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【フジTVの深い闇①】港浩一さんの❝天国と地獄❞

★【トップ画像】大揺れのフジTV本社~フジの報道部が反乱か、夕方の看板番組「イット!」は社員による経営陣批判まで速報した。(2025/01/24<イット!>より)

▲フジTVの臨時記者会見(1月17日)は、カメラを許可せず取材記者を制限したため❝閉鎖的❞と批判され、その矢面に立たされた港浩一社長。静止画ながら、憔悴しきっているように見えた。

<はじめに>

本日27日午後4時からフジTVは<やり直し会見>を開くが、その前の<臨時取締役会>で、経営陣の退任を含め打開策が討議されるらしい。
したがって、お読みいただいた時点で、すでに港浩一社長の進退が決定しているかもしれない。
中居正広とともに去りぬ――そのような結末を迎えてしまうのか。

「オールナイトフジ」の花形ディレクターだった時代

1980年代半ば、みんながバブルに熱狂していたころのこと――。
 
港浩一社長は、フジTV深夜の人気番組「オールナイトフジ」の花形ディレクターだった。
 
当時、フジTVはお台場エリアではなく、都内のちょっと不便な市ケ谷河田町にあった。
 
その局舎の左手前に、「ラ・ポルト」という名の喫茶店があり、超多忙な港さんと30分ほどだが、そこで会えることになった。
 
こちらの新商品を番組の放送中にそれとなく露出してもらえないか、というムシのよいお願いに出向いたのだ。
 
それに対して、港さんは制作現場の一存では決められないが検討はしてみる、という、至極当然な答えを返してきた。
 
結局、こちらの願いはかなわなかったけれど、もしも逆の立場だったら、同じように一種の社交辞令でもって、わたしもその場を切り上げていただろうと思う。

港浩一さんは叩き上げの“テレビ職人”という印象

それより、妙に気になることがあった。
 
港さんは予想していたより服装が地味なせいもあったが、明らかに疲れ、頬がこけ、げっそりした様子だった。
 
もともと痩せぎすの人だったのかもしれないが、深夜の生放送を仕切る身だ、やつれが見えるのも無理はないとは思った。
 
でも、それまでに会った他局のTVディレクターも多忙を極めていたはずだが、どなたもカラーシャツにセーターを肩にかけるという当時流行の定番ファッションで現れ、颯爽としていた。
 
もしかしたらフジTVは人づかいが荒いのではないか、とそのとき思った。
 
というのも、NHKや日テレ・TBS・テレ朝など民放各局に比べ、フジTVの労働組合は会社が右寄り体質のためか活動が低調と聞いており、そのことと関係があるのかもしれないと考えた。
 
だとしても、一方で、港さんの話しぶりから、叩き上げの職人気質のようなものを感じ、好感をもったということも言っておきたい。

▲高視聴率をあげた深夜番組のパイオニア「オールナイトフジ」。とんねるず(中央)と片岡鶴太郎(左)は一躍人気者となった。

その❝テレビ職人❞が、「オールナイトフジ」に続いて、「とんねるずのみなさんのおかげです」「とんねるずのみなさんのおかげでした」と立て続けに高視聴率を上げ、同世代のこちらもがんばらなくちゃと思ったものだ。
 
こうして、<とんねるず>とともに花道を伴走してきた港さんが、フジサンケイグループの共同テレビ社長を経て、<面白くなければテレビじゃない>という往年の名キャッチフレーズを引っ提げ、2022年、フジTV本社に戻った。
 
華々しく社長に就任したときは、ああ頑張ってトップに上りつめたのだなぁと応援したい気持ちになった。
 
ところが、港さん主演の舞台は、それからほどなくして暗転する。
 
(つづく)


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