集中のあり方
ものごとに集中して取り組むことは大切なことです。散漫な状態では何もできないからですね。でも、この集中ということはある面危険な要素を持っていることを知っておく必要があると思います。
集中することで驚異的な能力を発揮することが出来るかも知れない一方、集中しすぎると時間の感覚を失い、他のことに一切気づけなくなるという、認識力やコミュニケーション能力の限界につきあたるからです。
専門棋士など、小さいときから集中する訓練をして大成します。また、パイロットや医師などは専門的な教育を通じて集中する訓練をして専門家になります。このようなプロも集中しすぎて失敗することがあります、棋士なら負けるだけですが、多くの死者を生む一昔前の飛行機事故や医療ミスの原因の一つだったのです。
このことは、武術にも言えます。目の前の相手に集中しすぎると、周りが見えなくなり、自分の体の特定の部位(筋肉など)に集中しすぎると全体の動きに支障が生じる。かといって、集中しないで捌くことは達人にでもならない限り難しい、ここはやはり、先人の教えに従った稽古法によって集中と分散のさじ加減を体得するしかないのでしょう。
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