日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道18
一体化が完成すると、4本足状態となりますから、基本安定構造です。
この安定構造を再び不安定な状態にすること(これも一般的には「崩し」と呼びます)で施技する、これが合気柔術のアプローチです。
すなわち、相手の状況は無関係(一体化なし)に技を掛けていくのが柔術であり、相手との関係性(一体化)の中で技を掛けていくのが合気柔術ということになります。理論的説明は以上のように明解ですが、実際の技では、合気と柔術の間もバランスがいろいろあり(グラデーションして)ますから、わかりにくいのです。
鶴山先生は、合気と柔術のバランスについては、次のようなイメージを持つとよい、と語っていました。
気合 合気 気合 合気
柔 術 10 0 序 10 0
合気柔術 3 7 →合気柔術 破 3 7
合気之術 0 10 急 0 10
なお、これは、あくまでもイメージ図であって、例えば、合気之術は合気だけで技が成立するかのように見えますが、実際は違います。先生自ら「合気」だけでは技にならない、と別のところで言っているからです。合気(一体化)の要素が99.9%で、0.1%の柔術テクニックを用いるとか・・・ということになります。また、この図から、合気の要素7~10であれば合気之術というのか? など突っ込むべきものではないのです。