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「兵法百首」から読み解く「新陰流兵法」11

小太刀にて 一尺五寸の はずしあり 三十余太刀 数のこと
補足説明:小太刀とは、太刀(刃渡り(刃長)2尺5~6寸)と短刀(刃渡り1尺未満)の中間の長さのものです。成人男性の肩幅は約45cm、すなわち1尺5寸ですから、敵の打ちに従って身を開き打ち勝つことを1尺5寸の迦(はずし)と言います。小太刀では身を囲うことができないので、転身すべし、と教えています。小太刀をひっさげて、敵と対する場合、懸に乗り勝てるならばよいが、乗れないとき危険である転身すべし、という教えです。江戸柳生系合気柔術の体捌きもこの教えに従っています。
 
小太刀には 二寸五分の はずしあり 身際の勝ちは 押さえてぞよき
補足説明:小太刀の鍔(つば)で身を隠し、拳(2寸5分≑7.5cm)を盾にして太刀を使う、という教えです。太刀先を敵の左眼に付け、ひとえ身(半身)で構えるとよい、柄中を押さえて勝つのが常道。なお、太刀でも小太刀でも打つ必要はなく、柄中に乗せればよいのです。


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