマ】が増えたこと、《真髄の針》での対策が一般化してきたことが挙げられます。
メイン:不採用
《日没を遅らせる者、テフェリー》
無限コンボ条件を大幅に軽減するカード。《龍神、ニコル・ボーラス》は絶対採用したい中で、2枚目の色の合わないPWは許容できませんでした。
《恋煩いの野獣》
【白単】【グルール機体】に強いカード。《ビヒモスを招く者、キオーラ》でカードも引けます。《絶滅の契機》に巻き込まれること、【青白コン】に強くない点から採用されませんでした。
サイド:採用
《機能不全ダニ》
ディッチャの便利カード。よく割るのは《一時的封鎖》、《アクロス戦争》、各種機体、《創案の火》、《奇怪な具現》、《狼柳の安息所》etc.
【白単】相手に無色ブロッカーとして持ってくることもあります。
相手の《大いなる創造者、カーン》で止まる点は注意。
《街並みの地ならし屋》
《隕石ゴーレム》が超強くなって帰ってきました。充分フィニッシャーをこなせるスペックになっています。パーマネント破壊は何故か唱えた時なので、カウンターされても破壊できます。《大いなる創造者、カーン》が場にいるときがほとんどなので、相手に与えるパワーストーンも概ね起動できません。
《ビヒモスを招く者、キオーラ》が《力線の束縛》で取られている場合、キオーラが場に戻ってから戦場に出るため、カードは引けます。
《異形化するワンド》
以前はほぼ対【イゼットフェニックス】用のカードでしたが、環境にこれで破壊したいクリーチャーが増えました。対象は《黙示録、シェオルドレッド》《機械の母、エリシュ・ノーン》【ネオフォーム】の各種クリーチャー。【ネオフォーム】は先にパワー4のクリーチャーを破壊することで《頑固な否認》の条件を満たさなくなるので、忘れずに。
一応、自分のクリーチャーを対象として破壊して雄牛を出すこともできます。
《勢団の銀行破り》
元々無限コンボの黒マナ発生源として採用されることがありましたが、《石の脳》で黒マナ不要となったものの【青白コン】に強く軽いカードとして採用。《大いなる創造者、カーン》が通った後に持ってきて、ほぼマスカンでさらに2アクションを起こしやすくなります。
《石の脳》
基本は対コンボ用。使用後は追放領域に飛ぶため、《大いなる創造者、カーン》で回収でき、無限コンボ時には相手のライブラリーを吹き飛ばし、最後に相手の手札を飛ばすことでそのターン中に勝つ勝ち手段にもなります。
主に持ってくるのは、
対【独創力コンボ】(メインは《世界棘のワーム》、サイド後は《不屈の独創力》)
対【緑単】(ほぼ《大いなる創造者、カーン》)
対【ネオフォーム】(《偉大なる統一者、アトラクサ》)
対【青白】(勝ち手段、大体《ドミナリアの英雄、テフェリー》)
対【ロータス】(場に出てなければ《睡蓮の原野》、そうでなければ《首謀者の収得》《見えざる糸》《出現の根本原理》)
その他のマッチアップでも持ってくることがたまにあるので、検討から抜けないようにしましょう。
対【ロータス】ではサイドに入ったことの影響が大きく、《大いなる創造者、カーン》を着地させると、《睡蓮の原野》をプレイしなければ《石の脳》で抜かれ、《睡蓮の原野》をプレイすると《減衰球》に嵌められるというダブルバインドがよく発生するようになりました。
対【緑単】ミラーにおいても《大いなる創造者、カーン》を抜けば、無限コンボが消え以前までのこのマッチアップの焦点であった《大いなる創造者、カーン》をプレイされることがなくなり大きく優位に立つことができます。しかし、カーン抜きVSクリーチャー展開の構図になることも発生するため、カーンを抜くために無理しても大丈夫かは良く検討しましょう。
まれに相手のデッキトップをシャッフルすることがメリットになる場合もあります。(《茨の騎兵》《月恵みのクレリック》)
《王神の立像》
今までは固定枠でしたが、その立場が若干揺らいでいるカード。
理由としては、
①万能なヘイトパーマネントであったが、対コンボ・相手の場に干渉すべきものが何もないときにより有効に働く可能性のある《石の脳》が入ってきたこと
②無限コンボには行けないがそれなりにマナがでてフィニッシャーが欲しいときの役割が《街並みの地ならし屋》でも任せられるタイミングがでてきたこと
が主です。【青白コン】に対する《告別》避けには依然として有効なものの《魂の仕切り》の存在によって若干信頼性が下がっています。
【ロータス】には追加のヘイトパーマネントとしてこちらのが優秀なタイミングがあること、【白日の下に】デッキにはこちらのが圧倒的に優位である点が差別化点かと思います。
サイド:不採用
《墓掘りの檻》
今回のリストでは採用されていませんが、【異形化】【ネオフォーム】の増加を受けて採用を検討してもよいカード。自分の《収穫祭の襲撃》でクリーチャーが出ない・フラッシュバックができない等多大な影響が出るので、使用は計画的に。
