合気柔術の技法14
陰陽虚実法
江戸柳生系合気柔術の本当の技法目的(鍛錬目的)は、陰陽虚実の習得にある。各技の奥伝は「ご油断めさるな」であり、返技も五段返まである。居取・半座半立・立合・後捕の四体を組み合わせた総合体術で5段階に返せることになっている。
この点、大東流合気柔術が他の古流柔術と全く異なるのである。伝書では一本目から秘伝である。一般柔術が基礎になっているからである。このことが表題の付け方でもわかる。(大東流柔術第3か条奥伝が江戸柳生系合気柔術の初伝と位置づけられる、という意味)
合気柔術には二系統ある。これは、柔術(第1・2か条)を卒業した者がやる第3か条以降の合気柔術と、この第3か条を初伝としてスタートする江戸柳生系合気柔術ということである。
柔術1・2か条の半座半立は殿中作法であり、上司に対するものが含まれている。立合は鎧組打ちであるが、江戸柳生系合気柔術にはそれがない。柔術には返技がない、剣のための姿勢作りがない。この特徴だけを見ても、柔術と合気柔術に目的意識に明確な違いがあることがわかる。したがって基礎技法でも大きな違いがある。合気之術はさらに違うのである。
大東流に3大技法ありと世間に公表したのは「護身杖道(昭和58年1月)」が初めてである。まだ、大東流関係者はこの発表を消化できないでいるが、いずれこれに対する反論や質問・疑問等が山積みにして来るはずだ。それだけの内容をこの本は説明している。ACCの人たちは、このことの具体的な説明を受けているが、一般の人たちは「護身杖道」に書かれたことのみで判断しようとしている。ここに書き留めている「合気柔術の技法」に関するシリーズは、それらに対するガード固めもあるし、大東流3大技法の実体解明が私の仕事なのである。
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