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武田時宗・宗家独占インタビューについて15

武田惣角見聞記8
(承前)惣角の弟子の一人だった合気道創始者植芝盛平翁の回想を、植芝吉祥丸著『合気道の技法』から引用する。
「私(植芝盛平)もしばしば体験したように、合気術を錬磨するにつれて惣角の姿は誠に鮮烈に現われる。こうした脳髄の働きを不思議がるに当らない。我々の行動は、自己の持つ心と、体の働きと常に相対的である。だから惣角が残した技・大東流を学ぶとき、いかに彼の技が心と体の千変万化あるいは融通無碍であることが、深く感じさせるのである。私たちの行動・技が惣角の行動の一部に過ぎないということを認めないわけにはいかなくなる。」
 
私(時宗)より数段と優れていると思われる植芝盛平先生も前項に述べられているような考えを持つとすれば、惣角の言葉と日常行動のすべてが術技・心得・身の処し方であり、体験の積み重ねであったことなどを、後世の研究家の方々のため書き留めておくことも、現在以上に術技が更に発展する場合の参考たり得よう。また、正しい伝承の保存を図ると共に、惣角について誤り伝えられている俗説に対する終止符を打ちたい、という私の秘かな願望でもある。
また、このことを通じ昔時から武術の修行を通じて会得することが出来る立派な人格者としての陶冶により、今後の日本の発展への原動力となること、合気を通じて達することが出来れば幸いである。(続)

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