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力の源泉

武術の技は何らかの「力」を相手に通す=伝える=渡す=影響を与えることによって、成立します。
では、この「力」はどこから発生させているのでしょう?
普通に考えると筋力の力で相手を制するのでは、と思いますね。もちろん正解ですが、筋力だけではなく、重力や反作用も力の源泉なのです。

詳解しましょう。
まず、筋力です。筋肉を収縮させるときに発生する力のことですね。関節を伸ばすときに力を発揮する伸筋が強調されることが多いと思いますが、屈筋や呼吸筋などあらゆる筋肉を使います。筋力の特徴は筋肉を鍛えることによって、パワーアップが図れることです。また、筋力は骨との接合部である腱を意識することによって、本来の力を発揮させることができます。

次は、重力です。ここでは地球上の物体が地球から受ける引力で、物体の重さの原因となっている力のことを指します。重心の下方向への移動、頭・腕・肩・脚の重さから来る力を活用します。重力の活用は、落下する重さ(力)を相手に渡すことですから、踏ん張って、自分で重さを支えてはいけません。

最後に、反作用です。ある物体が他の物体に力を及ぼすとき、同時に同じ大きさで逆向きの力を他の物体から受けることを反作用といいます。例えば、地面や壁に棒を当て、これを強く押すとその力が跳ね返ってくる、この力を利用し相手を自滅させる方法です。このためには、自分が棒のようになる、体を一体化させる必要があります。

これらの内、重力と反作用の活用は自身を鍛える必要もなく、衰えることもありませんから、有効な力の源泉となるのです。

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