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沢庵和尚34

「前後際断」のこと
前後際断(ぜんごさいだん)とは、前の心を捨てず、今の心を後に残すのがよくないのであり、前(過去)と今の間を切って捨てよという語意である。要するに心を止めないということが重要である。
「敬の一字」のこと
敬とは朱子学における主要な修養法である。心を自覚・覚醒しその機能を発揮せよ。ただし、敬の一字の位に止まってはならない。

補足説明:不動智神妙録は「不動心(無心)」について、手を変え品を変え説明を尽くしています。一所懸命稽古をすれば、次第に体も動き上手になり、技がよく掛かるようになります。しかしながら、わかった、出来ると思って、上達を意識すると失敗します。卑近な例では3回続けて技が掛からない、3回目に失敗するということがよくあります。無意識の意識が「上達を意識した」からでしょう。このような成功と失敗を積み重ねていくなかで、余計なことを気にしなくなり、無心無念で稽古に臨み、そのようにできるようになるのです。ここでいう無心無念とは何もないということではなく、平常心の状態です。これこそが、沢庵和尚がいう不動智なのでしょう。

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