シークレットレイヤー版が使えることもメリット。
《金線の酒杯》
ほぼ対【独創力コンボ】専用カード。《大いなる創造者、カーン》出して4マナある時は《石の脳》を優先するため、そこまでマナが出なくてコンボ決められたくない時用。カーン自体をカウンターされることもままあり、用途が狭すぎて不採用。
《マイトストーンとウィークストーン》
除去もドローも兼ねる枠。マナ能力はアーティファクトのプレイだけでなく、《ニクスの祭殿、ニクソス》や《ハイドラの巣》の起動にも使用できます。-5/-5の範囲が意外に物足りません。《黙示録、シェオルドレッド》が倒せるのはいいですが、《機械の母、エリシュ・ノーン》、育った《帳簿裂き》、変身した《氷の中の存在》等倒せない対象が結構います。
兼用枠と言いながら、除去は《異形化するワンド》《街並みの地ならし屋》ドローは《勢団の銀行破り》で充分と考え、不採用です。
《キランの真意号》
無限コンボ用ではあるものの削った枠。無限コンボについては後述します。PWの忠誠値で搭乗できるのと飛行・警戒持ちである点に少し有用性はあり、対【スピリット】で少し影響あるのですが、大して変わらないという結論で不採用に。
《森呼び自動機械》
ほぼコンボ用。サイドに取ることで無限コンボの条件がかなり軽くなるのですが…無限コンボについては後述します。
サイドに無限コンボ専用カードは必要か
【緑単】は「兄弟戦争」でサイド用のアーティファクトが大幅に強化されました。そのため、採用するアーティファクトの選択肢が増え、15枚すべてがウィッシュボードというのが一般的ともいえるようになっています。
しかし、自分は《大いなる創造者、カーン》が強くないマッチアップというものも存在し、サイドとの入れ替え枠も欲しいこと、《石の脳》・《真髄の針》でカーン自体が機能しなくなるような対策も増えている中でサイドボードをすべてカーンのために割いてよいものかと考え、できる限りウィッシュを減らそうと試みました。
その中でほぼ無限コンボのマナ軽減専用枠といってよい《キランの真意号》《森呼び自動機械》を削るべく条件を軽くしてまでの無限コンボが必要なマッチアップがあるか検討しました。
無限コンボが要求されるのは基本ターンを返した場合に負けが発生するデッキになります。
【独創力コンボ】
ターンを返した場合に即死コンボを決められる可能性が有ります。ただし、《大いなる創造者、カーン》を出してマナが浮いている以上、《石の脳》でほぼ勝ちです。
【ロータスコンボ】
同様に《減衰球》等のヘイトパーマネント、《石の脳》で嵌めることができます。
【天使】
相手の盤面が強固となり、ライフも大幅に回復されている場合、無限コンボが主たる勝ち筋になります。ただし、遂行速度があまり早くなくこちらがいつか無限コンボを決められる状態であれば、問題ないことがほとんどです。
【白単】
《精霊への挑戦》があるため、無限コンボが決められるかどうかが少し影響するマッチアップ。ただし、無色ブロッカーを用意することや余裕があれば、《石の脳》で《精霊への挑戦》を抜くことで問題ない場合もあります。
無限コンボ関係ないところで勝敗が決することも数多くあります。
【緑単】
以前までは《茨の騎兵》が並びあうと互いにダメージが入らず、《ハイドラの巣》等でアタックすると《茨の騎兵》で《大いなる創造者、カーン》等を拾われ逆に負けるため、無限コンボが勝ち手段として重要な要素を占めていたマッチアップ。基本事項として無限コンボが成立するには相手の《大いなる創造者、カーン》をどけることが必要です。
《石の脳》が入ったことにより、無限コンボに行く条件である《大いなる創造者、カーン》が場にいない場合、《石の脳》でカーンを抜いてしまえば、次のターンにクリーチャーで殴り切られる以外に負けません。次の自分のターンで悠々と無限コンボを決めれば問題なく勝利することができます。
つまり、相手にクリーチャーを多く展開されていてライフが詰められており、相手側には《大いなる創造者、カーン》がいないという状況の時のみ軽く無限コンボを決められることに価値が出ます。
3/19のプレミアム予選ではまさしくその状況になったのですが、実際には手順は難しかったもののサイドにあるものだけでほぼ勝ちの状況を作り出し、勝利しています。
結局のところ、ほぼ【白単】でしか無限コンボ軽減の利は得られないだろう、むしろ《大食のハイドラ》がサイドに取れることの方が有効に働くマッチアップという考えで《キランの真意号》《森呼び自動機械》を減らすこととしました。
以上が各イベントレポートと【緑単】のリスト解説です。
最後に
PTチェインということで、次回は5/5~7のプロツアーミネアポリスに出場することになります。あとほぼ残り1か月ですが、できる限りの準備をして悔いないように頑張っていきたいと思います。
最後までお読みいただき有難うございました。