生活と合気道3
補足説明:note既述のとおり、塩田剛三先生は植芝盛平の弟子の中では戦前派の代表者の一人として、一門一時代を確立された達人でした。
先生は、盛平の当時の指導方針を引き継ぎ合気道を武道としてとらえていました。そして、先生の合気道は、いわば柔術的な江戸柳生系合気柔術、固い合気柔術技法の影響を色濃く残しているものだといえます。
かつて、『格闘技通信』に連載された「塩田剛三直伝 養神館合気道の極意をつかめ! 指導:塩田剛三」をみても、柔術テクニックの指導と説明が主となっています。なお、先生自らは基軸之事を使った通力を披露していますが、解説はなく、あっても抽象的なもので読者にはわからない内容となっています。
さて、今回の寄稿とほぼ、同趣旨のことを日本伝合気柔術では、初学者のための心得と心構えとして、次のように教えています。
武道とは、「自制心を修行すること」である。
武道の技には破壊と建設の両面性があり、技によって人や社会に迷惑をかける=破壊的行動を起こさないよう「自制心を修行すること」が肝要である。学校や社会経験を通じて学んだ知識や技能は、学んだ者の理解程度、すなわち、考え方や用い方次第で破壊的行動(言動)にシフトすることがある。これは、バランス感覚の欠如が遠因と考えられる。