逮捕術教範(上)
鶴山先生は、久琢磨が大東流技法を応用して逮捕術を整備し、それが警察に採用された、と語りました。
そこで、当時筆者が職場にあった法規集を調べたところ「逮捕術教範(昭和43年3月21日警察庁訓令第3号)」を見つけ、確かに規程として整備され、その中に小手返や脇固などがあることから、なるほどと確認したのでした。
さて、久が整備したものとは、総伝11巻中の「第十巻合氣道第十巻警察官用捕技秘伝」のことで、その説明には、次のようにあります。
誰何及び逮捕の要領
誰何せんとする相手に対し
①武器、凶器の類いを所持しているかも知れない
②いつ抵抗するかも知れない
③隙があれば逃走を企てる
④劇薬等を所持し服薬するかも知れない
⑤虚偽の陳述をして警戒線を突破する
このような想像の下に、いつでもこれに応ずるの気構えをもって臨むことと、虚言を看破するに足る追求力と六感を必要とする。(略)
誰何の身構え
誰何せんとする相手の態勢は千差万別であるから、いちいち具体例の説明はできないが、本流においては原則として変化自在の最も安全なる「半身」の姿勢で、相手の右、左斜前約1歩の位置にあって、訊問、検索を行うのであるが、特に留意すべきは、単に相手方のみならず前後左右に気を配り油断があってはならない。(略)
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