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【衆院選/野田佳彦と芳野友子】<政権交代>のチャンスをみすみす逃した張本人

【はじめに】
もっと短かめに収めたかったのですが、書いているうちに怒りがこみ上げてきてしまい、長文になってしまいました。最後までお読みいただければ幸いです。=すべて敬称略=

なぜ、二人は敵に塩を送るようなマネをしたのか

衆院選2024立憲民主党など野党勢力が<政権交代>を果たせなかったのは、党員が高齢化・減少化したとはいえ、まだまだ選挙戦の足腰が強い共産党との選挙協力が不調に終わったせいだと思う。
(もちろん、その逆だという分析もあるけれど)
 
その共産党との選挙共闘を拒んだ張本人が二人いる。
 
一人は、野田佳彦(立憲民主党代表)だ。

▲野田佳彦立民代表は「政権交代こそ、最大の政治改革」と分かりやすいスローガンを掲げたが、選挙が終わってみれば、どこまで本気だったのか疑わしい。かつての<民主党>敗北の戦犯と言われた、その個人的なリベンジにすぎなかったのではないかという気もしてくる。また「中庸の政治」とは寛容の精神と合わせ<リベラルのシンボル>であって、これまた眉ツバものである。
(公式サイトより)

野田「安保法制の容認」が共産党の怒りをかい、共闘の芽を早々に摘んでしまった。
 
また、“税と社会保障の一体化”などと安倍晋三との党首討論でタンカを切って、消費増税をうながした保守的な野田(当時首相)に、「消費税の廃止」を政策に掲げる<れいわ>や<社民党>などリベラル政党もそっぽを向いてしまった。
 
野田よりもさらに“悪質”だったと言えるのは、芳野友子(労組中央組織<連合>会長)だ。

▲芳野友子連合会長は、共産党と選挙協力しなかったから、支援政党の立民も国民も勝てたと言いたげだったが、映像を見るかぎり、上昇志向の強さや成功者にありがちな成金体質のようなものがすけて見えてきて仕方ない。いま米大統領選を闘っているハリス氏ではないけれど、女性初とか男性とかの性別ではなく政策や思想で判断してほしいという熱意がまったく感じられない。(2024/10/28テレビ朝日のYouTube配信より)

この上昇志向の強そうな人物は、<女性初の連合会長>と騒がれたが、就任早々から共産党アレルギーをむき出しにして、立民が共産党との共闘を図るなら候補者を支援しないとまで言い切った。
 
これでは、「自民党の回し者か!」と非難されても仕方ない。
 
もちろん、共産党に対しては“政策は正しいんだけど、党の独裁体質がね”と嫌っている人は多いかと思うが、自公政権を結束して打倒しなければならない局面にきても、なぜ、ここまで自民党を利するような態度をとるのか、それが<謎>だった。

<連合>は“ダラ幹”に牛耳られ、労働者の敵になった

もともと<連合>という労働界の中央組織は、革新的な<総評>(社会党系)と保守的な<同盟>(民社党系)が合体した、いわば“野合集団”だった。
 
<全労連>(共産党系)とは企業内労組員の獲得でシノギを削ってきたため、<総評><同盟>とも“共産党憎し”の感情が強かったが、<連合>になってからいっそう激しくなったように思える。
 
というのも、<総評>加盟組合のうち最大にして強固なグループだった<国鉄労組>(国労の機関士が加入する<動労>はのちに経営側に寝返る)が実質的に解体され、かわりに、電力・電機・自動車など大企業労組中心の<同盟>が勢力を伸ばし、両者が合体して<連合>になったときは、すっかり闘う牙を抜かれてしまっていた。
 
おまけに<国鉄労組>とともに<総評>の中核であった<自治労>や<日教組>の力もしだいに落ち、さらにそれぞれダラ幹(ダラけた労組幹部)の金銭不祥事などで組合員の不信を招き、組合員数も激減してしまっている。
 
だから、<連合>というより、昔の<同盟>と言ったほうが理解しやすい<労使一体>の中央組織ができあがってしまった。
 
その完成形が、例の<官製春闘>だ。
 
<連合>が安倍一強政権(+経団連)にすり寄って賃上げを嘆願するという奇妙な関係に仕向けた張本人こそ、昭和に大流行したソバージュの髪型が特徴の<連合>会長・芳野友子だと思う。
 
今回の衆院選でも芳野会長立憲民主党に圧力をかけ、維新とともに“第2自民党”とヤユされる国民民主党との協力を後押しする一方、共産党との共闘をほとんど断念させ、反自民勢力が政権交代する千載一遇のチャンスを逃してしまった。
(もし、立民がリベラルの枝野幸男を代表に選び、共産党との選挙共闘をうまくやっていたら、もっと議席を増やしていたのではないか。かえすがえすも残念!)

