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韓ドラ★Kシネマ 主役は<漢江>だ! 「イムジン河」「チェックメイト!」の巻

(↑トップ画像)4月に咲いていたハナミズキの花。淡く可憐で美しい

STOP THE WAR!
STOP PUTIN!
STOP ABE!

1968年の「イムジン河」

韓国ソウルのはるか北を流れる<イムジン河>は、北朝鮮との国境に設けられた板門店のそばを蛇行することから、南北分断の象徴となっています。
 
もう半世紀も前のこと、「帰ってきたヨッパライ」を大ヒットさせた京都出身のフォークソンググループ<ザ・フォーク・クルセダーズ>は、その翌年の1968年にまったく傾向の異なるシングル盤「イムジン河」(作詞:朴世永 訳詞:松山猛 作曲:高宗漢・加藤和彦)を発表します。

(↑)ブログ<中村雅人の「天気明朗なれど波高し」>より画像を転載させていただきました。
☞URLはhttp://blog.livedoor.jp/masahitovolvo/archives/52216875.html

〽イムジン河 水清く とうとうと流る
水鳥自由に 群がり飛び交うよ
我が祖国 南の地 想いははるか
……
 
音楽著作権の関係で3行をオーバーする引用は控えねばならないのですが、歌のメッセージ性をお伝えしたいため、あえて二番の歌詞を引きます。
 
「北の大地から 南の空へ/飛びゆく鳥よ 自由の使者よ/誰が祖国を 二つに分けてしまったの/誰が祖国を 分けてしまったの」
 
歌は「我が祖国 南の地 想いははるか/イムジン河 水清く とうとうと流る」という望郷のリフレインで終わり、中国とアメリカの思惑によって分断された北朝鮮の側から南の地の韓国に戻れない悲嘆を歌ったのです。
 
この「イムジン河」は、発表当時の1968年、ベトナムで大国による代理戦争によって南北が分断され殺戮し合っていたことを想い起こさせ、「誰が祖国を 二つに分けてしまったの」という歌詞が、朝鮮戦争およびベトナム戦争に(間接的にであれ)加担した日本国内に向けての強烈な反戦メッセージともなりました。
 
もともとは北朝鮮の民謡「臨津江」(イムジンガン *1)だったことや、歌詞の二、三番は日本のオリジナルだったことから、朝鮮総連から猛抗議を受け、「イムジン河」はレコード発売自粛と放送禁止の憂き目に遭いましたが、名曲とひそかに評価され、のちに映画「パッチギ!」の主題歌にも採用され、ヒットしました。(*2)

(*1)「臨津江」の読み
~北朝鮮取材の第一人者であるアジアプレスの石丸次郎さんによれば「リムジンガン」。おそらくネイティブの発音に沿った表記だろうと思われる。
 
(*2)詳しくは、http://www.tapthepop.net/song/19876

<漢江>は韓国ソウルの誇り

<イムジン河>も朝鮮半島が平和統一されれば、南北統一の象徴となって、人気の観光スポットになること間違いなしでしょうが、それはいつの日になることか。
 
そうした国家間の政治的な思惑をよそに、<イムジン河>は何事もないかのように「水清く とうとうと流る」ことでしょうが、実ははるかに「とうとうと流る」のは、韓国ソウルの誇り<漢江>のほうです。
 
まず、スケールが違います。
韓国に行ったことがないので、映画やドラマで観ただけですが、こんなぐあいです。

「チェックメイト」に映るのは、もしかして琵琶湖!?

(↑)韓国ドラマ「チェックメイト!~正義の番人」から。この<漢江>を観たとき、琵琶湖かと思ったほどの広さで、これは、悪徳経営者が画面右側のボート・フロートから、ペダル踏みの水上遊具で逃亡しようとする場面。
(↑)「チェックメイト!~正義の番人」(主演キム・ドンウク=手前左、共演パク・セヨン=中央、全16話、2019年)は労働争議の痛快な解決ドラマ。マッチョで正義心あふれる労働監督官がブラック企業から困窮した労働者を次々に救済していく――このエンディングの画面は主要なメンバーで、各話を追うごとに、悪徳経営者を退治する味方が一人ずつ増えていき、黒に塗りつぶされた人物が姿を現すというしゃれた仕掛けになっている。

数字に見る<漢江>のスケール

そこで、<漢江>のことをネットで調べてみました。
 
国のソウル中心部を滔々と流れる<漢江>は、国内では洛東江(510㎞)に次ぐ第2位の長さ(494㎞)ですが、流域面積では国内一の広さ(35,770㎢)を誇っています。
 
世界を見渡すと、アマゾン川(6,992㎞)、ナイル川(6853㎞)、揚子江(=長江6300㎞)のトップ3にはかないませんが、日本一と比較すると、長さでは信濃川(367㎞)、流域面積では利根川(16,840㎢)をはるかにしのぐスケールです。
 
信濃川、利根川と比べると、対岸が霞んで見えるほど川幅もかなり広いと想像され、向こう岸に渡る大橋(鉄橋・自動車道路)が29本(ソウル観光財団サイトより)も架けられているというのもうなずけます。


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