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秘伝・合気道 堀川幸道口述 鶴山晃瑞編 21(最終回)

先師武田惣角遺言とも言える口伝によると、合気之術は五百石以上の上級武士のみが教伝を許されたものであって、天人地三体の法則によりこれを呼吸鍛錬して活かすべきである、とのことであります。
一天之巻 神伝 肉体充足法として、合気之術を習得した場合、その効果は長寿秘法となる。
 実際、大東流合気武道の先生方はそれぞれ年代では標準以上の長寿者が多いのであります。呼吸鍛錬法の効果の実績としてよいと思われます。
二人之巻 神伝 合気柔術を武術として習得した場合、一をもって万物に順応できるのであります。槍術、剣術、柔術を始め、手裏剣、十手、弓、馬術といった武術の極意が大東流に集約され、総合武術として組立てられているのであります。柔術は父、合気は母であります、そこで「やわらは武術の父母なり」といいわれております。
三地之巻 神伝 合気を精神修行の場として活用した場合、精神統一・強化、集中力、対人対応など和合により、人間生活の表裏がなくなり、色なし・姿なし・臭いなしの無の境地に至れるのであります。(完)

解説 大東流の指導者をみると、西郷頼母73歳、武田惣角86歳、堀川泰宗82歳、堀川幸道86歳、久琢磨85歳、吉田幸太郎83歳、植芝盛平86歳、佐川幸義96歳など御長命だった方が多いのは事実です。御長命だったからこそ、長年指導できたとも言えますが、ここにあげた先生方は若いころから達人でしたから、武術の鍛錬の効果があったとしてもいいと思います。
さて、大東流に集約された多くの極意、これを読み解くことが継承者たる私たちの役割です。でもこれが難しいのです、口伝や教伝で教わったことはわかりますが、全てを教えられるわけではありませんし、先生も気づいていない極意があるかも知れません。
鶴山先生は、「武道とは、その場その場に対応動作するところの行動哲学」と語りました。この対応動作には対人対応その他すべての場面が想定されています。先達の教えをこれからの人生に活かせるよう努めたいものです。
今回で「秘伝・合気道 堀川幸道口述 鶴山晃瑞編」は完結です。

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