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技法真髄8

(承前)およそ力は動力・静力、解力・凝力、引力・弛力、分力・合力(の4対=八力(はちりき))より成り立つところの道理を神習い、日々の稽古に身体に魂込めて描き出し、肉体を錬磨して武道になる。
肩を掴みに来たらそれは剣を八相に振りかぶり肩より斜めに切り下ろすか、又は足を切るつもりで切りつけると思いながらなさねばならぬ。まず、八相にかぶって肩口に向って切ってくるとき、又は大上段に振りかぶって切りかかって来るときには、肩そのものの精神で敵の剣を誘い、右足同時に進めて敵を打ち倒すか、左足を引いて倒す。
昔剣法に皮を切らして肉を切り、肉を切らして骨を切る、という戦法があった。これは切りかかる剣の下に泰然として皮を切らして同時に敵の肉を切った戦術であったが、今日では皮を切らすさへ惜しむ。たとえ皮でも切らすことは、つまり自身を傷つけ又は危うくすることになるから、それではならぬ、自己の身を損なわぬようにして敵を倒さねばならぬ。すなわち心で導けば肉体を傷つけずして敵を倒すことが出来る。(続)

補足説明:人を制圧するには、何らかの力が必要です。爆発や薬物を用いる化学的な力、物理的な力そして人間に特有の心理的な力です。大雑把に言えば、前者二つを用いるのが兵器、後者二つを活用するのが武術です。
武術では、力の源泉すなわち、重力・筋力(靱帯・腱を含む)・反作用など意識して、それをコントロールすることが求められます。

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