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合気柔術の技法11

基本技の一つに合気投がある。片手持ち合気投は、剣の理合にして姿勢作りを目的としている。古武道の剣は後ろ足(えびら)を強く張ることで斬る。剣を持ったときと同一動作で投げる、この場合、素振りだけでは実際の剣を使えない。そこで負荷を掛けた稽古をするのである。負荷を掛けることによって実際の剣の理合を身体に覚えさせるのである。足軽剣法は、素振り用の木剣や鉄棒などで練習するが、合気柔術の技法で同じ効果を果たす。合気柔術の技法の基礎鍛錬法は古流諸流派には全くないもので、秘密のものであり、新しく開発されたものと思われる。

大東流が公武合体用に作られたということは、幕末期に整備・構成されたのであるが、ここには新政権以降も武士の乗り物は馬であって、騎馬武士の基礎鍛錬法が必要かつ有効であるとの考え方が根底にある。当時の乗り物の進化をどう理解していたのか、研究する必要があるが、同時期に大東流と同じ目的で誕生した綜合武術も武士の伝統を守るという、同じ発想が強いものであった。このような時代背景とその後の社会の大変革は想定外だったのである。

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