日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道12
①勝とう勝とうと思いつめること
②兵法を使おうと一途に思うこと
③最高の実力を発揮しようとすること
④積極的にかかっていこうとすること
⑤待ち構えようとすること
①~⑤が病気であり、こういった病気を除こうと思いつめることもまた病気である。
何ごとも心が一つのことに固着した状態を病気というのであって、これは心の中の問題だから、内からなくして心を整えることが重要である。
と説いています。そして、この病をなくすためには、
初重(しょじゅう:初心稽古の位)と後重(ごじゅう:仕上げの段階)の
二段階があるといいます。すなわち
初重の段階では、禅の古語に「念に渉って無念、着に渉って無着」(思いありて思いなし、心をつけて心をつけず)という章句がある。心の病気をなくそうとするのは一つの「思い」であって、病気というのも一途に思いつめた「思い」であるから、一つの「思い」でもう一つの「思い」をなくすのである。「思い」がなくなれば無念となる。そして、病気をなくそうという「思い」は、そもそも病気に「ついている」ものなので、その「ついているもの」で病気をなくせば、ついている思いそのものも残らない。