大東流の三大技法(続)28
大東流三大技法の組形は動きが少ない(体捌がほとんどない)ので、それだけでは、攻撃を捌く(避ける)稽古が不足します。熟達すれば、合気を用いて受けられるから、体捌は必要なくなるのでは・・・との意見もあるでしょう。しかしながら、相手と圧倒的な体格差があるような場合、先ず避けるのが無難です。また、日常で突然何かがぶつかってくることもあるでしょう、これも避けるべきです。
そして、何よりも、多敵之位(対多人数捌)では、自在な動きが求められます。江戸柳生系合気柔術や教外別伝(杖・懐剣など)で乱取稽古をしますが、いきなり乱取りをやっても自分の動きのパターンにはまって上手く出来ないのです。先ずは、様々な入身転身法を身につけ、約束稽古の中で攻撃をかわし、制圧動作に入る、これが原則です。
鶴山先生の考えは、大東流三大技法を学ぶ入り口は合気道技法がよい、そして出口でも合気道技法の自由な体捌は役に立つ、というものだと思います。
最後に、江戸柳生系合気柔術の隠しテーマを紹介しておきます。
乾之巻は読心術、坤之巻は不老長寿の法です。
これらを究極の目標において、合気柔術を練っていくのです。なぜ、読心術と不老長寿の法かは、既述の内容から想像に難くないでしょう。恐るべし合気柔術なのです。