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武道の極意・秘伝集25

14余の修行中、突きを入れたる節は、いつも向こうの裏へ二三尺も突き貫く心持ちにて突きたるなり。か様になくては、向こうへは強く当らぬものなり。
補足説明:新陰流兵法には、嶺谷(みねたに)之事という目付の口伝があります。太刀でどこから(上の嶺)どこまで(下の谷)斬るか、見定めよ・意識せよということです。斬る目標の部位は嶺谷の間にあります。目標の部位を谷としてしまうと、上手くいかないのです。
大東流柔術の当身(突き)も同じです、相手の背中の後方を突くつもりで当身を出す、これが大事。
 
15他流に、一眼・二心・三足ということあり。この三つ連続せねば、敵に勝つこと得がたきものなり。これは当流において、心気力という場なり。心とは敵を広く一体に見るところなり。気とはこのところを打たん、あそこを突かんと思うところなり。力とはその思うところをするには力にて、この三つ一致せねば、敵を打つこと難し。
補足説明:柳生十兵衛三厳は『飛衛』において、「数々の習いをよせて三段となし」と、第一弾 見、第二段 機、第三段 躰、にとりまとめました。見を機におさめ、見・機を一つになし躰にこめるのである。面白いことに、新陰流兵法では、力のことには触れていません。


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