「愚か者めが!」芳野会長があれほどまでに共産党アレルギーなのは?

立民代表の野田佳彦が共産党ぎらいであることは、松下政経塾(松下電器の創立者で“経営の神様”とまであがめられ保守の論客でもあった松下幸之助が創設した保守系政治家の育成機関)の出身であることから想像がついていたが、先述したように、芳野会長がなぜあれほどまでに共産党に敵意をむきだしにするのか、それが長い間、わからなかった。
 
当初は、勤務先のJUKI(ジューキミシン)で共産党員と論争して負けた恨みか(このケースがけっこう多い)、それとも<全労連>(共産党系)と労組員の奪い合いをしていた遺恨かとも思ったのだが、ようやく謎がとける指摘にめぐりあった。
 
ネット上に掲載されたある文章(先ほどあらためて読んだらWikipediaや「現代の理論」ほかに同じ指摘が載っていた)は、こんな点を指摘していた。

「富士社会教育センター(民社・同盟系)の教育部門が富士政治大学校で、芳野友子はそこで反共思想を学んだ」

(メモから。筆者不詳)

芳野本人は「富士政治大学には行っていない」(Wikipediaより)と否定しているようだが、影響があったことは認めており、これは推測にすぎないが、ゴリゴリの“反共主義者”と言われた松下正寿(故人、元立教大学総長・元参院議員)が富士政治大学の理事長を務めていた影響で松下が懇意にしていた統一教会とも接点があったのではないか、とも指摘されている。
 
ともかく芳野は、<連合>加盟の有力組合が<労使一体化>している大企業のことしか考えていないのだ。
 
今や4割にまで達した非正規労働者(契約・派遣社員)、パートやアルバイト、ウィーバーやアマゾンの配達員、ライターやデザイナーなど自由業とは名ばかりのフリーランサー、シルバー人材センターで働く高齢者たち……みな同じ労働者なのに、<連合>はポーズだけで本気で労働者のことを考えようとはしない。
 
芳野の悪質と思われる点は、それにとどまらない。

▲山本太郎<れいわ>代表は、国会でもたった一人、いち早く津軽半島の被災地でボランティア活動をおこない、国会でも他の野党議員を尻目に、自民党政府に対して「何をしているんだ!」と一刻も早い救済策を訴えてきた。消費税にしても5%減税などといった甘っちょろいものではなく完全廃止を訴えつづけている。他の与野党は口をそろえて「財源は?」と冷笑を浴びせかけるが、山本代表は「日本は空前の税収増で潤っており、多額の内部留保を蓄えている法人から本来の税率に戻して徴収すれば十分に賄える」と言っている。国民がもっとましな生活を送れるのは、消費税廃止しかないとわたしも強く思っている。

<れいわ>の山本代表が国会でも辻説法でも一貫して主張しているように、「<法人税減税>の穴埋めのために使われている<消費税>」芳野は一言も触れない。
 
物価高の元凶でもある<アベノミクス>以来の<円安>政策に異議を唱えないのも史上空前の利益を上げたトヨタなど輸出産業を守るため。
 
原発の新設・再稼働も東電など電力総連に配慮して黙認。
 
おまけに、自民党にスリスリ揉み手をして大企業中心の賃上げを陳情し、自民党の“老害”麻生太郎に招かれ、たらふく会食してご満悦とあっては、人間として恥ずかしくないのだろうかと思う。
 
祝!落選した裏金議員の丸川珠代(夫は大塚製靴の御曹司・大塚拓議員で、夫婦仲良く落選)の有名な言葉を借りれば、「愚か者めが!」と、芳野には締めとして投げつけておこう。
 
=最後までお読みいただき、ありがとうございました=


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