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女子護身術3

実は、女子護身術講座の企画段階では、最初に教本を作成してはどうか、という話があった。しかしながら、その教本は、参加した女性たちの家庭に持ち帰られる。そこで、彼女たちの家族に見られ(ここまでは構わないが)、その弟など、中高生が見ることで興味本位に悪用された場合、大変な問題になる(勤務外の厚生活動とはいえ、電電公社の責任が問われる)恐れがあるなど、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の後、教本の作成はしないこととなった。ともかく、様々な意見がある中、実習を実現させることを最大原則として準備したのであった。

また、約80名の女性職員(受講者)を指導するため、当日コーチ役として招集された選抜選手(助教=ほとんど男性)たちへの事前打ち合わせや臨時講習をしなかった(出来なかった)のにも、訳があった。講座で公開される同じ技法を男性が用いた場合、その破壊力が大きすぎるから(若い)助教たちには特別に事前修得させる必要がない。と判断したのだが・・・、講座当日、助教としてほとんど機能しなかった彼らの当惑・困惑ぶりを見る限り、その判断は間違いであったようだ。また、実際問題として、コーチ役の助教たちの勤務先は広範囲であり、職種も様々であることから、事前に集まって、打ち合わせなり講習なりを行うことはほぼ不可能であった。自らの職場における出席調整(年休の取得など)もあり、ギリギリまで出欠不明の方もいたようだ。

本講座は、厚生課の協賛により実施され、東京市外電話局開催ということで、同局合気部役員の皆さまには、多大なご尽力をいただいた。円滑な開催に向けて、多くの方が様々な調整や下働きをしてくれた、この紙面を借りて感謝の意を表したい。

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